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タケ小山のオレにいわせろ!【出資の見返りとしてのプロアマはそもそも必要なのか】


 ハローエブリバディ! 5月末に行われた、男子ツアー「日本ゴルフツアー選手権」プロアマ戦で片山晋呉選手の起こしたトラブルが話題になっている。大会後の6月にはJGTOが会見を開き、ゲストに対する非礼があったとして、片山選手には制裁金30万円と厳重注意の処分が科された。そこで今回はプロアマから男子ツアーの今後について考えてみたい。
 そもそもプロアマとは、大会のスポンサーがゲストを招いてプロとのラウンドを楽しんでもらう場。日本ツアーではほぼ毎試合で実施されている。大会スポンサーにしてみれば、取引先の幹部や関係者を招くことができる魅力的な“商品”だ。ただ、よくよく考えてみてほしい。プロアマは本当に必要なものなのだろうか。
 現状の男子ツアーでは、テレビ中継が前提にあり、その膨大な製作料や賞金を出してくれるメインスポンサー探しが一番にくる。その出資の返礼品として、プロアマがセットになっているのだ。それではメインスポンサーの立場が強くなりすぎているため、今回のような問題が起こってしまう。他人に不快な思いをさせるのはもちろんNGだが、スポンサーと選手の立場は本来イコールであるべきだと思う。
 問題は1社のメインスポンサーに頼りすぎていることにある。少量のお金を出資できるようにして、多数のスポンサーについてもらえばいい。そうすればプロアマをする必要もないし、今回のような事件は起こらない。
 またこれを機に、プロスポーツの原点である“ギャラリー集め”に立ち戻ってほしい。プレーを見たいギャラリーが多く集まり、その試合に出資したいスポンサーが出てきて、そこから選手の賞金がまかなわれるのが正しいプロスポーツのカタチだ。つまり“ギャラリーを集める”ことから、プロスポーツは始まっている。ギャラリー数を増加させなければ、男子ツアーの復活は考えられない。
 ギャラリーを増やす方法は数多くある。たとえば、ローピングをシンプルにして見やすい会場にする、電車で行けるアクセスのいい会場にする、思い切ってコースは毎週同じにするなど、工夫するべき点は多々あるだろう。また、テレビ中継を前提にしなくてもいい。いまはさまざまなメディアがあるのだから、それらと手を組んで新しい放送の仕方を考えるのも手だ。いま原点に立ち戻って、方針を変えていかないと10年後、20年後には取り返しのつかないことになっているぞ!

タケ小山

●小山武明(こやま・たけあき)/1964年生まれ。プロゴルファー、ゴルフ解説者。テレビ「サンデーモーニング」(TBS)、ラジオ「ザ・ニュースマスターズ・トウキョウ」(文化放送)ほか、多数メディアで活躍。東京都出身。

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