【ゴルフ開眼トーク】プロはダウンブローで打っている意識がない!<前編>

とりたくてもとれない、男子プロのような長いターフ

ヒデ 今日さ、男子ツアー観に行ってきたんだけど、やっぱり男子プロは迫力が違うね。
今野(マスター) パワフルでキレがありますよね。ゴルファーとして、本当にリスペクトします。
ヒデ まぁ飛距離はマネできないけど、ターフをとるダウンブロー! アイアンはあんなふうに打ちたいねぇ。
今野 わらじターフですか。
ヒデ それ! 深くて長いやつ。オレもハンドファーストで打ち込んでいるのに、ターフがとれるっていうよりもほとんどがただのダフリ。
今野 ヒデさんは、なぜダウンブローで打ちたいんですか?
ヒデ そりゃ、プロがみんなそうだからよ。なんつってもカッコいいじゃん。
今野 ダウンブローで打ったら、球はどうなります?
ヒデ 強い球が出るよね。
今野 本当にそうでしょうか? 打ち込んだらバックスピン量が増えますよね。そこで1度、ダウンブローとアッパーブローのメリットとデメリットを考えてみましょうか。

ヒデ あれ? どっちもメリットは「強い球を打つ」ってことになるね。
今野 そうです。アッパーブローの「高打ち出し・低スピン」だって、強い球を打つための方法です。
ヒデ 矛盾しているね。ダウンブローは強い球を打つはずなのに、逆に風に影響されやすい弱い球を打つことにも……。でも、プロはアッパーでは打っていないでしょ。ボールの先のターフがとれるんだから。
今野 ええ。ただし、単に打ち込むだけでもないでしょうね。アッパーブローっぽいテイストが入っていて、弾道の強さをギリギリ維持できる「アッパーとダウンブローの中間」で打っているんですよ。
ヒデ ん0。結局、プロとアマチュアの技術の差ってことかぁ。
今野 技術以前に、意識の差が大きいと思います。ヒデさんはダウンブローはどうやって打つと思っていますか?
ヒデ 鋭角な入射角でヘッドの刃をボールの真下に入れて、ボールからコンタクトする。その結果、ボールの先のターフがとれる。これをもう10年もやり続けているんだけどね。
今野 10年やってダメだったら、もうその意識は潮時じゃないでしょうか(笑)。で、プロの場合ですが「ダウンブローに打つ意識がありますか?」って聞くと、大多数は「ない」と答えます。つまり、意図的には行っていないんですよ。
ヒデ 自然とああなるってこと?
今野 そうですね。こんな話もあって、青木功プロと今田竜二プロは「すべてのクラブは左足の前で打つ」といっています。インパクトポイントは、中心より左なんですよ。
ヒデ 左!? でも、ふたりともターフをとるじゃない。青木プロなんて露骨に。
今野 この話をボクなりに解釈すると、インパクトポイントが左側にあるとヘッドの入射角は自然にゆるやかになるから、バックスピン量が抑えられてフケない。右側だと垂直落下に近くなるので、スピン量が増えすぎてしまう。スピンコントロールに秀でたプレーヤーらしい話ですよね。
ヒデ でも実際のボール位置は、アイアンなら真ん中か少し左寄りだとしてもボール1個分くらい。それで左足の前にインパクトポイントを作ったら、ダフるかトップしそう。
今野 それも意識の違いというか、先ほどヒデさんがいっていた「ヘッドを刃から入れる」。これもインパクトポイントを左足の前にしたらほぼ不可能。つまり、ヘッドの入れ方自体にも違いがあって、プロはソールから入れているんですよ。
ヒデ ソールを滑らせるように?
今野 滑らせるという意識はないでしょうが、クラブの構造がそうなっているから、とはいえます。サラゼンウエッジはご存知ですか?
ヒデ 4大メジャーグランドスラマーのジーン・サラゼンが、苦手なバンカーを克服するために発明したウエッジでしょ。
今野 はい。着陸する飛行機の尾翼を見て、クラブのソールにも同じように傾斜をつければ砂に潜らないのでは、と考えられて作られたものですが、そのときはバンスは今ほどついていなかったそうです。その後、改良されて今のようなバンスがつくのですが、これは水鳥が水面に着地するときに、頭からではなく丸いお尻から着水するのがヒントになったそうです。
ヒデ それで丸みがつくようになったんだ。
今野 はい。ウエッジだけでなくアイアンにもです。設計上も、クラブはソールからつくようにできていますよね。
ヒデ そうなの?
今野 この紙に、クラブ設計家になったつもりで、アイアンの図面を引いてみてください。
ヒデ こんな感じかな。
今野 トゥ側からの見た図は、シャフトを垂直に描きますよね。もし斜めに描いたら、そこには「その角度は何度が理想である」という数値や決まり事がなくちゃおかしい。単純にクラブを垂直に下ろした状態で、座りのよさや抜けのよさを作っている。ならば、ソールから入れてシャフトを垂直に立てる“設計図どおり”のカタチが、理想のインパクトになるでしょう。
ヒデ ちょっと待って! シャフトを左に傾けたハンドファーストの状態に合わせて設計されていないのはわかった! でも実際にハンドファーストで打っているし、打たなくてはいけないのがセオリーじゃないの?

後編に続く…

今野一哉

●こんの・かずや/1982年生まれ。スイング、コース、マネジメント、ギアなどを幅広く猛勉強。蝶ネクタイを身につけた「ゴルフのコンシェルジュ」としてさまざまなメディアで活躍中。18GOLF代表。

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