歳をとっても“飛ばせる構え”はどっち…?シニアプロが解説
歳をとっても「飛ぶ人」と急に「飛ばなくなる人」はなにが違うのか?シニアならではの症状をチェックし対策を講じることが重要だ。
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腹筋で骨盤を持ち上げるイメージで構えるのがコツ
年齢を重ねると、長年の生活習慣や筋力の低下などで姿勢が悪くなる。また、太ってお腹が出てくるとガニ股になりやすい。するとアドレスのバランスが悪くなり、体の可動域や回転量が小さくなってしまう。球が飛ばなくなる人はこの傾向がとくに強い、と鈴木亨は指摘する。
「まず、アドレスを見直しましょう。ポイントはお腹に力を入れて、骨盤を後傾すること。腹筋で骨盤を持ち上げるイメージで、骨盤をほんの少し後傾させる。そして、軽くお辞儀をするように上半身を前に倒す。足裏の拇指球から土踏まずに体重を乗せ、前後のバランスを整えることが大切です。
背すじを無理に伸ばす必要はありません。また、お尻を突き出すように構えると、腰を痛めてしまうので気をつけてください」
ガニ股に要注意!
太ってお腹が出てくるとガニ股になりやすく、きれいに真っすぐ歩けない。結果、アドレスしたときの姿勢やバランスも悪くなってしまう
Point1:骨盤を後傾して上半身を前に倒す
お腹に力を入れたら、骨盤をほんの少し後傾して上半身を前に倒し、前後のバランスを整える。
お腹が出ている人は、お腹にグッと力を入れるだけで体の重心が安定し、ゆるみのない締まったアドレスになる
骨盤を後傾しようとしてお尻を突き出すのはNG。カカト体重になるだけでなく、腰を痛めてしまう
骨盤をそのまま前傾させると、前傾姿勢が深くなりすぎたり猫背になったりして、バランスが悪くなる
Point2:上半身の力を抜きワキを軽く締める
歳をとると腕力に頼った打ち方になり、肩や腕に余計な力が入りがち。そこで上半身の力を抜き、ヒジを下(地面)に向けてワキを軽く締めることが大事。
こうすると手打ちにならず、体の回転を使って飛ばせる
クラブの重さを感じながら下ろすと、余計な力が入らず、ヒジが下を向く
いかがでしたか? ぜひ、鈴木プロのポイントを参考にして、レッスンしてみてください!
レッスン=鈴木亨
●すずき・とおる/1966年生まれ、岐阜県出身。178㎝、80㎏。レギュラーツアー8勝。16年にシニア入り。18年にシーズン3勝を記録し、賞金ランキング2位に。22年のファンケルクラシックでシニア6勝目をあげた。ミズノ所属。
構成=小山俊正
写真=中野義昌
協力=季美の森ゴルフ倶楽部
また、飛ばし屋の増田伸洋は「練習」と「本番」でスイングを使い分けている。これを参考にして大きな飛距離を手に入れよう。
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練習するときはクラブを目いっぱい振ることが大事
シニアになると、若いころのように体を回そうとしても回らない。それを受け入れ、本番は無理せずに体を回せる範囲でしっかり回す。だが、練習ではあえて無理をしたほうがいい、と増田伸洋はいう。
「なぜなら、ゴルフはクラブを“振らなくなる”と“振れなくなる”からです。とくに体の硬い人は、歳とともに体が回らなくなり、ますます飛ばなくなる。
これを防ぐには、ワイドスタンスにして体重移動の量を大きくしましょう。トップで左足カカトを上げる、いわゆるヒールアップを加えるのも効果的。多少無理をしても、体の動きを最大にしてクラブを目いっぱい振る。最初はボールを打たずに素振りを繰り返すことが重要で、クラブを振る力を鍛えれば飛距離アップにつながりますよ」
Point 1:ワイドスタンスで体重移動を大きくする
いつもよりスタンス幅を広くして、トップで体重を右足に、フィニッシュで左足にしっかり乗せる。ワイドスタンスは体を大きく使うことが要求されるので、スイングが自然に大きくなる
狭いスタンス
体が回りやすくなり、軸回転のスイングを作る練習としては有効だが、体の可動域や体重移動が小さくなってしまう
お腹を動かす
肩よりもお腹を意識するのがコツ。バックスイングでお腹を右に向けると、体がラクに大きく動く
Point 2:ヒールアップでトップを大きくする
左足カカトを上げて体重を右足に乗せ、体の動きを最大にする。ワイドスタンスに違和感がある人は、通常のスタンス幅のままヒールアップをしてもOK。
手だけでクラブを上げるとトップが小さくなり、歳とともに飛ばなくなるので注意しよう
振る力を鍛える
素振りで体の動きを大きくしたら、次は曲がってもいいのでボールを思い切り飛ばす。クラブを振れば振るほど、振る力が身につく
レッスン=増田伸洋
●ますだ・のぶひろ/1973年生まれ、千葉県出身。175㎝、85㎏。レギュラーツアー1勝。昨年シニア入りし、すまいーだカップで初勝利を飾るなど賞金ランク4位と大活躍。24年シーズンはスターツシニア6位。フリー。
構成=小山俊正
写真=田中宏幸
協力=日神グループ 平川CC
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