ワンピン以内に寄せるテク! 「内側」と「外側」で分けて考える

グリーンまわりまでスムーズにきても、アプローチでダフリやトップをしてしまうと流れが悪くなり、スコアも崩れてしまう。そのため“パターで寄せる”を多用する人がいますが、うまく寄せられていますか? 安全・確実、大きなミスにならないはずが失敗して「これならウエッジで打てばよかった……」と後悔する。そうならないための成功の秘けつと寄るテクニックをレッスンします。

距離感の経験値をパターに集約する

パターでのアプローチをワンピン以内に寄せていくポイントは、いわずもがな「いかに距離感を出せるか」です。裏を返せば「距離感だけつかめれば簡単にカップまで寄せられる」ともいえます。パターで転がしながらの距離感合わせで大事なのは「ボールがグリーン面に入るときにどのぐらいのスピードになっていればカップに寄りそうか」と「グリーン手前のライでの減速を考慮するとインパクト時の初速はこれぐらい出す」、このふたつを、芝の向きや長さを確認しながらイメージすることです。

簡単にいえば、グリーンの外側と内側を分けて考える必要があるということ。「距離感」はゴルフのスキルのなかでも経験に頼る部分がもっとも大きいもののひとつなので、最初は簡単ではないと思います。ですが、それはほかのクラブでも同じ。さまざまなクラブでアプローチすれば、そのぶんだけ経験値は分散しますが、距離感の経験値をパターにできるかぎり集約することで「急がば回れ」的にアプローチがピンに寄ってくる回数が増えていくはずです。

そして、寄るテクニックとして必ず行なってほしいのが“素振り”です。次で紹介するステップ1、2の素振りを実践して「パターアプローチの名人」になってください。

STEP 1 “ピンを見ながら”素振り

ライを確認したら、まずは“ピンを見ながら”素振りをし、ボールが転がっていく様子をしっかりと映像化する。このとき、クラブの振り幅はあまり考えなくて大丈夫。なんとなく「こんな感じかなあ」とパターを振りながら、ボールが転がりはじめてから止まるまでのスピードをイメージする。この作業をしておけば、想定外にショートやオーバーしたときも次につながるフィードバックを得ることができる。

ボールの「初速」と「終速(止まる様子)」を明確にイメージする。

STEP 2 “ボールを見ながら”素振り

次はボールを見ながらの素振り。STEP1でイメージした初速とパターの振り幅をマッチさせていく。ここでもし違和感がある場合は、STEP1に戻ってイメージを作り直そう。STEP1、2のイメージが一致したら、そのイメージが消えないうちにストローク。アドレスしたらなるべく早めに打つのもポイントだ。

[ 応用編 ]ターゲットまでの距離が長いとき

打つ距離が長いときには、スタンスを少しオープンにする。ヘッドが振り抜きやすくなるのでスピードを上げて打てる。

いかがでしたか? 距離感はグリーンの内側と外側で分けて考えてみましょう!

レッスン=生見和己
●ぬくみ・かずき/1998年生まれ、東京都出身。名門・明徳義塾高校ゴルフ部を卒業後、ゴルフ場で研修生として腕を磨く。22年からレッスン活動を開始。現在はツアープロコーチの石井忍が主宰する「エースゴルフクラブ 西神田校」にてレッスンを行なう。レギュラーツアーでキャディを務めることもあり、コースマネジメントについても造詣が深い。

構成=石川大祐 写真=竹田誉之
協力=取手桜が丘ゴルフクラブ

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