「シンプルな動きのほうが大事」教え上手な林菜乃子が心掛けていることは?

百獣の王こと武井壮が、プロゴルファーを目指していろいろな経験を積むのがこの企画。

今月は林菜乃子と対決!の予定だったが「思っていた印象やイメージと全然違う!」と思った武井は、スコアは二の次、レッスンメインで9 ホールを回った。

【関連記事】菅沼菜々、初の写真集発売!購入はこちら

対決そっちのけでラウンドレッスン

直す部分って意外と簡単なところにあって… …

武井 今回は「林プロの教えを実践してみよう」というテーマに切り替えました。

 私を倒す予定じゃなかったんですか?(笑)

武井 練習の時点で、僕の悩みの解決法をスパッといってくれて、そのアドバイスもすんなり聞き入れられて「じゃあやってみます」「あっいい感じ」となることが多かったので。お会いする前の印象とはまったく違いました。

 私ってどんな印象だったんですか?

武井 インスタを見ていてパリピのギャルかと思っていました(笑)

 ギャルではないけど、インスタが映えているってことかも(笑)

武井 そうですね(笑)。林プロのアドバイスですが、いつも練習場では教えたとおりにできたとしても、コース内の、このシチュエーションでは難しい、となることが多いのに、ラウンド中でもいい球が打てました。

 武井さんはタイプでいえば、身体能力が高い人の直し方。「こう動いてください」といってもなかなかそのとおりに動ける人はほとんどいないので、それがすごいと思いました。

武井 クレバーな教え上手ですよね。とても勉強になりました。

 うれしいです! 芹澤(信雄)師匠や兄弟子の藤田(寛之)プロたちのおかげですね。ミスを直す部分って意外と簡単なところにあって、芹澤プロにも「じつはそんなに難しいことじゃない」とよくいわれます。

武井 でも、高度なことをしたがりますよね。教える側も教わる側のどちらも。

 しかも、今ってSNSがあるから情報過多。サムネとかも派手な目を惹く言葉で、そういうものを見てしまいがちですよね。

武井 それを1度見ると、それに関連することばっかり上がってきますし。

 そうなんです。だから私は、芹澤プロに「こうだよ」といわれたら「わかりました、やります」「できました」の繰り返しでやってきました。兄弟子の藤田プロも同じ感じで「自分もそうだよ」といってくれるので「この感じで合っているんだな。シンプルな動きのほうが大事だ」と自分に言い聞かせています(笑)

Play Scene
グリップやアドレス、スイングにいたるまで林にレッスンを受けながらの9ホールプレーとなったが、武井がはじめて会うプロにここまで積極的に教わるのは珍しい。

「うまくいかない根本的な原因を教えてくれて、しかもそれが新鮮な感覚だった」と武井。教えどおりにすぐできる武井のすぐれた能力に、林も驚き、何度も拍手を贈っていた

やるか、やらないかの二択で
あとはどれだけ時間を使えるかで決まる ――武井

武井 今シーズンのレギュラーツアーはQTのランキングだと、リランキングまでの前半の試合にはほぼ出られそうですね。

 はい。今年は楽しみです。ゴルフが楽しくなってきたので。

武井 楽しくなかったときもありましたか?

 やめたいと思うことはなかったですが、昨年と一昨年は本当につらかったです。でも、調子を落としてしまった2年間で、いろいろ考えることができたら、また楽しくなってきました。

武井 どんなことを考えましたか?

 20代前半のころのほうが疲労の回復も早くて体は元気でしたが、知識が足りませんでした。今はゴルフをどんどん知ることで楽しくなってきて、そこにちゃんとフィジカルとかがついてくるようにオフもしっかりトレーニングしています。自分が楽しくなってきている気持ちをフィジカルで落としてしまわないように。

武井 僕もそういう経験が何度もあります。仕事柄、各界のレジェンドとお話ができる機会がありますが、これまで自分が知らなかった、踏み込まなかった話が聞ける。ゴルフも今日のようにプロに話を聞くと、知識が広がり深まっていくから、僕のゴルフも猛烈に伸びるときがくるんじゃないかと期待していて、そこがモチベーションが下がらない理由のひとつです。

 体力や気力は、年齢とともに下がっていくものだと思っていたのに、逆に上がることもあるんだと驚いています。「こういうのを知ったら楽しくなる。もう1回できるかも」と思ったところで昨年のQTを受けて、レギュラーツアーに出られる成績を残せたのでチャンスだと思っています。

武井 目標は大事ですよね。その目標もショートターゲットをひとつずつこなし続けて、これまでの仕事でもうまくいきました。ゴルフだと、一昨年のティーチングプロの技術試験も目先の目標をクリアしていったら1発で通った。

 武井さんは、ゴールを決めるんじゃなくて、目の前のことをクリアしていくほうが多いですか?

武井 僕は完全にそのタイプ。大きな目標がないわけではありませんが、身近で達成できそうなことから毎日必ず取り組む。それに時間を使ってできるようになると楽しいし、それを積み重ねていくと気づけば最終的な目標を達成しています。

 目標のために時間を使っているか、いないかは、自分がいちばんわかっていますもんね。

武井 そのとおり。いい知識が入ってきても、1歩進まないと。やらない自分をいかに倒すか、です。

 いちばん倒さないといけない動物は、自分ですか?

武井 そうですね(笑)。「怠惰な自分」ですね。正直、しんどいときも多々あります。でも、何もやらないと何もなかったころの自分と変わらない。やってきたからの今の自分。やり続けていけばまだ先がある、上がれる。クオリティとかの前に「やるか、やらないかの」二択なんです。

今がいちばん、
ゴルフの楽しさとおもしろさを感じている ――林

 テレビの武井さんは「なんて頭の回転の速い、賢い人なんだろう」と思って見ていましたが、じつは努力と準備の人なんですか?

武井 才能でも天才でもまったくなくて、バラエティやクイズ番組では「下調べと準備の武井壮」です!(笑)

 私も藤田プロによくいわれます。「魔法ってないよね」って。

武井 あー、ないですね。うまくいかないときってだいたい自分でもわかりますよね。足りなかったって。昨年のQTもそうじゃなかったですか? ちゃんとやってきたらちゃんと残れた。

 はい。それを本当に強く感じました。こうやって戻ってこれるんだなって。しかも、「なんでダメなんだろ?」が「こういう理由でこうダメだったから、こういうところからはじめよう」と理解できるようになった今は、ゴルフがすごく楽しくておもしろくなってきました!

武井 楽しいだけでなく、今の林菜乃子のほうが強いのでは?

 そうありたいし、武井さんのお話を聞いて、毎日後悔がないように自分と向き合う時間を増やそうと思いました。自分がまだできることはたくさんあると思うので、1日1日の積み重ねで365日が終わったときに、達成感を感じられる1年にしたいです。

武井 近年、低年齢化が進んで、毎年サバイバルゲームのようになっている女子ツアーですが、技術だけでなく知識も広げてゴルフを追求している林菜乃子は、必ず生き残るはずです。

 優勝にもつながるといいのですが、優勝できたときは「そうだよね。優勝できるくらいやったから」と自分にいえるくらいガンバるので、ファンの人たちも応援にきてください!

いかがでしたか? 次の武井さんと対決する選手を楽しみにしてください。

武井 壮
超えて活躍するマルチタレント。テレビ東京系列で「武井壮のゴルフバッグ担いでください」( 日曜朝 9:30 から) をオンエア中。YouTube「 武井壮 百獣の王国」も更新中。
●オフィシャルサイト gogotakei.com/
●X(旧Twitter)アカウント @sosotakei
●インスタグラムアカウント sosotakei

林菜乃子
●はやし・なのこ/1997年生まれ、神奈川県出身。155cm。6歳からゴルフをはじめ、2018年のプロテストに合格。同年のステップアップツアーで優勝。2025年はQTランキング46位の資格で、レギュラーツアーの前半戦に出場。フリー。

写真=田中宏幸 
協力=取手国際ゴルフ倶楽部

【あわせて読みたい】

菅沼菜々、初の写真集発売!詳細は公式LINEにて告知

「7番アイアンで200ヤードも飛ぶ」ってマジ!?“飛距離”に特化したアイアン4選

7番ウッドを選ぶ時の「4つのポイント」!最新15モデルを試打解説

関連記事一覧