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有村智恵、女子プロゴルフの序盤戦を振り返り!今年のルーキーについて語る

有村智恵プロの連載第十三弾。日本女子レギュラーツアー序盤戦の6試合を徹底解説してくれました!

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ダイキンは岩井千怜選手、流石の優勝!の印象なのですが・・・

こんにちは。プロゴルファーの有村智恵です。

2025シーズンが開幕して早くも6試合が終了しましたね。私自身も復帰2試合を戦いましたが、今年のルーキーはちょっと面白そうですね!

ダイキンオーキッドレディスは、アメリカツアー参戦中の岩井千怜選手が優勝しました。スポットでの参戦ですが、流石の一言。まさに横綱相撲でした。しかし、ルーキー組が存在感を示した大会でもありました。初日から、実質初シード組と言っていい菅風楓選手とルーキーの吉田鈴選手が飛び出し、最後まで優勝争いを盛り上げてくれました。最終的には荒木優奈選手、入谷響選手も上位に加わり、いつ誰が優勝してもおかしくない実力を見せてくれましたよね。一方で、小祝さくら選手、大里桃子選手など優勝候補だったベテランが苦戦している印象を持ったファンの方は多かったようです。でも、私は全然心配していませんでした。琉球ゴルフ倶楽部はグリーンが特徴的でアジャスト出来ないことも多く、調子がそのまま反映されるとは限りません。良いパッティングが出来ているのに入らないこともザラです。小祝選手、大里選手のようなシード常連組は、序盤戦でオフの取り組みを試しているような部分もありますし、必ず調子を上げてくると思って見てはいました。

アメリカツアー組強し!Vポイントは吉田優利選手の独走

2022年に日本女子オープンを開催した、日本でも屈指の難コース紫カントリークラブすみれコースでの、新規大会Vポイントレディスが2試合目でした。私も自分の調整のために練習ラウンドをこなしながら、選手仲間たちと話をしてきたのですが、開幕間もないこの時点で、今シーズンのルーキー達への評価は非常に高い印象でした。しかし、そこは難コース。実力者のワザが光ったトーナメントでしたね。初日は、パターの名手青木瀬令奈選手が圧巻のスコアメイク。このまま4日間完全優勝か!?と感じさせるプレーを見せてくれました。しかし2日目にまさかの失速。昨年の怪我の影響があるのかもしれません。本来、あのような崩れ方をする選手ではありませんから。それに代わって飛び出したのが吉田優勝利選手でした。難コースが要求するショットに高いポテンシャルで応える、まるで共鳴しあうような圧倒的なプレーでした。実際の紫すみれコースをラウンドすると気が付きますが、グリーン周りがタフで、シード選手達ですらパーをキープするのがやっとなんです。そんなコースでチップインを連発していた吉田選手のショートゲームは本当に素晴らしかったです。技術の高さだけでなく、潔い彼女の性格的にも、決め打ちが必要な難コースは合うような気がします。アメリカツアーでも、特にメジャーなどでの活躍を期待したいですね。そして驚いたのは、ここでも優勝争いに食らいついた菅選手。非常にシンプルなゴルフが特徴で、デビュー当時の山下美優有選手に似ていると評判です。実力は本物、早めに1勝出来れば年間女王争いも夢ではありません。

工藤遥加選手は女子プロゴルフ界の7不思議(笑)

3戦目のアクサレディス。開催コースであるUMKカントリークラブは、ハイスコアが出るコースではないのですが、かといって伸ばせないコースというわけもないんです。ですから、毎年混戦になりやすいトーナメントの1つです。その予想通りトップを走る選手が何度も入れ替わり、最後まで優勝の行方が気になった大会でした。そんな中、念願の初優勝を遂げたのが工藤遥加選手。ドライバーはコントロールショット気味に打つのに飛距離は十分で、アイアンの切れもあります。優勝に手が届かない選手は、どこか技術や努力が足りない部分があるのですが、彼女にはそんなところが全くありません。性格も素直で気になるプロに自ら教わりにいくなど勉強熱心でポテンシャルも高い。なんでシード獲れずに、いつもQTにいるの?と、私たち仲間の中では”7不思議”案件だったんです!(笑)強いて言えば、完璧主義者すぎたのかもしれません。全ショット、全パット完璧でなくても優勝をつかめる。これから飛躍する予感がします。一方で、菅選手は悔しかった。開幕から好調を維持した地元開催。初優勝の舞台が整っていたように感じていましたが、惜しくも逃してしまいました。

個人的には、最高の最終日最終組

 私自身の復帰戦でもあったヤマハレディスオープン。残念ながら予選落ちに終わってしまいましたが大会は見ごたえ十分でした。葛城ゴルフ倶楽部 山名コースも難コース開催で。毎年ベテランのワザが光る大会。その期待通り、穴井詩選手、全美貞選手、藤田さいき選手による最終日最終組対決は最高でした。細かい技術が散りばめられているのに、硬くなることなくシンプルにプレーをする3選手はまさに熟練。最終的には穴井選手が優勝しましたが、3人ともアッパレでしたね。

安田選手の成長が著しい

初日から終始、安定したプレーを見せた安田祐香選手。アマチュア時代から将来を嘱望されていた実力は本物でしたが、なんせ体が弱かった印象があります。ツアーの転戦で体が悲鳴を上げ、彼女本来に実力を発揮できていないように見ていました。しかし、2024シーズンから徐々に調子を上げ初優勝を飾りましたし、今大会の最終日も強い雨の中あれだけゆっくりとしたテンポでスイング出来るのは明らかに強くなった証拠です。複数回優勝しそうですよね。そして、ここでも中村心選手という新たなルーキーが登場しましね。最後のパッティング以外は、ショットもパットも申し分なし。近い将来初優勝するのではないでしょうか

佐久間朱莉選手、涙の初優勝!

バンテリンレディスでは、ついに佐久間が優勝しましたね!私も最終日ラウンドレポートとして佐久間選手の組についていたのですが、3ホール目くらいで優勝を確信して、佐久間選手のお父さんに「今日の朱莉ちゃん違いません!?」と思わず声をかけてしまいました。佐久間選手については、昨年からずっと注目して見ていたのですが、どうしても勝負所でリキみが出る癖が見受けられ、ショットのテンポが速くなったり、パッティングの動きがスムーズでなくなる傾向がありました。もともとツアーでもトップクラスのショットメーカーですので上位には顔を出せるのですが優勝まではあと1歩届いていませんでした。この日は違い、むしろパッティングが彼女のプレーを助けスコアメイク出来ていました。ゴルフに幅もできましたし、昨年の竹田選手のように、このまま一気に!?と期待してしむような素晴らしい優勝でした

これから中盤戦へと進んでいきますが、今年は菅選手、入谷選手を中心としたルーキー達が引っ張るかシーズンになるかもしれません。そして個人的には河本結選手が面白いと感じています、ポイントは早い時期に1勝できるか?ですね。誰が女王になるのか本当に楽しみです。私も、頑張りますよ!!

いかがでしたか?今シーズンも女子ツアーから目が離せそうにありませんね。

有村智恵
●ありむら・ちえ/1987年生まれ、熊本県出身。159cm。通算14勝(メジャー1勝)4月に双子の男の子を出産。

構成=岡田豪太
写真=田中宏幸
協力=スターツ笠間ゴルフ倶楽部、エースゴルフ赤坂、LADY GO CUP

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