左手グリップが超重要!同じ握りのプロのスイングを手本にしよう

参考にするスイングは振り方だけでなく、自分と同じグリップをしている選手をマネするのが効果テキメン!

あなたの左手のグリップを確認してください。

その握り方と同じプロのスイングを手本に、グリップに合った正しい練習法をレクチャーします。

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【画像左】ウィーク×松山英樹:操作性重視!
【画像中】スクエア×香妻陣一郎:ミート率アップ!
【画像右】ストロング×Y・E・ヤン:弾道が強くなる!

左手→ウィーク × お手本→松山英樹
クラブや球筋をコントロールできる

フェース向きで球筋を打ち分ける

左手の甲がターゲット方向を向くウィークグリップの人は松山英樹タイプ。フェースを開いてフェード系のボールを打ったり、積極的に手首を返してドローを打つことも容易。球筋をコントロールして打つプレースタイルに合ったグリップです。

スイングの特徴は、トップで左手甲が空を向くように左手を掌屈させて、インパクトでは甲をターゲットに向けてボールをヒットする。ウィークグリップは飛距離が出ないといわれますが、松山選手のようにダウンスイングで下半身をしっかり回転させて、インパクトで骨盤を大きく開くと、クラブをスピーディに振り抜けるスペースができるので、ヘッドスピードが上がって飛ぶようになります。

左手はウィークグリップのまま、松山選手のようなスイングをマスターするにはどうすればいいのか。オススメの練習法を紹介します。

「手の向き=フェース向き」。手の向きによって、狙いどおりの球筋を打つことができる

Drill58 オーバースイング防止!ヒジと体の距離感を覚える

トップで左手の掌屈(手のひら側に折れる動き)が必要です。このとき、ヒジと体の距離が近すぎると、コック(手首が親指方向に折れる動き)が強く入ってしまい、右ヒジが曲がりすぎたりシャフトクロスになってオーバースイングになりやすい。これは、ボールを両ヒジで挟んでスイングするドリルで防止。ヒジと体の距離を適切に保つことができます。

Drill59 合掌素振りでフェースコントロールを身につける

ウィークグリップは右手のひらと左手甲の向きが、フェース向きにかかわってくる。腕とクラブを一体化させて手の向きを意識すれば、インパクト時のフェース向きを自在にコントロールできます。これは、合掌する形のグリップで感覚を養います。クラブを握らず両手を合わせた状態で素振りをして、フェース向きをコントロールするスイングを身につけましょう。

松山英樹
●まつやま・ひでき / 1992年生まれ、愛媛県出身。181cm、90kg。20年は8月のBMW選手権で3位、11月のビビントヒューストンオープンで2位タイに入る。世界ランキング19位(2020年12月12日現在)。レクサス所属。

左手→スクエア × お手本→香妻陣一郎
大きな面でインパクトでき方向性が上がる

飛んで曲がらないボールが打てる

グリップの基本にもなる左手スクエアは、左手甲が体の正面に対して左斜めを向く。ウィークとストロンググリップの中間を向く形です。基本とされる理由は、フェースを過度に開いたり閉じたりせずに、体の回転に合わせて適度に開閉させられるから。インパクト時にスクエアにすることも容易なので、方向性のいいストレートボールが打ちやすくなります。

左手をスクエアで握る香妻選手のスイングを見てもフェースローテーションは少なめで、インパクト時の左手甲の向きはアドレスと同じ方向を向いている。さらに、左腕とシャフトをほぼ一直線にして、左肩からフェースまでをひとつの面にして打っています。

大きな面でとらえるようにすると方向性がよくなります。スクエアフェースのインパクトは、ボールへ伝えるエネルギーも上がって飛距離も伸びる。飛んで曲がらない球が打てます。

Drill60 バックスイングとフォローで体を起こさない

左手スクエアは、スクエアなフェース向きをキープする意識でスイングしてください。バックスイングからスクエアなフェース向きをキープすることが大事。フェース向きは体が起き上がってしまうとバラついてしまうので、両腕にボールを挟み、正面から見たときに挟まれたボールがよく見えるようにクラブを上げていきましょう。フォローも同じで、右肩を下げるようにしながら前傾をキープして振り抜くようにしてください。

Drill61 右手のひらで押して方向性アップ

スクエアグリップは右手の向きがフェース向きにリンクするグリップ。右手のひらでボールを押すようにインパクトすると方向性が上がります。その感覚は右手のひらを広げたままの素振りでつかみましょう。インパクトゾーンで右手のひらでクラブを押すように振りますが、ダウンスイングでもフェースがスクエアになっているかを確認してください。

Drill62 腰の回転から始動をスタート

クラブを真っすぐ引くのもスクエアフェースをキープするコツ。ボールの後方に棒などを置き、その棒をなぞるようにテークバックしてください。手先だけで振り上げてしまうと、クラブがインやアウトに上がってしまいます。左ワキを締めて腰から回してバックスイングしましょう。

香妻陣一郎
●こうづま・じんいちろう / 1994年生まれ、鹿児島県出身。165cm、71kg。20年の三井住友VISA太平洋マスターズで初優勝。首位と1打差で迎えた最終ホールで、劇的なイーグルを決めての逆転勝利だった。フリー。

左手→ストロング × お手本→Y・E・ヤン
ボールをつかまえて強い弾道で飛ばせる

フェースの開閉を抑えたまま打つ

左手甲が正面を向くのがストロンググリップ。左手首が背屈する形になってフェースローテーションを抑えられるため、ボールのつかまりがよくなります。

右へ曲がるミスが防げて、強い弾道で飛ばせるのが長所ですが、ポイントはヤン選手のように腰をしっかり回して打つことです。腰を鋭く回転させるにはヤン選手のように、インパクトからフォローにかけて両ヒザを目標に向けていくのをマネするのもアリですね。

Drill63 背屈した左手首の角度をキープする

ストロンググリップは構えたときに左手首が背屈します。その角度をキープし続けることで、スイング中、フェースはスクエアか閉じ気味に なる。左手首の角度はトップで崩れやすく、背屈とは逆の掌屈になるとフェースがかぶって球が上がりにくくなるので注意してください。

Drill64 腰を回して挟んだボールを落とす

上半身だけで振るダウンスイングは、手首やヘッドがすぐに返ってしまう。腰を回して左サイドにスペースを作ることが大事で、アドレス時の手首の角度を変えずに振ることができます。これは、壁と腰の間にボールを挟んで落とすドリルが効果的。素振りでOKですが、きちんと腰を回転させるとボールはインパクト付近で自然に落ちる。この練習で腰を回すダウンスイングをマスターしてください。

●1972年生まれ、韓国出身。177cm、88kg。09年に全米プロでアジア人として初めてメジャーを制する。18年に日本ツアーに復帰し、中日クラウンズで優勝。19年は三井住友VISA太平洋マスターズで3位に入った。NOW ON所属。

いかがでしたか? 自身のグリップに合わせて最適なスイングをマスターしましょう!

レッスン=矢野東(右)、河野勝成(左)
●やの・あずま / 1977年生まれ、群馬県出身。05年にツアー初優勝をあげると、08年にはANAオープンとブリヂストンオープンでも勝利。FIVE ELEMENTSのCTO。フリー。
●こうの・かつなり / 1996年生まれ、山口県出身。高校卒業後ティーチングの経験を積み、現在は東京都港区のFIVE ELEMENTSを拠点に多くのアマチュアをレッスン中。

写真=圓岡紀夫、ゲーリー小林、中野義昌
協力=FIVE ELEMENTS

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