
「パッティングの成績があきらかによくなった」年間女王・佐久間朱莉が信頼を寄せるパター
2025年シーズンに4勝をあげて、年間女王になった佐久間朱莉。部門別のデータを調べると、パッティングの成績があきらかによくなった。それに貢献したのが今年の開幕戦から使いはじめた「スコッツデール DS72」のパターだった。
4年間使い続けた
パターを変えた理由は?
昨年まで佐久間朱莉は4年間、同じパター(ピン 2021 DS72)を使い続けていた。2024シーズン終了後に話を聞くと「プロテストの前から使っているパターなので、しばらく変えられないと思います。1番気に入っているのは、打感のやわらかさです」というほど信頼していたパターだった。

しかし、2025年シーズンは開幕戦からパターを変えた。新パターは2025年モデルの「スコッツデール DS72」。このパターに変えると4月にプロ初優勝。そのとき佐久間は次のように語っていた。
「打感がやわらかいのに転がりがよくて、カップまでスゥーと転がってくれるところがめちゃくちゃお気に入りです」
「転がりがよいパターはコツンと弾くような打感が多かったのでなかなか変えられなかったのですが、コレは違いました。ようやく初優勝をつかむことができたので次は2勝目、3勝目と勝利を積み重ねていけるようガンバっていきます」
インサート素材の“新PEBAX”は
「テクノロジーのドーピング」
佐久間がいう「やわらかいのに転がりがいい」理由は、フェースインサートに秘密がある。「スコッツデール」シリーズに採用された“新PEBAX”は軽量でありながら柔軟性が高く、剛性と耐久性まで兼ね備えている。

新PEBAXインサートは、打感がやわらかいのに、音がしっかり出るので距離感を合わせやすい
専門家からは“テクノロジーのドーピング”ともいわれている革新的な素材で、厚底のランニングシューズなどにも使われている。ピンはそれをゴルフ用に最適化してパターのフェースインサートにすることに成功した。

佐久間は2勝目、3勝目、さらに4勝目まであげて年間女王になった。今年の活躍をもっとも支えたクラブについての質問には、迷うことなく「パターです」と即答。
「スコッツデールのパターにしてから、微妙な距離のパットを決められる回数が増えました。それが自信にもつながり、信頼を寄せています。初優勝したときの17番ホールで決めた長いパーパットが1番印象に残っています」
パターの貢献度は数字にも現れている。2024年シーズンは未勝利ながらメルセデス・ランキング8位だった佐久間。2024年もショット部門ではボールストライキング1位、パーオン率5位とトップクラスの数字を残しながら、平均パット数は32位(29.4775)。


2025年はショットの精度はほとんど変わらず、平均パット数が7位(29.0042)まで上がった。パッティングが決まるようになったことで、平均バーディ数1位(3.8987)を獲得。最近のピンは「G440」シリーズなどが好調なセールスを記録しているが、1959年に創業したときはパターメーカーとしてはじまった。そのDNAは2025年にも継承されている。

佐久間朱莉
●さくま・しゅり/2002年生まれ、埼玉県出身。3歳からゴルフをはじめてジュニア大会で活躍。2021年のプロテストにトップで合格。2025年は4勝をあげて年間女王のタイトルを獲得した。大東建託所属。
【問い合わせ先】
ピンゴルフジャパン clubping.jp
構成=野中真一、写真=田中宏幸

































