
「目を鍛えて飛距離10ヤードアップ」上達に役立つトレーニング方法
現代人はスマホやパソコンの普及で、視野が無意識に狭くなっている。
リモートワークが増えている今は、さらにその傾向が強く、ゴルフにも悪影響が!
「僕も目の動きが鈍ってしまい、目のトレーニング法を学びました。その結果、飛距離が10ヤード伸びたんです!」と兼濱開人。
指導を受けたトレーナーの原友弘にも登場してもらい、上達に役立つ“目の鍛え方”をレクチャーする。
眼球の運動不足がミスを招く!スマホ依存の傾向が強い人はとくに注意!


バックスイングで頭が下がり、インパクトでは上体が伸び上がってしまう。

バックスイングで上体が右に流れて、インパクトでは右肩が突っ込んでしまう。
ボールと周りの芝を一緒に見る感覚で構える

兼濱 僕もスマホを見すぎて、目が疲れることがよくあります。そうすると首や肩も凝ってきますよね。
原 スマホやパソコンの普及で、小さな文字を見る時間が増えていますが、気づかないうちに目を画面に近づけて凝視してしまう。そうすると眼球の動きがどんどん鈍り、首や肩の動きにも影響してきます。
兼濱 アドレスするときも、ついボールを凝視して猫背になったりしますが、これはよくない。
原 「周辺視」といって、視野の周囲を見る能力を上げることが大事。階段でつまずきそうになることが多い人も、周辺視が衰えているからです。
兼濱 ボールを凝視しないでぼんやりと見る感覚がいい。そうすると視界が広がってアドレスの姿勢がよくなるし、体の動きもスムーズになりますもんね。

ボールの形や色を識別できる程度にぼんやりと見る感覚がいい。いきなりやってもできないので、後述する目のトレーニングで慣れておくことが大切だ。

ボールの見方を変えるだけで、肩や首の緊張がとけてアドレスの姿勢が自然によくなる。

ボールの文字など1点を凝視すると、無意識のうちに顔がボールに近づいてしまう。

頭が下がると背中が丸くなり、バランスの悪いアドレスになってしまう。
目のトレーニング法①「周辺視」を鍛えればぼんやり見ても体が反応する

視野の周辺部の視力をアップするのが目的。2個のゴルフボールを両手に持ったら、2個同時に真上に放り投げてキャッチする。目線を上に向けたままでキャッチできるかテストしてみよう。回数は5~10回でOK。視野が狭くなっている人は、これがうまくできない。
「目と頭の分離」で首や肩の柔軟性を取り戻せる

原 「目と頭の分離」というのは、眼球と頭を別方向に動かすことで体の動きを円滑にするのが目的です。
兼濱 眼球の動きが鈍いと、バックスイングで体がスムーズに回転しない。これは体が硬くなったというより、眼球の運動不足によるものなんですね。
原 眼球の動きが鈍ると視界が狭くなり、それが首や肩の凝りを招きます。とくに首が硬い人は、バックスイングで目と頭の分離がなかなかできません。
兼濱 僕も目と頭を分離させるトレーニングのお陰で、バックスイングの捻転が以前より深くなりました。
原 周辺視を鍛えるトレーニングもそうですけど、目と頭の分離のトレーニングはスタート前やラウンド中のちょっとした時間にすぐできますから、ぜひやってみてください。

アドレスの前傾姿勢のまま両腕を胸の前で組み、ティーアップしたボールを見ながら、首を連続して左右に回すトレーニングも効果的。

首や肩が柔軟になり、アドレスの前傾角度をキープしやすくなる効果が高い。
目のトレーニング法②目と顔を逆に可動させて眼球の動きの活性化を図る

直立の姿勢で両腕を胸の前に真っすぐ伸ばし、両手を組んだら両親指を立てる。立てた親指を見つめたまま、顔をリズムよく左右に大きく回そう。顔と目を逆方向に動かすことで、目と頭の分離を図る。回数は20秒を3セットが目安。

目と顔を反対方向にスムーズに動かせない人は案外多い。これは目が運動不足になっている証拠。
インパクトで頭を残せる人は目の可動域が広い

兼濱 3つ目のトレーニングはやってみると結構つらくて、眼球がすぐにスタミナ切れを起こしそう(苦笑)。
原 スマホの見すぎですね(笑)。ゴルフのプレー中もそうですが、普段から遠くを見る時間を設け
て、視界を広げることもとても大事です。
兼濱 筋トレをするなら体よりも目ですね。目を鍛えるとインパクトで頭を残しやすくなる。ビハインド・ザ・ボールがとても簡単にできるようになります。
原 眼球の動きが鈍いままでは、首をコルセットで固定しているようなもの。その点、目と頭の分離ができるようになれば、首に粘りが生まれてきますからね。目を鍛えることの効果はインパクトとフォローに一番あらわれてくるんですよ。
兼濱 ミート率のアップだけでなく、パワー効率も上がる。まだまだ飛距離を伸ばせそうな気がします!

頭をボールの後方にキープした体勢でボールを打ち抜ける。これができれば飛距離は必ず伸びるはずだ。

ラウンド中もスマホばかり見ているゴルファーは多い。遠くの景色もたくさん見て、目を活性化させることにつとめよう。
目のトレーニング法③眼球の瞬発力アップで体の動きや反応力が改善される

両腕を胸の前に伸ばし、両手を40~50センチ間隔に広げて両親指を立てる。次に顔を止めたまま目を左右に素早く動かし、左右の親指を交互に見る。1秒間に1往復、20秒間続けよう。慣れないうちは難しいが、続けていると眼球の運動能力が劇的にアップする。
いかがでしたか。目のトレーニングをぜひ試してみてください!

レッスン=兼濱開人(写真左)
●かねはま・かいと/1990年生まれ、沖縄県出身。東京・広尾の「広尾ゴルフインパクト」で多くのアマチュアをレッスン。飛ばしを追求し、ドラコン大会にも出場。19年7月の大会では平均329ヤードを記録して優勝した。
トレーナー=原 友弘(写真右)
●はら・ともひろ/1994生まれ、長野県出身。日本体育協会公認アスレティックトレーナー。東京・中目黒の「コモゴルファーズアカデミー」でゴルファーの体力レベルに応じたトレーニング法を指導している。
構成=三代 崇
写真=田中宏幸
協力=新武蔵丘ゴルフコース
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