ゴルフのシャローイングとは?プロに教わる正しい動きと習得のコツ

シャローイングとは、ダウンスイングでクラブを寝かせ、フラットな軌道で下ろしてくる技術のことであり、多くのツアープロが取り入れている現代ゴルフの主流技術です。

シャローイングを習得すると、クラブがインサイドから入りやすくなり、ボールのつかまりが良くなります。その結果、スライスが改善され、方向性と飛距離の両方が向上します。ただし、従来のスイングとは異なる体の使い方が必要なため、正しい理解と練習が欠かせません。

本記事では、シャローイングの基本知識から具体的な動き、メリット・デメリット、そしてプロから学ぶ実践的な練習法まで徹底的に解説します。

【関連記事】原英莉花のフォローのフェースに注目!どこを向いているかで球筋を操作できる

シャローイングの基本知識

シャローイングとは、ダウンスイング時にクラブシャフトを寝かせ、フラット(浅い角度)な軌道でクラブを下ろしてくる技術です。通常のスイングでは、トップからボールに向かって比較的急な角度でクラブが下りてきます。シャローイングでは、クラブシャフトを背中側に倒すように寝かせながら、緩やかな弧を描いてインサイドから下ろします。

ポイントは、下半身と体幹の回転を先行させ、腕とクラブは遅れてついてくる形をとることです。腕に力が入りすぎると、クラブが立った軌道になってしまいます。

シャローイングとは具体的にどんな動きか

トップの位置からダウンスイングに移る際、まず下半身が先行して回転を始めます。このとき、腕とクラブはトップの位置に残ったままです。この「下半身先行」の動きにより、クラブシャフトが自然と背中側に倒れます。

グリップエンドがボール方向を指すように下りてくると、クラブヘッドは体の後ろ側に残ります。これがシャローイングの核心です。ダウンスイング中盤以降、体の回転が進むにつれて、クラブは自然とインサイドからボールに向かっていきます。シャローな軌道では、インパクトゾーンが長くなるため、ボールを捉えられる範囲が広がります。多少のタイミングのズレがあってもミスになりにくいのが特徴です。

注意点として、腕を意図的に寝かせようとするのは逆効果です。体の回転が先行し、その結果として自然にクラブが寝てくる形を目指しましょう。

シャローイングを習得するためのポイント

シャローイングの基本は、下半身リードの体の回転です。切り返しで左足(右打ちの場合)から体重移動を開始し、腰の回転を先行させます。腕はリラックスさせ、余計な力を入れないことが重要です。

スマートフォンで自分のスイングを後方から撮影し、クラブの軌道を確認しましょう。ダウンスイング初期にクラブシャフトが背中側に倒れているか、グリップエンドがボール方向を向いているかをチェックします。ゆっくりとした素振りから始めることをおすすめします。下半身の回転、腕のリラックス、クラブが寝てくる感覚を確認しながら、丁寧に動作を繰り返しましょう。感覚が掴めてきたら、徐々にスピードを上げてみてください。

シャローイングのメリットとデメリット

シャローイングは現代ゴルフで注目される技術ですが、取り入れる際にはメリットとデメリットの両面を理解しておくことが大切です。正しく習得できれば、スイングの安定性と再現性が向上し、ショットの質が大きく改善されます。一方で、間違った理解や過度な意識は、かえってスイングのバランスを崩す原因になります。ここでは、具体的な利点と注意すべきデメリットについて解説します。

シャローイングがもたらす利点

シャローイングを正しく習得することで、スイングに多くの良い変化が生まれます。クラブがインサイドから緩やかな軌道でボールに向かうため、スイング軌道が安定します。インパクトゾーンが長くなり、ボールを捉えられる範囲が広がるため、多少のタイミングのズレがあってもミスにつながりにくいです。

またインサイドからのフラットな軌道により、プッシュアウトやスライスといったミスが減り、狙った方向に打ちやすくなるのも利点のひとつです。効率的なクラブの入り方により、スイートスポットでのインパクトが増え、同じヘッドスピードでもボールの初速が上がり、飛距離が伸びる可能性があります。体の回転を主体とした動きのため、腕だけに頼るスイングよりも再現性が高くなるのです。

シャローイングの注意点とデメリット

シャローイングには多くの利点がありますが、間違った理解や実践による注意点も存在するのです。シャローイングを意識しすぎると、スイングの自然な流れが損なわれます。特に「クラブを寝かせよう」と腕で意図的に操作すると、スイングのリズムやテンポが崩れ、一貫性が失われてミスショットが増える可能性があるでしょう。

シャローイングを極端に取り入れると、クラブが過度にインサイドからアプローチする軌道になります。この場合、ボールが右に飛び出す「プッシュ」や右に曲がる「フック」の原因となります。適度なシャローさを保つことが重要です。

シャローイングは、従来のスイングとは異なる体の使い方を要求するため、習得には時間がかかります。すぐに結果が出ないからといって焦ると、フォームが乱れる原因になるため注意しましょう。また長年培ってきたスイングがある場合、一時的にスコアが悪化することもあります。

シャローイングを取り入れる際は、急激な変更は避け、少しずつ練習に組み込んでいくことが重要です。スイングのバランスを保ちながら、自分に合ったシャロースイングを見つけてみてください。

プロから教わる!シャローイングを身につけるための練習法

シャローイングの理論を理解しても、実際に体で覚えるには効果的な練習が欠かせません。ここでは、シャローイングを確実に習得するための具体的な練習方法を紹介します。焦らず一つひとつの練習を丁寧に行うことで、理想的なシャローイングの動きが身についていくことでしょう。

インサイドから下ろしやすくなり球がつかまる動き

「リッキー・ファウラーの切り返しが典型的な”シャローイング”のお手本!」

アンドリュー・ライスは、近年レッスン界で流行している「シャローイング」という動きにいち早くフォーカスし、世に知らしめた人として有名です。

シャローイングとは、切り返し時にクラブを寝かせるように沈み込ませる動作を指し、リッキー・ファウラーやセルヒオ・ガルシアらが特徴的です。

ダウンスイングをインサイドから下ろしやすくする効果があることに加え、トップまでに右腕の外旋も起こる。すると、次の動作であるダウンスイングでの内旋を促すため、球のつかまりがよくなり、スライス矯正や飛距離を伸ばすことができます。

ただクラブを寝かせるのではなく、手元と一緒に真下に下げるように動かすのがポイント。左手を引きつけながら右手を体から遠ざけるような独特のハンドワークで、クラブをフラットな位置に収めます。

メソッドの肝1:切り返しで手元を真下に下ろしてインサイドに入れる

切り返しでクラブを寝かせるように手元を沈ませて、シャローなダウンスイングを促す

トップから切り返す際に、手元を真下へ動かすことでダウンスイングの軌道がフラットになる。これによってクラブをインサイドから下ろしやすくなり、球のつかまりがよくなる。

メソッドの肝2:左手は「引っぱる」右手は後方に「押す」

左手

シャローイングの際は、上体をトップの位置に置いたまま、左手を下方向に引っぱるように動かす。それと同時に右手は体から遠ざけるように、飛球線の反対方向に押すのがポイント。

右手
体が早く開いてしまうとカット軌道になりやすい
右手を左手と一緒にボール方向に引っぱってしまうのもNG

メソッドの肝3:右腕を内旋させながら自然に回転して振り抜く

切り返しで右腕を外旋させた反動を使い、自然に内旋さながら振り抜く

インパクト後は、体の回転と連動して自然なローテーションで振り抜く。トップまでに右腕を外旋させておくことで、ダウンスイング以降の右腕の内旋をスムーズに行うことができ、球がつかまる。

メソッドを習得Step1:サイドスローで右手のリリースのイメージを養う

「ボールを投げるときのような感覚で右手をリリース!」
シャローイングはこの動き(中央写真)右腕を内旋させつつリリース(右写真)

ダウンスイングのリリースの感覚を身につけるには、右手のサイドスローがよい。横から投げるために右腕全体を下げる動きがシャローイングと同じ動作になり、そこから自然なリリースが起こるのを体感しよう。

メソッドを習得Step2:切り返しの動きを予行演習してから振る

ここで2、3回最後は動きを確認(中央写真)最後は振り抜く(右写真)

シャローイングの動作の練習には、切り返しの手元の動きを確認してから振り切る素振りが効果的だ。切り返しの動きを2、3度繰り返してから、フォローへと向かおう。

シャローイングの切り返し動作を2、3回、往復させてからフィニッシュまで振り抜く

メソッドを習得Step3:「合掌素振り」で前腕の回旋をチェック

両手のひらを合わせた「合掌素振り」で、シャローイング時の腕の向きをチェック。トップで左手甲が上を向いた腕の向きを変えずに、そのまま手元を沈めるように切り返していく。

切り返しで手の向きが変わると、正しいシャローイングにならず軌道が乱れてしまう

いかがでしたか? シャローイングを沢山練習しましょう。

まとめ

シャローイングは、ダウンスイングでクラブを寝かせてフラットな軌道で下ろす技術です。多くのツアープロが実践しており、スイングの安定性向上や飛距離アップ、方向性の改善が期待できます。

ただし、従来のスイングとは異なる体の使い方を要求するため、習得には時間がかかるでしょう。下半身リードの回転、腕のリラックス、クラブが自然に寝てくる感覚など複数の要素を調和させる必要があります。シャローイングを意識しすぎるとスイングのリズムが崩れやすくなります。急激な変更は避け、スロー素振りから始めて徐々にスピードを上げることが重要です。焦らず継続的に練習することで、必ず上達していくはずです。本記事で紹介した知識と練習法を活用してみてください。

解説・レッスン=吉田洋一郎
●よしだ・ひろいちろう/1978年生まれ、北海道出身。スイング研究に強い情熱を燃やし、海外で直接有名コーチのメソッドを学び知識を広げる。日本ゴルフスイング研究所主宰。

「シャローイング」を発信した巨匠アンドリュー・ライス
アメリカ・ジョージア州を拠点に活動するコーチ。米ゴルフダイジェストのトップ50コーチの常連で、新理論をいち早く世に広める発信者として知られる。

世界標準の合理的で新しい飛距離アップ術「ドライバーの飛ばし方がわかる本」好評発売中
本連載企画の解説者・吉田洋一郎コーチの新書「ドライバーの飛ばし方がわかる本」(小社刊/定価1078円・税込)が発売中。今話題の「地面反力」の第一人者である吉田が、飛距カ離アップの秘訣を解説・レッスン。海外最新情報も盛り沢山の1冊だ。

構成=鈴木康介
写真=中野義昌
協力=取手桜が丘ゴルフクラブ(アコーディア・ゴルフ)

【あわせて読みたい】

人気女子プロの“バッグの中”は何が入ってる?ラウンド中の勝みなみに突撃!

「7番アイアンで200ヤードも飛ぶ」ってマジ!?“飛距離”に特化したアイアン4選

7番ウッドを選ぶ時の「4つのポイント」!最新15モデルを試打解説

関連記事一覧