UT1本練習のメリットを解説!うまくなるポイントが詰まっている

スイングづくりも球筋の修正も「7番アイアンで!」というのはひと昔前の定説。

「今はUTが基本。ほかの番手に対してもっとも応用が利くクラブで、5つのステップで進めるドリルはビギナーから上級者まで、それぞれが求めるスイングが身につきます!」と関浩太郎。

すぐにうまくなりたいなら、UT1本で練習しよう!

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Table of Contents

【UT練習がいいワケ①】ドライバーとSWの中間の長さ

SW35インチ(左)UT40インチ(中)1W45インチ(右)

UTはパターを除くクラブのなかで、ちょうど中間の長さになる。用途もさまざまで長い距離を打つだけでなく、方向性を重視してのコントロールショットや刻むティーショットでも使う。

スコアメイクに役立つし、UTの集中練習でドライバーやウエッジのショットも上達する

【UT練習がいいワケ②】スイングプレーンもドライバーとSWの中間

スイングプレーンは、クラブの長さによって角度が変わる。

UTのプレーンはドライバーとSWのちょうど中間の角度になるので、UTを基本に正しいプレーンを身につけよう。

【Drill1】グリップを指先で握りリストを柔軟に使う

UTを練習するとウッドもアイアンもうまくなります!

UTの徹底練習で最初に覚えてほしいのはクラブの握り方です。ボールを指先で持つような感覚でグリップしてください。手首を柔軟に使えるようになるので、クラブをスムーズに動かすことができます。

手のひらで強く握ってしまうと手首が硬くなり、正しいスイングが身につきにくいので注意しましょう。

スイングづくりは手首を固めてはダメ!
グリップを指先で握り、手首をやわらかく使いながら覚えよう

【Drill2】手からではなく胸から始動する感覚をつかむ

ヘッドを地面につけたまま胸を90度回せば、手打ちのテークバックにならない。
右足のヨコまでヘッドを引きずりながら胸を回すと、手を一切使わず始動する感覚がよくわかる

UTでの練習は基本となるスイングづくりに役立ちますが、それを5つのステップで練習していくと効率よく上達していけます。

まずはステップ1。胸の回転でクラブを動かすテークバックをマスターしましょう。頭は少し右に動いても構いませんので、前傾角度をキープし、胸から動かして上体を90度右へ回す。始動はこの「胸から回す」感覚が大事です。

【Step1】ヘッドを引きずりながら胸を90度回転させる

アドレス→テークバック

アドレスの体勢のまま胸を飛球線後方に向ける
→腕とクラブはつねに体の真正面にキープ

胸を90度右に回転させるときは、腕とクラブを体の真正面にキープすることが大切。テークバックの時点で体の真正面から外れると軌道やフェースの向きがズレるので、ミスの原因になってしまう

【Drill3】体はヨコ回転 腕はタテに振り上げてトップへ

ステップ2は手首をタテに折りながら、両手を右肩の上まで振り上げます。バックスイングで胸はヨコに回転させますが、腕はタテ方向に振るのです。体の回転と腕の動きをわけて動かすことで、それぞれの正しい役割をしっかり身につけてください。

【Step2】ステップ1で引きずったクラブをタテに振り上げる

体の回転に対しての腕の振りは、手首のコックにつられてタテに振り上げるのが正解。実際のトップはもっとコンパクトにするが、タテに振り上げる感覚を身につけることが優先なので、ややオーバースイングになってもOKだ

【Drill4】腕をねじっていないかハーフウェイバックでチェック!

バックスイングで腕は自然にねじれるがねじりすぎはNG。ねじりすぎてフェースが開くのは×なので、ハーフウェイバックでクラブを止めてチェック。

フェースの角度が時計の文字盤の11時方向を向いていればOK。それより閉じすぎも×

【Drill5】クラブの落下と手首のリリースを使って加速

手首のリリースを使ってヘッドを加速させながら、
右足のヨコの地面を「ドン!」と音がするくらいまで強く叩く。

ステップ2から「右足の真ヨコに向かって振り下ろす」のがステップ3です。

バックスイングでの手首のコックをリリースして、腕をタテに振り下ろして「ドン!」と音を出すくらい勢いよくヘッドで地面を叩く。ステップ1で作った、胸を右に90度向けた体勢を保ったまま行ってください。

【Step3】クラブをタテに振り下ろし左足の真ヨコに叩きつける

ステップ3は5ステップドリルで一番重要。ダフりそうに思えるが、クラブをタテに振り下ろす感覚をしっかり身につける。

【Drill6】金づちで釘を叩くように手首のタメを作って振り下ろす

手首のリリースはすぐにではなく、なるべくタメてから行う。

金づちで釘を叩くようなイメージで振り下ろし、もっとも強く叩けて大きな音を出せるリリースの仕方やタイミングはどこなのかをつかもう。

【Drill7】インパクトゾーンでのインサイド・イン軌道をマスター

ステップ4は、ステップ3で右足の真ヨコへと振り下ろしたヘッドを、胸を左に回転させながら左足の真ヨコまで引きずって、ヘッドできれいな半円を描いてください。

ステップ3まで胸を90度右に回していたので、今度は180度左に回転させて胸を目標方向に向けます。ここでも腕とクラブを体の真正面にキープすることは必須です。

【Step4】クラブを地面に叩き落とした位置から胸を左に180度回転

ヘッドを地面に着けたまま、体の正面でヘッドがきれいな半円を描くように動かす。胸の回転で動かすことがポイント。

手先を使わずに体の回転でインサイド・イン軌道を作るインパクトゾーンをマスターしよう。

【Drill8】フォローも同じ軌道でスイングの再現性を高める

ラストのステップ5は、フォローからフィニッシュにかけての動き。実際はまったく同じではありませんが、バックスイング、ダウンスイングと同じ軌道をイメージすることでスイングが安定し、再現性も高まります。

手首のリリースを無理に止めずに屈曲させ、腕をタテに振り上げていきましょう。

【Step5】クラブをタテに振り上げてフィニッシュ!

ステップ2、3と同様に手首をリリースしながらクラブをタテに振り上げフィニッシュへ。体を十分に回すことも忘れずに。

クラブを左腰の高さまで上げたときも、フェースの傾きは11時方向。腕をねじりすぎたり、ねじらなすぎはNG。

【Drill9】ステップ1~5の動きを連動させてスイング

ステップドリルで、テークバックからフィニッシュまで個々の動き方や感覚をつかんだら、これらすべてをつなぎ合わせて振ると、ビギナーはスイング全体の正しい動き方を、中上級者は無意識に歪んだり、ズレたスイングをリセットすることができます。

1から5までのすべてを連動させることが理想ですが、強化したいポイントだけを反復してやってみてもいいでしょう。とくにヘッドの芯に当たらない、球が曲がるという人は、ステップ3と4を合体させて、体を左に回転しながら腕をタテに振り下ろす動きをマスターしてください。

【Step1+2】ステップ1+2を合体。正しいスイングが身につく

体をしっかり捻転させ、回転にそってクラブをタテに振るバックスイングが身につく。トップのポジションも安定する

【Step3+4】ステップ3と4との合体は正しいダウンスイングとインパクトが身につく

胸を左に180度回転させる動きなかで、ボールに向かってクラブをタテに振り下ろす。ステップ5まで行うと振り抜きがスムーズになる。

【Drill10】肩は斜め回転腰は水平回転を意識する

前傾しているぶん、肩を軸(背骨)にそって水平に回すと地面に対しては斜めに回転する。
腰は地面と水平のレベルターンでOK。

実際にボールを打ってみると「ステップ1から5のひとつずつ、またはふたつまでならできるけど、5つ全部をやろうとするとうまくできないし当たらない」という人は、肩と腰の回転の傾きを意識しましょう。

スイングは上体を前傾させるので、肩は斜めの角度で回転しますが、腰は水平に回転する。肩の斜め回転でクラブと腕がタテに振れて、腰の水平回転で体をしっかりヨコに回すことができます。

クラブを腰に当てて、回転する練習がオススメ。腰を水平に回す動きがチェックできる。

いかがでしたか? スイングの上達にUTをぜひ一度試してみてください!

レッスン=関浩太郎
●せき・こうたろう/1974年生まれ、茨城県出身。SEKI GOLF CLUB目黒を主宰。スイング、クラブ、ギアのチューンナップとさまざまな切り口からアマチュアの悩みをわかりやすく解決する独自の指導法に定評がある。

構成=三代 崇 
写真=相田克己 
協力=SEKI GOLF CLUB目黒

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