ミスした時どうリカバリーする?プロが実践する技を状況別にレッスン

ミスショットしてもあきらめるのはまだ早い!そこから立て直してパーが拾えるスコアメイクのための技をツアープロが伝授!

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通常より5ヤード前後飛距離が出る

ゆるめずにヘッドを加速!
ベルトのバックルが目標を向くように体を回しながら、
フェースローテーションでボールをつかまえる

中途半端な距離が残ったときに、長めの番手を選択すると、インパクトがゆるんでミスが出やすい。これを防いで距離感を合わせるには、短めの番手で対応します。

まず、セットアップでフェースをほんの少しかぶせて、スタンスをクローズに。こうすると、クラブをインサイドに引きやすくなります。そしてヘッドを加速させながら、インサイド・アウトに振り抜きましょう。フェースをしっかり返せばドロー回転がかかり、通常より5ヤードくらい飛距離が多く出ますよ。

セットアップを工夫する

フェースをほんの少しかぶせたら、右足を引いてスタンスをややクローズにする。極端に変えるとボールが曲がりすぎてしまうため、わずかな調整でOK

バックスイングはクローズスタンスに沿ってインサイドに。そこからややアウトサイドに振り抜けば、ドロー回転がかかり、キャリーとランが増える

長めの番手だと、軽く打とうとしてインパクトがゆるんでしまう。ダフリやスライスなどあらゆるミスを招く原因になる

浅地洋佑
●あさぢ・ようすけ/ 1993年生まれ、東京都出身。169㎝、68㎏、19年にツアー初優勝と2勝目をあげ、一躍トッププロの仲間入り。フリー。

カカト体重で上体が突っ込むのを防ぐ

ツマ先上がりは傾斜のなかでも簡単なライなので、果敢にパーオンを狙いましょう!

ボールをミートするのに大事なのはアドレスです。ボールが高い位置にあるため体に近づきますが、離れて構えて距離をとるのは×。ボールに近づいてカカト体重で構えるのが正解です。

近めに立つと上体が自然に起きます。これでボールとの間合いをとったら、前傾角をキープし続けて打てばミートできますが、前傾のキープはカカト体重がポイント。起こし気味にした上体がインパクトで突っ込んでしまうのを防げます。

アドレス

ボール位置は体の中心かやや右寄り
にセット(〇)

インパクト

ボールがつかまりやすいライなので、左寄りにセットすると左へ飛ぶミスが出てしまう

ボールに近づくことで起きる前傾は、起こしすぎもNGなのでクラブを短く握る。カカトに体重を乗せたまま打つと、前傾角をキープしたまま打てるのできちんとミートできる

ツマ先上がりはバランスを背中方向に崩しやすいが、ツマ先荷重だと体が前に突っ込みやすい。ボールから離れて構えるとさらに突っ込みやすくなってしまう(✕)

宮田成華
● みやた・なるは/1997年生まれ、東京都出身。165cm。19年のプロテストに合格。20年はデサントレディース東海クラシック、スタンレーレディスでベスト5入り。スリーボンド所属。

無理に固定するより動いたほうがいい!

「右足を左へ踏み出す動きは打つ前からイメージしています」と笹原。
打った直後に急にではなく、切り返しからクラブを左に振る動きに合わせて
左へ踏み出していくと、すべての動作をスムーズに行える

傾斜地はバランスを保って振ることが大事ですが、バランスをキープする方法は下半身などを固定するのだけではありません。無理に固定しようとすることが、スイングをぎこちなくしてしまう原因になるケースもあるのです。左足下がりがまさにそうで、左足が低いから重心が過度に左に移ったり乗ったりしやすいのに、回転もクラブを振る方向も左なのでバランスのキープがとても困難。

左足下がりは、固定よりも動くことがバランスをキープするコツ。打ったら右足を目標方向へ一歩踏み出すと、軌道や打点がよくなりますよ。

ベタ足にするなど、下半身を無理に固定して打つスイングは、普段と違う動きをするため、余計にブレやすくなることがある

練習で「リハーサル」をしておく

「平らなところでいいので、右足を踏み出したフィニッシュをとる予行練習をしておきましょう。素振りでも実際に球を打ちながらでもいいですが、事前に練習しておくことが本番での成功につながります」(笹原)

笹原優美
●ささはら・ゆみ/1992年生まれ、東京都出身。162cm。11歳からゴルフをはじめ、17、18年は単年登録者で国内ツアーに出場。現在は中国LPGAツアーと台湾LPGAツアーのシード権をもつ。フリー。

レベルブローなら余計なスピンが減る

ヨコから入れて(写真左)、押し込む(写真右)
軸がブレないように頭の位置をキープしながら体全体の力を使ってボールを押し込む

強風に流されて大曲がりしてしまうのは、過度なスピン量とサイドスピンが原因。そこで私は、スピン量を減らしたボールを打ちます。

ポイントはヘッドを低い位置から入れて、ボールをヨコから押し込むこと。手ではなく、体の回転でグッと押し込み、レベルブローに打ちます。フォローも低い位置に振り抜けば、低めの弾道になり、風に負けない強い球になるんです。上から打ち込むほどスピン量が増加し、吹き上がって風に流されてしまうので注意してください。

ヘッドを低い位置から入れる

ストレートな軌道でボールをヨコから押し込めば、スピン量が減り、余計なサイドスピンも加わらない

打ち込むと風に流されます

ヘッドを上から入れて強く打ち込むと、カット軌道になりやすく、スピン量もサイドスピンも増えてしまう

西山ゆかり
●にしやま・ゆかり/1982年生まれ、神奈川県出身。162㎝。15年のmeijiカップでツアー初優勝。17年にはバンテリンレディスで2勝目をあげた。フリー。

グリーン周辺は右足体重になりやすい

左足上がりのライは右足体重になりやすいので、
両ヒザと頭の位置を少し左側に寄せたアドレスをとる

グリーン周りの薄芝からダフリやザックリが出やすい原因は、日本は砲台グリーンが多いので足場が左足上がりになるため。さらに薄芝だとヒール側が引っかかりやすいからダフってしまうのです。

対策はアドレスから少し左足体重で構え、体重移動を抑えながら打つ。そしてヘッドのトゥ側でヒットすることもポイントです。トゥ側で打つとヘッドが地面に突っかからない。バンスも使えるようになるのでクリーンにヒットできますよ。

アドレスの時点でボールをトゥ側にセット。バックスイングとフォローの大きさをそろえる意識をもつとインパクトでゆるまない

バックスイングで下半身を動かさない

両ヒザを動かさないようにすると下半身が安定するので、左足体重をキープできる

倉田珠里亜
●くらた・じゅりあ/ 1993年生まれ、奈良県出身。167cm。13年のプロテストにトップ合格。現在はステップアップツアーが主戦場だが、レギュラーツアーの出場権獲得を狙う。フリー。

打ち急がずにゆったり大きく振る

左ヒジの関節をやわらかくして体の後方に引くと、フェースが返らずにふわりと高く上がる

バンカー越えでピンが手前という状況は、高い球でランを少なくしないとピンに寄りません。まずSWのフェースを大きく開いて、ボールを左に置き、スタンスをオープンに。

そして、ゆったり大きく振りつつ、インパクトで左ヒジを抜くのがコツ。左ヒジを体の後方(背中側)に引くことで、フォローまで開いたフェース面をキープする。結果、やわらかい球になり、ふわりと高く上がります。

フェースを開いて構える

SWのフェースを開く度合いとボール位置、スイングの大きさで、球の高さと距離をコントロールする

フェース面をキープする

フェース面を上(空)に向けたまま振り抜くことが大切。高く上がって飛ばないぶん、いつもより大きくスイングする

ボールをフェースに乗せるとスピンが利く

フェースの向きを変えずにヘッドを低く出すと、やや低い球になりバックスピンがかかる

大きなグリーンでアンジュレーションがあり、ピンが奥という状況では、最初から転がすよりもピンの近くまでキャリーさせて、スピンで止めたほうが計算しやすく、寄る確率が高い。

それにはSWのフェースを少し開き、手を中に入れて構えたらボールの手前からバンスを滑らせます。ヘッドがボールの下をくぐるように滑らせて、フェースに乗る時間を長くすることが大事。こうすればやや低く飛び出て、スピンが利きますよ。

手を中に入れて構える

手(グリップ)を中に入れたほうが、バンスが働きソールが滑りやすくなる。ボール位置は真ん中、フェースはややオープンに

ヘッドがボールの下をくぐるように滑らせる

インパクトゾーンで、ボールの手前の低い位置からヘッドを入れて、バンスを滑らせながら低い位置に振り抜くことが重要

木下稜介
●きのした・りょうすけ/ 1991年生まれ、奈良県出身。174㎝、75㎏、20年は出場6試合中ベスト10入りが4回と好調。初優勝が近い。ハートランド所属。

いかがでしたか? このレッスンを参考に、スコアアップを目指しましょう。

構成=小山俊正、野中真一、編集部
写真=中野義昌、高橋淳司、田中宏幸

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