
再現性の高いスイングを手に入れる方法!有名コーチが解説
多くの海外コーチのメソッドを現地で直接指導を受けてきた吉田洋一郎がその概要をアマチュアにもわかりやすく解説。
連載の第57回目は、南アフリカ出身のスイングコーチジェイミー・ゴーのメソッドを紹介する。
オーソドックスな理論をベースに選手の個性を生かす

南アフリカ出身のスイングコーチ、ジェイミー・ゴーは、欧州ツアーで活躍する中国人選手リー・ハオトンや、M・A・ヒメネスなどを指導してきた経験豊富な指導者。ツアー選手へのコーチングは、自身の理論を押し付けるのではなく、選手の個性や特徴を見ながらバランスよくスイングを整えるスキルに長けた指導が特徴です。
そんなゴーのメソッドは、非常にオーソドックスな理論を土台としています。何よりもアドレスとアライメントを重視し、再現性の高い構えを目指すとともに、デビッド・レッドベターにも通じるコックを使ってクラブに仕事をさせるスイングをレクチャーしています。
そして、ベン・ホーガン的なオンプレーン軌道でシンプルにスイングすることで、効率のいい再現性の高いスイングを作り上げます。
【メソッドの肝1】いつも同じ構えで目標に対してスクエアに立つ

アドレスは「いつも同じ構え」で、目標に対して体をスクエアに向ける。バランスのチェックも大事。とくに疲れてくると骨盤の前傾が崩れてボールに近づいてしまうので、前後のバランスを整える。

疲れてくるとお尻が落ちてボールとの距離が近くなりやすい(左)。上半身と下半身がねじれてしまっての体の向きのズレにも注意(右)。
【メソッドの肝2】適正なコックを使ってスイング

フォローでも同じ直角になる角度を作る(写真右)
クラブの動きの再現性を高めるために 、コッキングの量をコントロールする。バックスイング、フォローともに、腕が地面と平行になる位置で、前腕とクラブが直角になるのが適正なコッキング量だ。
【メソッドの肝3】ベン・ホーガン的オンプレーンな軌道を目指す

選手によって個性はあっても、基本となるのは「オンプレーン」。飛球線後方から見て、クラブや手元がアドレス時のボールと肩を結んだ線よりも上を通らない軌道でスイングする。

インパクトでクラブが、アドレスの位置に戻ってくるのが理想。

手元やクラブが、ボールと肩を結んだ線よりも上を通るとカット軌道になってしまう。
メソッドを習得
【Step1】意識的にコックを作って視認しながらスイング

バックスイングのコック量をチェック!
ハーフウェイバックで腕が地面と水平、クラブが垂直になる形を作って視認してからダウンスイング。慣れてきたら同じ形からトップまで振り上げてスイングしてみよう。

腕が水平、クラブが垂直な形を目で確認したら、切り返してダウンスイングへ。

上の形ができるようになったらトップまで振り上げて、本来の大きさのスイングで振る。
メソッドを習得
【Step2】振り幅を変えずにスピードを変えて距離を打ち分ける

腕と体を同調させ、スイングスピードをコントロールする練習。フルショットする一定の振り幅で、スイングスピードのみを変えて40、60、80、100%の飛距離を打ち分けてみよう。


腕だけでクラブを動かさない(×)。腕と体の回転を同調させるのがポイント。
メソッドを習得
【Step3】スムーズに始動できる「 トリガ ー」を見つける

スイングの再現性を高めるには、自分なりの始動のトリガー(きっかけ)を見つけることが大事。下のようなさまざまなタイプがあるので、自分に合うものを見つけよう。



いかがでしたか? ジェイミー・ゴーのメソッドをぜひ試してみてください!

解説・レッスン=
吉田洋一郎
●よしだ・ひろいちろう/1978年生まれ、北海道出身。スイング研究に強い情熱を燃やし、海外で直接有名コーチのメソッドを学び知識を広げる。日本ゴルフスイング研究所主宰。

リー・ハオトン
1995年生まれ。中国出身。PGAツアーチャイナからウェブドットコムツアーを経て、欧州ツアーを主戦場に。欧州では通算2勝をあげている。

ジェイミー・ゴー
南アフリカ出身のスイングコーチで、欧州ツアーを中心に活動している。リーのほかに、ベテラン選手のミゲル・アンヘル・ヒメネスなどの指導歴をもつ。
構成=鈴木康介
写真=中野義昌、Getty images
協力=取手桜が丘ゴルフクラブ(アコーディア・ゴルフ)
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