プロ4人が難状況から脱出するコツ!スコアアップに直結する

コースではさまざまなシチュエーションに遭遇するが、苦手な状況があるとスコアを崩してしまいがち。

そこで、ツアープロに状況別のベストな打ち方を伝授してもらった!

ドッグレッグホールを攻略! フェアウェイの幅を広く使おう! 自分の飛距離を考えて狙いを絞る

ドッグレッグでもフェアウェイは意外と広いんです!

ホールの状況と自分の飛距離で狙いどころが変わる。

直角に近い角度で曲がっているドッグレッグほどフェアウェイの幅を広く使いやすい。そのエリアにボールを運ぶ番手を選択して打つ。

飛距離の出る人は林を避ける「遠回りのルート」が危険となるケースもある。自分の飛距離と相談してターゲットを決めよう。

ドッグレッグホールで近道ルートを選択するのは安易で危険。だがらといって、遠回りルートが必ずしも安全ではないことも頭に入れておこう。

フェアウェイの幅が広いエリアを狙って打つ

ドッグレッグホールの攻め方は人それぞれで、ドライバーが飛ばない人はショートカットをせずに遠まわりを選択したり、飛ぶ人は林越えを狙うケースもあるでしょう。このように自分の飛距離によってルートを決めるのが前提ですが、よく見てほしいのがボールを運ぶエリアの広さです。

ドッグレッグはスタイミーになるためホールが狭く見えますが、フェアウェイの幅が意外と広くなっているエリアがあります。そのエリアを狙うのがドッグレッグのティーショットの成功の秘けつ。場合によってはドライバーを使わない作戦もアリですよ。先が見えなくても情報を収集してベストエリアを見つけましょう。

ティーショットは1Wとは限りません

自分にとってのベストルートを決め、その目標までの距離を打つ。場合によってはフェアウェイウッドやユーティリティを使うことも考えよう。

目標を決めたらしっかりスイング

どのクラブで打つにしてもフィニッシュまで気持ちよく振り切ることが大事。「曲げたくない」心理からボールに当てにいくようなスイングはミスしやすい。

夏のラフはこう打つ! 「深い」と思ったら迷わずPWを選択! ヘッドの重みをぶつけるイメージでヒット!

クラブを短く持ち、左手のグリップはしっかり握る
グリップを支点にしてヘッドを走らせるイメージでインパクト
下半身をベタ足気味にしてコンパクトに振り抜こう

夏のラフはロフトが立ったクラブほど脱出が難しく、インパクトが詰まってしまう。ロフト角が多めのPWなら高く打ち出せるし、クラブを振り抜ける。

ボールが沈んでいたら長いクラブは使えない

グリーンに届かせるより確実に出すことを優先

ラフはボールが浮いているときは芝の抵抗が少ないので、残りの距離を出せる番手で打ってもOK。でもボールが沈んでいたら、ロフトの立ったクラブはNG。芝の抵抗をまともに受けるので飛びません。またラフから打つことになりがちです。

ラフが深い、ボールが沈んでいるときは、グリーンまでが遠くても、迷わず短いクラブを選択してください。オススメの番手はクラブをコントロールしやすく、ボールを高く打ち出せるPWです!力まかせに打ち込むとダフりやすいので、ヘッドの重みをボールにポーンとぶつけてあげるイメージで打ちましょう。リキまずに振るとヘッドが走りやすいので、スムーズに振り抜けますよ。

力まかせに上から鋭角に打ち込もうとすると、ヘッドが芝に潜ってしまい振り抜けなくなる。

両手の位置はスタンスの中央

アドレスの手の位置は、入射角が鋭角になりすぎないようにあまりハンドファーストにしない。両手を体の中心にセットしよう。

ヘッドの重みをボールにぶつける

右手は柔らかめに握り、ヘッドの重さをボールにぶつけるように打つのがポイント

花道からピッチ&ラン 毎回同じ転がりで寄せるには加速も減速もせず、等速で振る

手を使わずに体の回転で打つ。

フォローまで一定のスピードで振ることが重要。

使用クラブはPW。ボールを体の正面に置き、クラブを短く握って、左手を左太モモの内側にセットする。

スピンが利いたり利かなかったりする人にオススメ

グリーンの花道からピッチ&ランで寄せる場合、私は「スピード感」を重視します。なぜなら、いくら打ち方がよくても、クラブを振るスピードが変化すると距離感がバラついてしまうからです。

毎回球の転がりを同じにするには、クラブを加速も減速もせず、「等速で振る」ことがポイントです。インパクトが緩んでしまう人はやや加速させたほうが簡単ですが、一定のスピードで振ることでスピン量が安定し、より繊細なタッチが出せます。体の回転でクラブを上げたら、そのスピードを保ったまま左右対称にスイングしましょう。

等速で振るのが手嶋流

左右対称に振ればスピードがそろいます。

左右対称のアークは、距離のコントロールが容易になるだけでなく、等速でクラブを振りやすい。事前に振り幅をしっかり決めることが大切。

加速は球の転がりが安定しない

クラブを加速させたほうがインパクトは緩まないが、左右非対称になりスピードが微妙に変化するため、スピン量や球の転がりが安定しない。

減速は緩みやすく大きなミスに

クラブを大きく振り上げて、減速させながらボールに合わせるのが一番やってはいけないミス。ザックリやチョロなどあらゆるミスが出る。

コースではさまざまなシチュエーションに遭遇するが、苦手な状況があるとスコアを崩してしまいがち。

そこで、ツアープロに状況別のベストな打ち方を伝授してもらった!

ランを多めに使う エッジからピンまで距離があるときはボールを右に置いてフォローを低く!

クラブを短く握りボールを右にセット。

体の重心を下げてやや左足体重に構える。

クラブを低く振り抜いて砂とボールを一緒に弾き飛ばす。

砂をしっかり爆発させることが大事。

砂を薄く取るのはホームランのミスと背中合わせで危険

グリーンエッジからピンまで距離があるバンカーショットは、ランを多めに使って寄せるのが賢いリスクマネジメントです。砂を薄く取ってキャリーを増やすのは、ホームランのミスと背中合わせで難易度も高いので、僕は選択しません。

まずボールを右に置いて、やや左足体重に構えます。ここで上から打ち込める体勢を作っておくことが大切です。そして「下手投げでボールを放り投げる」イメージをもち、フォローで手とクラブを目標方向に低く出します。こうして砂とボールを一緒に飛ばせばランが多くなりますよ。

下手投げでボールを放り投げる感じです

体の回転を使って右手を目標方向に低く出せば、砂を爆発させるパワーを出しながら、真っすぐ打ち出せる。

コックを使い上から打ち込む

バックスイングでコックを使い、ヘッドを高い位置にもっていけば上から打ち込める。すくい上げる動きはNG。

いかがでしたか? プロの技術をうまく使って、明日からの練習に生かしましょう!

浅地洋佑
●あさぢ・ようすけ/1993年生まれ、東京都出身。169cm、68
kg。19年はダイヤモンドカップで悲願のツアー初優勝、ANAオープンでは2勝目をあげるなどの大躍進で賞金ランク9位。フリー。

竹谷佳孝
●たけや・よしたか/ 1980年生まれ、山口県出身。

手嶋多一
●てしま・たいち/1968年生まれ、福岡県出身。172㎝、70㎏。

池村寛世
●いけむら・ともよ/1995年生まれ、鹿児島県出身。166㎝、72㎏。3年連続でシード入りした有望株。バンカーが得意で多彩なテクニックをもつ。ディライトワークス所属。

構成=小山俊正、三代崇
写真=中野義昌、相田克己、圓岡紀夫

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