
「劇的に入る!」と話題のゼロトルク系パター!4メーカー・最新14モデルを解説
2025年のギアで1番の話題といえば“ゼロトルク系”パター。人気のクラブメーカーからも発売されて大ヒット中だが、どんな性能をもち、どんなゴルファーに合うのかを鹿又が解説!
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ゼロトルク系パターの特徴は?

そのメリットを鹿又が語る。
フェースの開閉ゼロ!オートマチックにストレート軌道で打てる
「ゴルフが難しい」「ゴルフクラブが扱いにくい」といわれる根本的要因は、シャフトの軸線とヘッドの重心がズレているからです。それが野球のバットと決定的に違うところで、ドライバーやアイアン、そして今までのパターもシャフトとヘッドの重心はズレていました。
ヘッドの重心がシャフトよりも後方にあるから、ヘッドが回転してしまう。ドライバーの場合、フェースが開く方向に回転することでスライスする。その回転、ねじれのことをトルクと呼んでいました。

当時はこんなに大流行するとは思いませんでした」
ゼロトルク系パターは、シャフトをヘッドの重心や重心近い位置に挿しています。その結果、ヘッドが回転するトルクの影響がゼロに近くなる。それがゼロトルクやトルクレスと呼ばれるパターの最大の特徴です。ちなみにパター以外のクラブでゼロトルクの設計にするのは、ルール違反になってしまいます。

ヘッドをクルクルと回すとスムーズに回転します」
シャフトをヘッドの重心に挿していることでトルク(ねじれ)がゼロになる

「L.A.B.GOLF」( 写真上)は、シャフトが重心に挿さっているが、テーラーメイドやオデッセイ(写真下)は重心ではなく、重心に近い位置に挿している。

パターでシャフトが重心、もしくは重心の近くに挿さっていることによって、ストローク中のフェースローテーションがかぎりなくゼロになり、フェースをスクエアにキープできる。従来の大型マレットよりも、さらにオートマチックなストレート軌道になります。
「シャフトはグリップセンターからズレていて斜めに入っている」

ただし、デメリットもあって、たとえばブレード型のパターを長年使っていた人にとっては、操作性やフェースを開閉させる動きがなくなるので、自分のタッチが出しにくくなる可能性も高い。また、シャフトをヘッドの重心に挿すため、シャフトが斜めになっていることに違和感が出る人もいるでしょう。
ゼロトルク系パターは、決して万人に合うパターではありません。パターにはブレード型、マレット型、センターシャフト、三角ネックなどいろろなカテゴリーがありましたが、そのカテゴリーのひとつにゼロトルク系が追加されたと思ってください。
同じゼロトルクでもメーカーによって飛び感が異なります

【ODYSSEY】バリエーションは最多!ジェイルバード×トルクレスで人気ナンバー1に

「スクエア2スクエアシリーズ」は女子ツアーでの使用率も高く、パター市場においてもナンバー1のシェアを獲得しています。このシリーズの特徴は、台の上にパターを置いたときにトゥが上を向くトゥ・アップバランスがフェースの開閉を抑えていることです。他社のゼロトルクとは少し異なる理論ですが、ストレート軌道でフェースをスクエアに動かしやすい感覚は似ています。
もともと人気がある「ジェイルバード」や「#7」のヘッド形状と「スクエア2スクエア」のトルクレス設計を融合したことで、さらに安定感が上がっています。また、オデッセイはストレートに動かしやすいアライメントのヘッドが多いので、トルクレス設計とは視認性の相性がいいことも魅力です。

Ai-ONE スクエア2スクエア ジェイルバード

トルクレス構造を融合した最強コンビ
【SPEC】
●ロフト角/6.3度
●ライ角/72度
●長さ/33、34インチ
●価格/4万9500円
Ai-ONE スクエア2スクエア クルーザー ジェイルバード

ストレート軌道でオートマチックに振れる
【SPEC】
●ロフト角/6.3度
●ライ角/72度
●長さ/38インチ
●価格/5万6100円
Ai-ONE スクエア2スクエア ジェイルバード ブルームスティック

45インチにしたことでシャフトの傾きが小さくなって構えやすい
【SPEC】
●ロフト角/4.3度
●ライ角/78度
●長さ/45インチ
●価格/5万6800円
Ai-ONE スクエア2スクエア MAX1

扇形のヘッド形状は重心が深く、慣性モーメントがとても高い
【SPEC】
●ロフト角/6.3度
●ライ角/72度
●長さ/33、34インチ
●価格/6万500円
Ai-ONE スクエア2スクエア MAX STRIPE

ストローク軌道をイメージしやすい
【SPEC】
●ロフト角/6.3度
●ライ角/72度
●長さ/33、34インチ
●価格/6万500円
Ai-ONE スクエア2スクエア ♯7

マレット型のなかでは、適度な操作性もあってタッチを出しやすい
【SPEC】
●ロフト角/6.3度
●ライ角/72度
●長さ/33、34インチ
●価格/4万9500円
Ai-ONE スクエア2スクエア DOUBLE WIDE

【SPEC】
●ロフト角/5.3度
●ライ角/72度
●長さ/33、34インチ
●価格/4万9500円

白い太線のアライメントがあることで構えやすくなっています」
【L.A.B.GOLF】PGAツアー選手の声を反映しながら5年かけて「顔と打感」を進化

ゼロトルク系パターブームの火付け役となった「L.A.B.ゴルフ」ですが、じつは2025年からはじまったブームではありません。海外ツアーでは、2019年ごろからアダム・スコットやルーカス・グローバーが使いはじめて、その後はリッキー・ファウラーやフィル・ミケルソンなども使用。ツアー選手が使うことによって、選手からのフィードバックを新モデルに反映して、どんどん完成度が高くなってます。2025年の全米オープンで優勝したJ・J・スポーンが使っていた「DF3」は、アダム・スコットが使っていた「DF2・1」を小さく改良したヘッドです。
「L.A.B.ゴルフ」は、完全なゼロトルクなのでもっともストレートかつ、スクエアに動かしやすい。そのうえで構えやすさや大きさのバランスを整えています。プロの使用者が増えたことによって、打感もどんどんよくなりました。

DF3

リッキー・ファウラーなどが使用
【SPEC】
●実効ロフト角/3度
●ライ角/69度
●長さ/33、34、35インチ
●価格/11万円
OZ.1

アダムに敬意を表して名称をオージー(OZ)に
【SPEC】
●実効ロフト角/3度
●ライ角/69度
●長さ/33、34、35インチ
●価格/11万円
MEZZ.1 MAX

「L.A.B.GOLF」 史上最大級の慣性モーメントを実現
【SPEC】
●実効ロフト角/2.5度
●ライ角/69度
●長さ/33、34、35インチ
●価格/11万円

ヘッドがフラフラする感じがいっさいありません」
【Taylor Made】スパイダー形状とスムーズな順回転でゼロトルクの弱点を解決!

長さはスタンダードタイプの33、34インチ、
カウンターバランスの36、38インチ、
そして長尺の46インチをラインナップ
2025年7月に発売した「スパイダーZT」は、ゼロトルク系パターとしては後発ですが、予約の時点で完売してしまうほどの注文が殺到しました。
性能的には、じっくりと時間をかけてゼロトルクパターを開発してきたという印象です。アドレスではスパイダー形状をうまく活用して、ゼロトルクの弱点といわれていたシャフトが斜めになっていることによる構えづらさをかぎりなく軽減。今までのスパイダーに近い感覚でアドレスとストロークができます。
球の転がりのよさも抜群にいい。ゼロトルク系のパターはシャフトが斜め(ハンドファーストの状態)になっているので、インパクト直後にボールがスリップしやすくなることがありますが「スパイダーZT」は、ピュアロールのフェースインサートによって、ほとんどスリップしないでスムーズな順回転で転がってくれます。

スパイダーZT スタンダード

慣性モーメントが5000g・㎠を超えるヘッドでミスに強い
【SPEC】
●ロフト角/2.5度
●ライ角/70度
●長さ/33、34インチ
●価格/6万6000円
スパイダーZT カウンターバランス

グリップ部分に重さがあることで、安定した振り子運動で打てる
【SPEC】
●ロフト角/2.5度
●ライ角/70度
●長さ/36、38インチ
●価格/7万1500円

日本ツアーでも使用選手が増えています」
【PXG】ネック形状がほかとは違う!「普通のパター」に近い感覚で打てる

PXGのゼロトルク系パターは、他メーカーと比べて早いサイクルで開発を進めています。1番の特徴はネック形状です。ほかのゼロトルク系パターは、シャフトがヘッドの重心に近い位置に挿さっています。
PXGの「ALLAN」と「BAT ATTACK」もアドレスした(上から見た)ときは、シャフトの向きがヘッドの重心に向いていますが、ネック部分を曲げることによって従来のパターに近い形状と見た目にしています。
今回試打した2モデルのヘッド内部は中空構造になっているのですが、空洞部分に独自のポリマーを内蔵することによって適度なやわらかさがある打感になる。距離感がとても合わせやすかったですね。他メーカーのゼロトルク系パターが合わなかった人でも「PXGなら合う」というゴルファーも多そうです。

BAT ATTACK

打感と転がりのよさにもこだわった
【SPEC】
●ロフト角/5度(実効ロフト3度)
●ライ角/70度
●長さ/33~38インチ
●価格/8万1400円
ALLAN

浅めのウェイト位置が操作性を高めている
【SPEC】
●ロフト角/5度(実効ロフト3度)
●ライ角/70度
●長さ/33~38インチ
●価格/8万1400円

このホーゼルによって実効ロフト角は一般的なパターと同じ3度になる
いかがでしたか。4メーカー・14モデルのゼロトルク系パターをぜひ試してみてください!

試打・解説=鹿又芳典
●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。
構成=野中真一
写真=田中宏幸
協力=ジャパンゴルフスクール
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