
試合直前に“800キロの大移動”!米プロの身に一体何が…?
試合会場から次の試合会場への移動は、プロゴルファーの生活では切っても切れない要素。ゴルフの腕はあっても、移動が続く生活がイヤになってプロゴルファーを辞めてしまう選手さえいる。通常は1週間に一度の移動ですむが、今年5月、1週間に2つの会場を移動したパトリック・ロジャースという選手がいる。
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フットワークの軽さが強さの秘けつ?「迷いはなかった」

PGAツアーでは、出場人数がランク上位者に限られる“シグニチャーイベント=昇格大会”と、そのほかの選手が出場する通常大会が同週に行われる時がある。昇格大会は賞金も高額だ。全米プロの前週、PGAツアーは昇格大会であるトルーイスト選手権と同時に、ワンフライト・マートルビーチクラシックが同時に開催された。
当然、開催地は異なり、トルーイスト選手権はニューヨークにも近いフィラデルフィア郊外で開催。一方でマートルビーチクラシックは、フィラデルフィアから約500マイル(800キロ)南下したサウスカロライナ州で開催されていた。

ランキングで最上位ではなかったロジャースは、マートルビーチクラシックに出場予定で、その週の月曜にはマートルビーチ入りしていた。ただし、昇格大会のトルーイスト選手権にも、補欠1番目に名前が入っていたのだが、トルーイストの出場は確定していなかったため、出場が確定していたマートルビーチの会場に行っていたわけだ。
朗報が入ったのは火曜日の朝。トルーイストに出場予定だったジェイソン・デイが欠場を発表。繰り上がりでロジャースの出場が決まった。当時の状況を尋ねてみると

「大会側から知らされたのは火曜の午前中だった。トルーイストの会場までは遠かったけど、高額大会に出られるのは嬉しいことだし、より強い選手たちの中でプレーできる機会が得られたのだから、迷いはなかった。すぐにフィラデルフィア行きの飛行機に乗り、夕方には移動できたよ」
と淡々と語る。マートルビーチからフィラデルフィアまでは車で移動すると9時間はかかるが、フィラデルフィアはアメリカン航空のハブでもあるので、ロジャースは航空機で移動できた。
ところで、今回は火曜の朝にデイの欠場が決まったので、ロジャースも少し余裕を持って移動ができたが、これが水曜などになっていたらどうなっていたのだろうか?

「確かに、500マイル以上離れた場所に移動するのは簡単ではないし、時間的にも限界がある。補欠1番目だった時点でツアー側から『マートルビーチで待機できる締切は水曜午後5時』と伝えられていた」
とのこと。ちなみに、マートルビーチクラシックの大会スポンサーであるワンフライトは、ロジャースのスポンサーにもなっている。スポンサーとしてはロジャースに出場して欲しかったかもしれないが、より上位の大会に契約選手が出て活躍できる方が嬉しかったかもしれない。ロジャースは、トルーイスト選手権を42位タイでフィニッシュした。今後の活躍に期待したい。
フォトグラファー 田辺安啓 (通称JJ)
●たなべ・やすひろ/1972年生まれ、福井県出身。ニューヨーク在住。ウェストバージニア大学卒業後、ゴルフコース、テレビ局勤務を経験し、ゴルフを専門とするフォトグラファーに転身。ツアーのみならず、コースやゴルフ業界全般に関わる取材も行なっている。
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