
14歳で米ツアーに参戦した女子プロ!10年経って成長したことは?
今年、米LPGAにフル参戦している日本人選手は13人。竹田麗央、西郷真央、岩井千怜がすでに今季の米ツアーで勝利を挙げており、まるでアメリカに日本ツアーが引っ越してきたかのような雰囲気すらある。
そんな賑やかなLPGAの下部ツアーである「EPSONツアー」にも原英莉花、長野未祈、谷田侑里香、深谷琴乃、伊藤二花が参戦しており、来年のLPGA昇格を目指してプレーしているが、この5人に加え、実は山口すず夏も試合に出場していた。
14歳で米ツアーに参戦!初出場から10年経って変わったことは?

山口といえば、2015年の全米女子オープンに若干14歳で出場。14歳は日本人選手の本戦出場者最年少記録とあって、大きな話題にもなった。2018年にはオーストラリア女子アマを制するなどの成績を残すと、年末の米Qシリーズ(予選会)に出場し36位タイでLPGAの出場権を獲得。まだ高校生だったが、プロ転向を宣言して2019年シーズンをアメリカで戦った。

ただ、ルーキーイヤーは思ったような成績を上げることができず、再びQシリーズに出場してシード権を得たが、翌年からのコロナ禍に見舞われたこともあり、LPGAのシードを喪失してしまっていた。それからしばらくは名前を聞くことが少なくなっていたが、昨年は日本ツアーでプロテストに合格し、限定的ながら日本での試合の出場権をキープ。また、米Qシリーズでも最終戦で戦い、EPSONツアーの出場権もキープしたのだった。

そんな山口は、今年6月末までにEPSONツアー5試合に出場した。5試合目となった「オッタークリーク選手権」の最終日に話を聞いた。
「EPSONは3月のフロリダで開幕する3連戦から出たかったのですが、直前に日本のダイキンオーキッドレディースに出場できることがわかりました。ダイキンに出ると、スケジュールの関係でフロリダの3試合は1試合しか出られなくなるので、(渡航費などの経費が)もったいないと思い取りやめました。森守洋コーチからも『まずは日本で』と勧められおり、7月第2週の試合に出た後は帰国して日本でプレーします」と語った。

それでもアメリカでのプレーは頭から離れることはなさそうで、最終目標はアメリカに戻ってくること、と語る。
2015年に出た全米女子オープンから10年が過ぎ、現在24歳。8月には25歳を迎える。

「昔は飛ばす選手を前して、自分の良いところを無くしたりしてしまってた」と、現在は自分のゴルフを大切にプレーすることを心がけているという。そのおかげか、最近では飛距離がぐんと伸び、パッティングも好調をキープ。このように冷静に自分を見つめられるようになったのは、10年を経た成長の証かもしれない。今後の活躍に期待だ。
フォトグラファー 田辺安啓 (通称JJ)
●たなべ・やすひろ/1972年生まれ、福井県出身。ニューヨーク在住。ウェストバージニア大学卒業後、ゴルフコース、テレビ局勤務を経験し、ゴルフを専門とするフォトグラファーに転身。ツアーのみならず、コースやゴルフ業界全般に関わる取材も行なっている。
【あわせて読みたい】
「7番アイアンで200ヤードも飛ぶ」ってマジ!?“飛距離”に特化したアイアン4選
7番ウッドを選ぶ時の「4つのポイント」!最新15モデルを試打解説