
吉田鈴のスイングを解説!強烈なタメで飛距離を伸ばす
シーズンの折り返しを迎えた国内女子ツアーは、まだまだ新たなヒロインが誕生しそうな気配。次は誰が栄光を手にするのか?自身もツアーに参戦し、現在も挑戦中の中村香織が“要チェック選手”のスイングを解説する。
今回は吉田鈴プロのスイングを解説!
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アドレス~バックスイング

足のラインがターゲットラインに対してやや左サイドを指しています。吉田選手はドローボールを得意としていますが、右に打ち出してから左に戻ってくるタイプの場合は、ややオープンスタンスのアドレスになる傾向がある。クラブヘッドと手の位置関係を見ると、シャフトが地面と平行になったタイミングで手よりもうしろにヘッドがあります。フェースアングルは背骨の角度よりも少し垂直に近い状態になっているので、インサイドに上げながらフェースを閉じすぎないようにしています。
トップ~ダウンスイング

トップポジションでは胸を90度以上回転しているので、このカメラアングルだと腕が体の正面から外れているように見えますが、そうではありません。あくまで上体の捻転が深いだけで、腕は体の正面にあります。切り返しではトップでできていた捻転差を保ったまま、パワーを溜めながら骨盤がターゲット方向へ回転していく。
体幹部分の強さと柔軟性を感じますね。手元が非常に低く、強いタメができている反面、シャフトはすでにもとのプレーンに戻っていますが、アマチュアがマネるときは少しでもシャフトが寝る(垂れる)と強いフックになってしまうので注意が必要です。
インパクト

Point:地面反力を最大に生かしながらも前傾はキープ(写真右)
見事なまでに前傾角度がキープされています。ひとつ前の写真の手元が低くなっている状態からシャフトを寝かさないためには、クラブヘッドを地面に叩きつけるような上体の動きが必要ですが、それが完璧に行なわれています。アマチュアの場合、吉田選手のように両足が浮くくらい地面反力を使おうとすると、ついつい背中まで伸び上がる傾向があるところ、さすがプロの動きですね。
フォロースルー

フォローでやっと下半身と上半身の向きがそろいます。インパクトぎりぎりまで捻転差を保ち、地面反力で一気に上半身を加速させるので、上・下半身の向きがそろうのはボールを打ったあとになる。青木選手と右ヒザの曲がり具合が異なりますが、これは青木選手が右足をうしろに蹴るのに対して、吉田選手は自分から見て、時計回りにツマ先を回すトルクを発揮しているためです。
神ワザPoint

深いトップから、手元が振り遅れずに体の前に低く入ってくる。力のない女子選手の場合はシャフトがインサイドに垂れたり、体が伸び上がってしまうことがあるが、彼女の場合はそれがいっさい見られない。
いかがでしたか? ぜひ、レッスンを参考にして練習をしてみてください。

吉田 鈴
●よしだ・りん/2004年生まれ、千葉県出身。153cm。姉の吉田優利と姉妹プロとして話題に。2024年のプロテストに合格し、今季よりツアーデビュー。予選通過も増え、順位も上昇中。優勝争いと初優勝の期待がかかる。大東建託所属。

解説=中村香織
●なかむら・かおり/1986年生まれ、京都府出身。15 年にステップアップツアーで2勝をあげる。現在はトーナメントの予選会に出場するほか、東京都の品川区と目黒区にあるEAST GOLF SCHOOLの代表を務め、レッスン活動にも力を入れている。
写真=渡辺義孝、小林 司
※選手の成績やデータは7月12日現在
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