
ドライバーで真っすぐ飛ばすポイントは「左腕」にあり
近ごろのドライバーは真っすぐ飛ばせる機能が満載。しかし、それでも曲がるというゴルファーは多い。
「ドライバーのスイングはひと昔前と変わり、そのスイングを取り入れたプロが活躍していますね」という大西翔太コーチが、アマチュアでもマネできる今どきドライバーの打ち方をレクチャーする。
【関連記事】まさに「全アマチュア向け」! 飛ばせる“限定シャフト”がついに発売開始!
左腕「ちょいネジリ」で真っすぐ飛ぶ!


テークバックでフェースを開いたらもう真っすぐ飛ばせない!
デカヘッドはフェースがターンしにくい

ヘッド体積が460ccと大きくなり、さまざまなテクノロジーが搭載された今どきドライバーはボールの直進性を上げてくれる。しかしその反面、慣性モーメントが大きく重心距離(シャフトの軸線からフェースの重心までの長さ)の長いデカヘッドはフェースが返りにくい。そのためフェースの開閉を抑えることが合理的なスイングになる
左手の甲とフェースの向きをリンクさせよう

今どきのドライバーは、昔のような大きなスライスが出ません。しかし、ボールが右に真っすぐ飛ぶプッシュアウトが出ることがありませんか?
それはインパクトでフェースが開くからですが、スイング軌道がアウトサイド・インになっているから開くのではなく、テークバックでフェースを大きく開いてしまうのが原因。フェースを返そうと思っても返しにくいのが、今どきドライバーの特徴のひとつなのです。
修正法はじつに簡単。左の前腕部を軽く「外旋」させて、フェースを閉じ気味にテークバックしましょう。そして、ネジった左前腕部をキープしたまま振り下ろせば、左手首の「掌屈」が自然にできてボールのつかまりがよくなります。左手の甲とフェースの向きをリンクさせる意識も有効。フェース面をコントロールして打てます。
左前腕部を内旋すると左手首が背屈してしまう

左前腕部を右側にネジると、左手首が甲側に折れる「背屈」が起こる。ヒジが浮き上がってやや上を向く形になるためフェースが開く
左前腕部を外旋すれば左手首の掌屈が起こる

左ヒジから先を左側に軽くネジると、左手首が手のひら側に折れる「掌屈」が起こる。この状態をキープすればフェースは絶対に開かない

ストロンググリップで握るのもポイント。左手のナックルが2 ~ 3つ見えるくらい左手をかぶせて握ろう
左前腕部を外旋したらその状態をキープ

フェースを地面に向け続けるテークバックは、腕や手先を使わず体の捻転を使って振り上げる動きになるのでトップがコンパクトになる。ダウンスイングも体の回転で振り下ろせば、スクエアフェースでヒットできる
開いたフェースは元に戻りにくい

テークバックでフェースが正面や上を向くと、トップで左手首が甲側に大きく折れてしまう。ダウンスイングでフェースを返そうとしても返りにくいので、フェースが開いて当たるインパクトになってしまう
ハーフウェイバックでフェースの向きをチェック

テークバックで左前腕部を軽く外旋できたかどうかは、ヘッドが右腰あたりまで上がったところでいったん止めてチェックしましょう。フェースと背中のラインが平行になっていれば合格です。
また、テークバックでフェースがすぐに開いてしまう人は、アドレスにも注意。クラブを上から押さえつけるように構えると、クラブの重さを感じられずヘッドが動き出すときにフェースを開く力を使って勢いをつけようとしてしまうのです。
フェースの開きを抑え、なおかつコントロールするには、ヘッドを少し浮かせて構えてクラブの重みを感じましょう。上体をリラックスさせて、両肩を上げずに首を長く見せるような姿勢を作るのがポイントです。

ヘッドを地面から浮かせる
ヘッドを浮かすと両手でクラブの重さを感じられるため、スイング中にクラブをコントロールしやすくなる

フェースと背中のラインが平行になればOK

クラブを上から押さえつけて、いかり肩の構えになると上体がリキむ。始動で手元が浮いたり、ヘッドをインに引きすぎてしまう
手元は内、ヘッドは外に上げる

今どきドライバーは極端なインサイド軌道で打たなくてOK。手元は内側、ヘッドは外側に上げていく感覚で振り上げるとフェースが開くのを防げる
グリップエンドをお腹につけた素振りで感覚を養う

これまでは、バックスイングではフェースを開き、切り返しからフォローにかけてはフェースを閉じることがセオリーとされてきました。しかし、今どきドライバーはフェースの開閉をいっさい使わないといっても過言ではありません。
そうなると大事なのは体の回転です。腕とクラブを体の正面にキープして、体幹を回して振りましょう。このスイングの感覚をつかむには、グリップエンドをお腹につけての素振りが一番。アドレスからフォローまで、グリップエンドをお腹から外さずにスイングしてください。
お腹を積極的に動かして振ると左前腕部が自然に軽く外旋して、フェースはシャット気味に上がっていきます。フォロー以降はグリップエンドがお腹から離れてOK。しっかりと振り切るフィニッシュをとれば、今どきドライバーの打ち方の完成です!
フォローまでグリップエンドをお腹に向ける

グリップエンドがお腹を向かずに外れると、フェース向きは即ズレてしまう。下半身のリードによってインパクトでお腹が目標を向いても、グリップエンドはお腹を指すようにする。フォローまでお腹を指し続けるようにしよう

右:グリップエンドがダウンスイングで外れるとフェースが開く
いかがでしたか? ぜひ、レッスンを参考にして、練習してみてください。

レッスン=大西翔太
●おおにし・しょうた/ 1992年生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロとなり、JPGA公認A級の資格を取得。ジュニアゴルファーを指導する一方で、青木瀬令奈のコーチも務める。
構成=三代 崇
写真=相田克己
協力=船橋カントリークラブ
【あわせて読みたい】

































