30分の室内練習で上達する!インパクトを磨く練習法をレッスン

長時間の練習はしんどい……。そこで「短い時間、少ない球数、快適な室内でもできる」、しかも「30 分だけ」をテーマに教え上手なコーチたちに、ファスト(速い、手短な)練習メニューを依頼!

まずは「なんだかんだいってももっとも大事なのはココです!」と、インパクトゾーンの修正や強化に特化した練習を推奨するのは柳橋章徳コーチ。なかでも〝ボールコンタクトの感覚〞を磨く練習法は、
短い時間でスイングを自然によくする効果があるという。

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「狙ったところにヘッドを入れる」を徹底的にトレーニング!

短時間での練習なら、ボールを打つためにもっとも大事なインパクト“当て感”を磨きましょう。当て感とは、プロがよく使う言葉で「意図したところにクラブヘッドを入れたり通したりする」こと。わかりやすく言い換えれば「当て方がうまい」ということですね。

ただし、これは単にフェースの芯でボールをとらえて狙った飛距離や方向性を出すだけではなく、ライによっての打ちやすさ、シチュエーションによって球質や球筋を変えることにつながるので、さまざまな状況に出会うコースではとくに大事な能力になります。

また、じつはスイングの軌道や入射角は“当て感”を磨いていくと自然によくなります。30分という短い時間で数十球の練習でしたら、ラウンドにつながるこの練習がベスト・オブ・ベストですよ!

〝当て感〟能力のチェック法

「狙ったところをタッチする」

“当て感”にすぐれているかのチェック法はとても簡単。クラブを持ったら地面の上の目印となるものをヘッドで「チョン」とタッチしてみる。思ったところにきちんとタッチできる人は“当て感”の能力が高い。片手ずつで行なってみると(写真右)左右に能力差が出る人もいるが、それは「感覚を鍛えたほうがいい側」という見方もできる。

ただ、スイングは両手で握って振るので、両手でのチェックがベター(写真左)。狙ったところからズレてしまう人(×)は“当て感”を磨くトレーニングをしよう!

ランダムに置いたボールを全球ミート!

「適当でいいのでボールを5、6個、マットの上に並べます」という柳橋が置いたボールは、ふだんのボール位置より右や左、手前や奥にランダムに置かれた。これを全球ミートして打つのが“当て感”練習のその1。

「ボールがどこにあっても意図どおりにクラブを動かす訓練です。また、本来は体とボールの距離はつねに一定が理想ですが、ラウンド中はボール位置をズラして球筋を変えることもあるし、急傾斜などではボールに近づく、遠ざからないと打てないときもある。それでもミートできる能力を身につけるのです」(柳橋)。

普段のボール位置よりも、近くても遠くてもミートしたいが「その間合いでうまく打つスイングをマスターするのではなく、大事なのは“狙ったところにクラブを動かす”。その感覚を磨くのが目的です」(柳橋)

ランダムに置いたボールは打ちやすいものからではなく、ベアグラウンドなどの芝が薄いライで有効なインパクトの仕方になる「手前にあるボールに当たらないようにヘッドを鋭角に入れる」も行なおう

ガムテープや障害物を使ってトゥ・ヒールヒットのミスを改善!

フェースのトゥ側やヒール側に打点がズレてミスヒットしてしまうのも“当て感”の悪さのひとつ。これは視覚的効果を使うと簡単に直る、鍛えられます。

トゥ側にズレることが多い人は、フェースのトゥ側をガムテープで覆う。すると、ヒールに当てる意識が強まります。ヒール側にズレる人はヒール側にガムテープを張って打つ。トゥヒットをヒールヒットにすると、本番では相殺されてちょうど真ん中に当たるというわけです。

この視覚の効果で打点ズレを直す訓練は、見た目から受ける印象だけでスイングが自然に変わるので「スイングのことを細かく気にしない、考えなくていい」というのがメリット。今回の“時短レッスン”というテーマにおいてもぴったりですね。

トゥ側ヒットが多い

ヒール側に当てようとすると

スイングは自然にヒール側でヒットしやすい「手元を低く下げた」打ち方になる

ヒール側ヒットが多い

スイングは自然にトゥ側でヒットしやすい「手元を体に近づけた」打ち方になる

「障害物を回避」も有効!

昔からある練習法ですがボールの箱などを、ヒールヒットしたくないならボールの奥側に、トゥヒットしたくないならボールの手前に置いて、当たらないように打つ練習は有効ですね。僕はツアープロをコーチして修正するときは「スマホ、置きましょうか」といいます(笑)。そのくらい意識を強くさせて真剣みをもってほしいのです。

ヒールヒットを直す場合。障害物をなるべくボールに近づけて置きたいが、打っても危なくないものにして安全を確保しよう

トゥヒットを直す場合。ボールの手前側は、障害物に当たりやすいので少し離して置く

「アイアンは下め」「ドライバーは上め」ヒットをマスターしよう!

コースではアイアンを下めで打ちたいときが多々あります

左右へのズレは「自然に真ん中に当たる」に直したい。それに加えて意図的に、アイアンはフェースの下め、ドライバーは上めでボールをヒットする“当て感”を身につけてください。

アイアンはそもそもフェースの上にボールを当てることが難しいのですが、当たってしまうと著しく飛距離が落ちます。また、意図的に下めヒットで打つ状況は、ラフに浮いたボール、フェアウェイバンカー、木の下や間を通す低い球など多岐に渡ります。その下めヒットを狙ったときにダフリやどトップにならない“当て感”も練習しておきましょう。

ティーアップしたボールを「カツン」と打つ

ティーアップドリルは、ボールだけをクリーンに打つ王道のドリル。もちろんティーを打ってしまうのはNGですが(×)、ポイントは〝音〟で「カツン」といつもより高く硬い音が鳴るように打ってください。これも、ガムテープを張り「上側はNG」にする視覚効果を活かしての練習もオススメです。

「右側にスティック」でちょうどいい入射角に

トップめのインパクトは、入射角がシャロー(鈍角)すぎるとボールの頭を叩くどトップになってしまいます。ちょうどいい入射角でヘッドを入れるには、右足のヨコにスティックやクラブなど棒状のものを置いてください。その棒に当てはしないけど近くを通すようすると、ちょうどいい入射角でフェースの下めに当てるインパクトができます。

ヘッドを低く動かしてボールをヨコから打とうとすると、アーリーリリースになってしまいダフる人も多い

上めヒットは「ドライバーを飛ばす」極意

下めヒットは、もっとも飛ばないダメエリア。ドライバーはロフトが立っているので張ったガムテープが見えにくいが、はっきり見える打ち方はアッパーブローで振ったとしても×

ドライバーはなぜ意図的にフェースの上めヒットにしたいかというと、ヘッドは構造上「有効打点」というのがあり、真芯からやや上はスピンが減って飛びます。また、ドライバーをアッパーブローで打つという意味でも上めヒットは有効。ガムテープをフェースの下に貼って「上めで打つ」という意識を高めるのもいいですし、貼ったことでのフェースの見え方も理想的なスイングづくりに役立ちます。

ガムテープを張って上めでヒットする意識を高めつつ、インパクトではガムテープが見えないアングルで打つのがベスト(○)。「パワーがしっかり出て、伝わる見え方ですが、上からロフトを立てて当ててはいません(×)。スイングの最下点をボールの手前に設定し、きちんとアッパーブローで振りつつロフトを少し立てて当てます」(柳橋)と、最下点の意識も大事になる

いかがでしたか? ぜひ、レッスンを参考にして練習してみてください。

レッスン=柳橋章徳
●やぎはし・あきのり/1985年生まれ、茨城県出身。最先端のスイング理論を研究し、ツアープロコーチとしても活躍中。その手腕によって復調やレベルアップした選手が増えている。YouTubeチャンネル「BREAKTHROUGH GOLF」でも上達に役立つ斬新な情報を発信中。

写真=田中宏幸 
協力=GOLFOLIC中延店

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