
アイアンで打ち込むは間違い?プロが教える!正しいアイアンの打ち方
アイアンショットで「打ち込む」という言葉を聞いたことはありませんか?多くのゴルファーが「上から強く叩く」「地面に押し込む」というイメージを持っていますが、実はこれが上達を妨げる大きな原因になっています。正しい「打ち込み」とは、ゆるやかなダウンブロー軌道でボールを先に捉え、その後ターフを取ること。
本記事では、アイアンの打ち込みに関するよくある誤解、正しいスイングイメージと具体的な改善方法をご紹介します。アイアンが苦手な方も本記事を読めば自信を持ってショットできるようになるでしょう。
【関連記事】7番ウッドを選ぶ時の「4つのポイント」!最新15モデルを試打解説
アイアンの基本:打ち込みと払い打ちの違い
アイアンショットには、打ち込み(ダウンブロー)と払い打ち(レベルブロー)という二つの打ち方があります。
打ち込みとは、クラブヘッドが上から下へ鋭角に下りてきて、ボールを先に捉えてからターフを取る打ち方です。スイングの最下点がボールより先にあるため、ボールにしっかりスピンがかかり、方向性と距離のコントロールがしやすくなります。アイアンの基本的な打ち方として推奨されている打ち方です。
一方、払い打ちは、クラブヘッドが地面と平行に近い軌道でボールを横から払うように打つ方法です。ターフをあまり取らず、ボールだけをクリーンに打つイメージです。この打ち方は、フェアウェイウッドやユーティリティで使われることが多く、アイアンでは特殊な状況で使います。
打ち込みは、ラフやタイトなライ、ピンを狙う正確なショットで有効です。払い打ちは、ティーアップした状況や浅いラフから距離を出したい場面で活躍します。状況に応じてこれらを使い分けることで、より効果的なプレイが可能になるでしょう。
打ち込みの特徴とメリット・デメリット
打ち込みは、アイアンショットの基本となる重要な技術です。「ボールの先のターフを取る」感覚が重要です。このダウンブロー軌道により、ボールに適切なバックスピンがかかります。
打ち込みの最大のメリットは、スピン量が多くなり、ボールがグリーンに落ちた後しっかり止まるため、ピンを狙った攻めのショットが可能です。またラフやディボット跡など、ライが悪い状況でもボールをクリーンに打ち出せます。方向性も安定しやすく、風の影響も受けにくいです。
一方デメリットは、打ち込みが強すぎると必要以上にスピンがかかり、吹け上がって距離をロスすることです。また、ダウンブローの角度が急すぎると、ダフリやトップのミスにつながりやすくなります。
実践のポイントはボール位置をスタンスの中央からやや左に置き、体重を左足寄りに保つことが重要です。ハンドファーストでインパクトすることで、自然なダウンブロー軌道が作れます。
払い打ちの特徴とメリット・デメリット
払い打ちは、クラブヘッドが地面と平行に近い軌道でボールを横から払う技術です。ターフをほとんど取らず、ボールだけをクリーンに打ちます。
払いうちのメリットは、ミート率が高くなり、多少のミスヒットでも飛距離が安定します。ティーアップした状況や芝が薄いライでは、ダフリのリスクを減らせます。低い弾道で風の影響を抑えたい場合にも有効です。
一方デメリットは、アイアンで払い打ちをするとスピン量が少なくなり、グリーンで止まりにくくなります。また、ラフやディボット跡など、ライが悪い状況では、ボールの手前の芝を拾ってダフリやすくなります。タイミングがシビアで、安定性に欠けるでしょう。
実践のポイントは払い打ちを使う場面は、ティーアップしたパー3のティーショットや、非常に良いライからの長いアイアンショットなど限定的です。ボール位置をやや左に置き、体重移動をスムーズに行うことで成功率が高まります。
一般的に、アイアンショットでは打ち込みが基本です。払い打ちは、状況に応じて使い分ける応用技術として理解しておきましょう。
アイアンの「打ち込み」でよくある誤解
「打ち込む」という言葉は、「上から強く叩きつける」「ボールを地面に押し込む」といったイメージを持つ方が多いでしょう。
しかし正しい「打ち込み」とは、ゆるやかなダウンブロー軌道でボールを先に捉え、その後ターフを取ることです。上から叩きつけるのではなく、サラッと払うように、スムーズにボールをとらえます。
「打ち込む」意識が生む3つの弊害
誤った「打ち込み」の意識は、スイングに悪影響を及ぼすでしょう。
過度な力みとリズムの乱れ
「上から強く叩く」というイメージを持つと、インパクトで力が入りすぎ、スイング全体のリズムが乱れます。スムーズな体の回転ができず、腕だけで打つ手打ちになりやすくなります。
力みが生じると、クラブの軌道が不安定になり、ダフリやトップが増えます。また、自然な加速が妨げられ、かえってヘッドスピードが落ちてしまうでしょう。
スイング軌道が急角度になりすぎる
「打ち込む」を意識しすぎると、クラブが急角度で下りてきてダフリやすくなります。急角度のダウンブローでは、必要以上にスピンがかかり、ボールが吹け上がって距離をロスしやすくなります。番手通りの距離が出ず、クラブ選択にも影響するでしょう。
体への負担と怪我のリスク
上から強く叩きつけるスイングは、手首、肘、肩に大きな負担をかけます。特に地面を強く叩くような打ち方は、衝撃が体に伝わり、関節を痛める原因になります。また力んだスイングを繰り返すと、筋肉に過度な疲労が蓄積し、ラウンド後半でスイングが乱れたり、慢性的な痛みを抱える原因となります。
正しいスイングイメージと改善方法
誤った「打ち込み」の意識を改善し、正しいスイングイメージを身につけるようにしましょう。正しいアイアンショットは、上から叩きつけるのではなく、スムーズに振り抜くイメージを持つのが良いです。インパクトを強く意識しすぎず、腕と体をスムーズに動かすことに集中します。クラブの重さを感じながら、自然な加速を心がけましょう。
また急角度で打ち込もうとせず、スイングの最低点がボールより先にくる程度の、ゆるやかなダウンブローを意識しましょう。ボールの先のターフを薄く取るイメージで、ダフリが減り、安定したショットが打てるようになります。
そして練習場では、ターフの跡を確認しましょう。ボールの先、ターゲット方向の芝が薄く削れていれば、適切なダウンブローができています。逆に、ボールの手前が大きく削れていたり、ターフがまったく取れていない場合は、スイングを見直す必要があります。
スマートフォンで自分のスイングを撮影し、力みや急角度のダウンブローになっていないかを確認することも効果的です。
アイアンの苦手を克服するためのアドバイス
アイアンが苦手なゴルファーは、まず基本的なフォームの確認から始めましょう。
グリップは強すぎず、リラックスした状態を保ちます。力が入りすぎると手首や腕が硬くなり、スムーズなスイングができません。プロゴルファーのスイングを観察して、リズムやテンポを参考にするのも効果的です。
練習場では実際のコースと同様の状況を想定した練習を行うことをおすすめします。番手ごとの距離感を確認したり、さまざまなライをイメージして打つことで、実戦に強いアイアンショットが身につきます。ポイントを意識して練習に取り組んでみてください。
理想的な入射角は6〜7度とゆるやか

アイアンが苦手な人は「上から打ち込む」というイメージや「ダウンブロー」という言葉に引っぱられてスイングが乱れているケースが多いように思います。また、ボールを強く叩こうとしたり、ボールを押し込むようなインパクトをイメージするのも、上達しない原因になっている場合があります。
アイアンは、もっと「サラッ」と打ったほうがうまく打てる。インパクトの意識を強くしすぎず、腕と体をスムーズに動かすことに意識を置けば、入射角もゆるやかになり、結果的にインパクトが安定してミスも減ります。
ダウンブローといっても、理想的な入射角は6から7度とじつはかなりゆるやか。斜め上からヘッドをガツンとぶつけるのではなく、もっと低い位置からヘッドを入れ、静かにボールをとらえるスイングを目指しましょう。
このイメージが悪い動きを生んでいる!

ダウンブローに上から打ち込もうとしたり(左)、重いものを思い切り叩くようなイメージ(中)、目標方向に押し込むような感覚(右)でボールを強くヒットしようとすると、スイングを乱しやすい
いかがでしたか? 大川コーチのアドバイスにあるようなイメージでボールをとらえて打ってみましょう。
まとめ
アイアンの「打ち込み」は、上から強く叩くのではなく、ゆるやかな入射角でサラッと振り抜くことが望ましいです。理想的な入射角は6〜7度と意外にもゆるやかで、低い位置からヘッドを入れて静かにボールをとらえるイメージが大切です。誤った打ち込み意識は、過度な力み、急角度なスイング軌道だけでなく体への負担もかかります。正しいスイングを身につけて、下半身を安定させた体の回転を意識しましょう。
練習場ではターフの跡を確認し、ボールの先の芝が薄く削れているかをチェックすることも重要です。正しい打ち込みのイメージでアイアンショットに挑戦してみてください。

レッスン=大川夏樹
●おおかわ・なつき/1988年生まれ、神奈川県出身。マンツーマンレッスンを中心に、多くのアマチュアゴルファーに好評を得ている人気コーチ(インスタグラムアカウント NATSUKI72_GOLF)。
構成=鈴木康介
写真=相田克己
協力=取手桜が丘GC(アコーディア・ゴルフ)

































