
「打ちたい球筋が打てる構え」はマスト!ピッチショットは“右足”を引く
自他ともに認めるツアー屈指のアプローチの達人桑木志帆が、さまざまなライや状況からベタピンに寄せる桑木流のワザをレッスン!
「打ちたい球筋が打てる構え」はマスト! 桑木流ピッチショットはアドレスで〝右足を引く〞


画像中:体重配分は5:5。ボールと手のポジションは真ん中。ラインを出そうとして、左足体重にならないよう注意。
❶フェースはややオープンに

「出球をやわらかくしたいのでフェースは開きますが、開く角度はほんの少しでOK。ロブショットのように大きく開きすぎると、距離感が悪くなってしまいます」(桑木)。フェースを開くときは、体を傾けてオープンにするのはNG。クラブをポンっと地面に置くと自然にクラブヘッドが右回転する。そのままグリップして「ややオープン」にしよう
❷きついハンドファーストはNG

アドレスからハンドファーストの度合いが強いと、インパクト時にロフトが立って出球の初速が上がりすぎてしまう。入射角も「鋭角すぎ」になりがちなので×。
❸クローズスタンスだからインから入れられる

ボール1個ぶんくらい右足をうしろへ引いた〝ややクローズスタンス〞の構えから振るので、バックスイングは体が回しやすく、ダウンスイングではクラブをインから入れやすい。インから入れると、スピンのかかりすぎ、打球の止まりすぎが防げる。
アマチュアは〝打ちたい球〞と〝構え〞が一致していない
アマチュアのアプローチは、ボールが勢いよく飛んでしまいオーバー、スピンが入りすぎてショートなど、思い描いた球筋や結果が出ないことが多い。このミスの原因は「アドレスの時点で起きています」と桑木は指摘する。〝打ちたい球筋が出る構え〞を作ることが大切で、イメージどおりの球筋が自然と打てるアドレスを作ってから、インパクトにほんの少しの隠し味を追加。そうすることで距離感も方向性もコントロールされたピッチショットが誰でも簡単に打てる。

まるで「手でボールを投げた」ようにやわらかく、正確に飛んでいく桑木のピッチショット。出球はフワッと上がってゆっくり飛んでいき、キャリーしてからはカップに向かってスッーと転がっていく。ライン出しのような方向性のよさも兼ね備えている(画像中)。
指先を使ってヘッドを加速! 〝隠し味〞はハンドレイトのインパクト

アマチュアは、出球をフワッと上げようとすると右肩を下げて、ヘッドを下からしゃくり上げるように打ってしまいがち。これだとうまく打てても、思ったキャリーが出ずにショートしてしまったり、インサイドから振り下ろしても方向性が安定しない。
ラインを出しつつ出球をソフトにするために桑木は、インパクトの瞬間「ややハンドレイト」にする。ハンドレイトにする際は、手首や体ではなく〝右手の指先でわずかにヘッドを走らせる〞のが桑木流! 打球は手で投げたように、ピンに向かってやわらかく正確に飛んでいく。
右手の指先でヘッドを走らせるのが桑木流!

「右手の指先でブレーキをかけても、体やクラブの動きを止めるのはNG。回転運動のなかでハンドレイトを作ってください」(桑木)
「手首で作るハンドレイト」はNG

手首を使ってハンドレイトを作ると、ヘッドと地面の距離が遠くなってしまい、トップなどのミスが起こりやすい(×写真)。左の写真のように「手元・打球・ヘッド」が一直線に重なるインパクトを目指そう
フェース面を上に向け続ける

ハンドファーストで打つとフェースは目標方向や地面を向くが、ハンドレイト気味でインパクトすると、ダウンスイングからフォローにかけて、フェース面はつねに上を向き続ける。

いかがでしたか? アドレスの時点で打ちたい球筋が出る構えを作ることを意識してみましょう。

レッスン=桑木志帆
●くわき・しほ/2003年生まれ、岡山県出身。164cm。21年のプロテストに合格。プロ仲間からも称賛されるショートゲームの名手。昨年は国内メジャー・リコーカップなど3勝をあげ、賞金ランク6位。今シーズンは年間女王の期待がかかる。大和ハウス工業所属。
構成=岡田豪太
写真=田中宏幸
協力=日神グループ 平川CC
【あわせて読みたい】
「7番アイアンで200ヤードも飛ぶ」ってマジ!?“飛距離”に特化したアイアン4選
7番ウッドを選ぶ時の「4つのポイント」!最新15モデルを試打解説