329ヤード飛ばす“ドラコン王”が飛ばしのコツを解説!打つ前の構えが大切だった

「僕が飛んで曲がらないロングショットを追求していて大きなヒントとなったのはモー・ノーマンの立ち方です」というのは兼濱開人。

ノーマンは「ハンマー打法」や「天才的ボールストライカー」といわれた名選手。そのアドレスと「ダイナミックエイミング」という理論を使うと、驚異的に飛ばせるそうだ!

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「ダイナミックエイミング」の向きがカギ!

インパクト時に両足裏にかかる重心を結んだラインをターゲットと平行にする

「ダイナミックエイミング」とは、インパクト時に両足の裏の中心にかかる圧力を結んだラインのこと。このラインがインパクトでターゲットラインと平行になると、パワー効率をもっとも上げられるといわれている

「飛びと方向性」は両立できます!

兼濱開人が出場したJPDA(日本プロドラコン協会)主催の競技は、持ち球6球のうち3球はフェアウェイキープが条件で、その3球の平均飛距離で順位が決まる。「飛ばすだけではなく方向性も大事。僕はそれを、スタンスの工夫で両立できました」(兼濱)

重心の「前後移動」を意識してスイング

体をスムーズに動かして回転スピードを上げるには、左右よりも「前後の重心移動」が重要です。上の写真はわかりやすいように両ツマ先を極端に浮かせていますが、右足の重心はバックスイングではカカト寄りに移動し、ダウンスイングではツマ先寄りに移動します。飛ばない人の多くは、ダウンスイングで右ヒザが前に出るため、右ツマ先側に重心が乗るのが早すぎる。インパクト時に両足の裏にかかる圧力を結んだラインの「ダイナミックエイミング」が、オープンになってしまうのです。

これを飛んで曲がらないスイングに変える立ち方が“パワースタンス”です。右ツマ先を軽く開いたクローズスタンスで構えることによって、ダイナミックエイミングをターゲットラインと平行にするインパクトがつくれます。重心を前後に移すバランスが整いやすく、インパクトエリアでは方向性が上がるストレート軌道になるのです。

通常のスクエアスタンス

インパクト時に両足裏にかかる重心を結んだラインがオープンになりやすい

スクエアスタンスで構えるのが悪いわけではないが、ダウンスイングからインパクトにかけて体が早く開いてしまう人は飛ばない、曲がる原因になる。

①ダウンスイングで右ヒザが前に出ると、右ツマ先に早く重心が乗ってしまい飛ばなくなる(左)

②ダイナミックエイミングがオープンになると、アウトサイド・インのカット軌道になる(右)

これがモー・ノーマンからヒントを得た飛ばしのパワースタンス

インパクト時に両足裏にかかる重心を結んだラインがスクエアになる。
左足を少し前に出し、右足は少し引いてツマ先を軽く開く

スタンスの向きはクローズスタンスだが、インパクト時に両足裏にかかる重心を結んだラインは、ターゲットに対して平行にしやすい。体が早く開いてしまう人に有効なアドレスだ。

肩と腰はスクエアにセット

①体全体をクローズにしてフックを打つ方法もあるが、曲がり幅のコントロールが難しい。クローズにするのはスタンスだけでOK(左)

②ダイナミックエイミングがターゲットラインと平行のスクエアな向きになると、方向性のいいスレート軌道で打てる(右)

ミート率が上がって効率よく飛ばせる

①クラブがインサイドから入る適正角度で振り下ろせる
②ダイナミックエイミングがターゲットに対してスクエアになるため飛距離アップと方向性が両立できる

右ツマ先を軽く開いたパワースタンスは、飛ばしに大きな効果をもたらしてくれます。バックスイングでは右ヒザが流れにくく、上体がスムーズに回転しやすい。そしてダウンスイングで右ヒザがに出にくくなるため、体が早く開いてしまうのを抑えられます。さらに左足で踏んばるので、ヘッドスピードが上がります。

右ツマ先を真っすぐ向けたアドレスは、体の右サイドが窮屈になるためバックスイングで右ヒザが流れやすい。その反動からダウンスイングで右ヒザが早く前に出やすくなってしまうのです。

パワースタンスで構えるとダイナミックエイミングが揃いやすいのは、こうした要素が重なって、ダウンスイングがスムーズに振り下ろしやすくなるためです。ただし、右ツマ先を開きすぎてしまうと、また違った難点が出るので「少し」がポイントとなります。

”パワースタンス”のメリット①捻転が深くなる

右ツマ先を少し開くと、バックスイングで上体がスムーズに回り、左肩が深く入る。右ヒザが流れず、深い捻転がつくれる。

”パワースタンス”のメリット②右足が粘る

少し開いた右ツマ先は、ダウンスイングで右カカトが早く浮くのを防ぐ。その結果、体が早く開かなくなる。

”パワースタンス”のメリット③左足で踏んばれる

バックスイングで体が回り、ダウンスイングで体の開きが抑えられると、左サイドの壁ができてヘッドが加速する。

左足がブレやすい人は左足1本の片足立ちで連続素振り

両足をクローズに構えてもダウンスイングで右ヒザが早く前に出ると、ダイナミックエイミングがオープンになってしまいます。これはインパクトで左足が踏んばれないのが大きな原因。左足だけで立って連続素振りをし、左足で踏んばって振れる感覚を磨きましょう。

また、クローズスタンスは絶対ではありません。ローリー・マキロイのように軽いオープンスタンスで構えても、インパクト時のダイナミックエイミングがスクエアになるプロもいます。ダイナミックエイミングがスクエアに向く、自分なりのスタンスを見つけるには、両足をバタバタさせながら腕を振る練習がオススメです。

左足1本で連続素振り

①右足は後ろに引いてツマ先だけで立つ(左)
②左足で踏んばりながら素振りを繰り返す(右)

左足が踏んばれず、体が早く開きやすい人に効果が高い素振り。フィニッシュまで振り抜いたらトップまで振り戻す連続素振りを繰り返そう。

両足バタバタシャドウスイング

バックスイングで右ツマ先を大きく上げたらダウンスイング以降は下げて、反対の左ツマ先を大きく上げながら腕を振る。スタンス向きやツマ先の向きを変えてみて、足裏にかかった重心のラインが目標を向く感覚になる立ち方を見つけよう。

いかがでしたか? ”パワースタンス”のレッスンをぜひ実践してみてください!

レッスン=兼濱開人
●かねはま・かいと/1990年生まれ、沖縄県出身。東京・広尾の「広尾ゴルフインパクト」で多くのアマチュアをレッスン。飛ばしを追求し、ドラコン大会にも出場。19年7月の大会では平均329ヤードを記録して優勝した。

構成=三代 崇
写真=中野義昌
協力=木更津ゴルフクラブ

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