アプローチで“クリーンにミート”するには?上達するコツを解説

アプローチの2大ミスといえばトップとダフりだが、この原因は「点でインパクトしよう」とする意識にある。

「インパクトは最下点ではなく”最下ゾーン”をイメージして打つと2つのミスが激減しますよ」とアッキーコーチ。”最下ゾーン”とは何か?どうやって作るのかを伝授する。

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アプローチは「ボール→右足前、スタンス→オープン」で打つ
この理由わかりますか?

アプローチは「ボールを右足前にしてオープンスタンスで構える」と教わる。これはアプローチのスタンダードな構え方としては合っているが、多くの人はこの言葉だけを覚えていて、なぜそうするのかの意味がわかっていない人がほとんどだ。これらの意味を理解することが”最下ゾーン”を作る第一歩になる

①ボールを右足前にセット→ダウンブローに打てる

ボールを体の中心から右足前にセットするときは真横にズラすのではなく、体に近づけるように右手前にズラす。スイングは円軌道になっているので、ボールも円軌道に合わせてズラさないとボールまでの距離が遠くなってしまう。正しい右足前にセットすると、軌道は自然とダウンブローになる

②オープンスタンスで構える→フェースが正面を向く

①でボールを右足前にセットすると、フェースは右を向く。オープンスタンスにするのは、その向きを直すため。右を向いてしまったフェースを、スタンスの向きを変えて正面に向けるのだ。右を向いたままだと、ボールが右へ飛んでしまう

ゾーン内ならどこでもミートできる魔法のインパクトです!

最下点は横に動くわけではない

O体を中心にアークを描けば接地点と最下点がそろう(ピンク)
×左足に体重をかけすぎるとダフるアークになってしまう(水色)

最下ゾーンを作るためにも、まずはスイングの接地点と最下点を理解することが大切です。アプローチで一度ダフってしまうと、またダフるのが怖くて、体重を左にかけて最下点の位置を左に移動して防ごうとする。しかし、これは間違いです。

上の図を見てください。ピンクの円がきれいにインパクトできたときのスイングアークで、水色の円が体重を左にかけすぎたときのスイングアークです。左に体重をかけると円軌道は左に水平に移るのではなく、最下点が地下に潜ってしまう。するとへッドの接地点は右に移動し、ボールよりはるか手前に当たる大ダフリになってしまいます。

こうならないコツが”最下ゾーン”です。インパクトを点ではなく、地上のボール前後に線(ゾーン)にする。それには、接地点と最下点を同じ高さにする必要があります。最下点が地下に潜らないスイングを身につけましょう。

左足体重にすると最下点は地中になる

体重を左に乗せすぎてしまうと、クラブの入射角がキツくなる。クラブが地面に刺さるような打ち方になるので、ダフリの危険性が高くなる

入射角を緩くすればボールの前後に“最下ゾーン”ができる

ひとつ上の図の円軌道のなかでは、わかりやすいように接地点と最下点を点で重ねているが、インパクトを点にしてしまうとミスしやすいので、上の写真の線のように「ゾーン」でイメージする。できるだけ緩やかな円弧を描くようにして、接地点と最下点の高低差をなくすることが大切。ボール前後でヘッドをなるべく低く動かし続けるゾーンを作ろう

体の右側で打つと方向性&飛距離アップ

体の右側で打つ感覚をつかんだら、実際にボールを打ってみる。ボールにうまく当てようとせずに、体の右側で打つことに集中。最下ゾーンができるので、ボールに当てようとしなくてもきちんと当てられる

「ボールは体の正面でとらえろ」といわれますが、最下ゾーンで打つためには”体の右側”で打つことが大切です。体の右側というのは、グリップは胸の前ですが、ヘッドは体の右側にある状態のこと。右側で打てるようになると、入射角が緩くなって最下ゾーンが作りやすくなる。そのためには、しっかり体を回して打つことがポイントになります。

最下ゾーンでボールをヒットできればフェース向きも安定するため、距離感や方向性がよくなります。野球やテニスなどのスポーツを思い浮かべてみると、ボールを打つときは体の右側で打っていませんか?ゴルフも同じで体の右側で打てば、しっかりインパクトできるのです。

体の右側とは「グリップは胸の前」「ヘッドは体の右側」

いきなりボールを打つのは難しいので、まずは上体を起こして水平素振りでクラブの動きを確認。グリップは体の正面、ヘッドは体の右側にくるようにしてそのまま腰を回転してみよう

体が回らず、クラブが先行してしまったり(左)、体がクラブより先に動いてしまうとインパクトがズレてしまう(右)

体全体を一枚のフレームとして考える

右手で持っているクラブがクラブの向き、左手に持っているクラブが体の向き。フレーム打法は、右にあるクラブと体の向きを変えないようにスイングする(○)。

最下ゾーンは、体の右側で打って入射角を緩くすると説明しました。一つひとつの動作はできても、同時に動かすとバラバラになってしまうという人にオススメなのが”フレーム打法”です。

フレーム打法とは、体全体を1枚のフレームのようにして、そのフレームを回すようにして打つ方法です。バックスイングでクラブを振り上げたら、その形を崩さずに体を回してフィニッシュまで振っていく。

このとき足首から体を回すようにすると、体全体が回りやすくなります。手だけで打とうとしたり、胸と腰が別に動いてしまうとダフリやトップの原因になるので気をつけましょう。

体がクラブを追い越してしまうと、体が突っ込みやすくなってダフリなどのミスを引き起こす(×)

足首から回転する

フレーム打法で打つコツは、両足首から全身を回していくこと。フィニッシュで右足のカカトが地面から離れて、ツマ先立ちになるくらい回してOK

腰を回さずに胸だけを回そうとしたり(左)、手だけで打つ(右)のはNG。関節ごとに動かすのではなく、体全体を回すイメージをもつ

自分の最下ゾーンがどれくらいかを知る

高さも調節可能!
最下ゾーンで打てるようになると、球の高さを自由に変えることも簡単になる。ボールを右に寄せれば低い球、左に寄せると高い球が打てる

最下ゾーンはそのゾーンの中でなら、どこでインパクトを迎えてもボールをクリーンヒットすることができます。例えば、上の写真のようにボールを5球並べてもです。このゾーンの幅は人によって変わってきますが、これだけ長いと安心ですよね。

ゾーンの幅は手首を曲げる角度によって変化します。手首の角度を深くするとヘッドの位置が後ろに下がってゾーンは長くなりますが、深くしすぎると口フトが立ちすぎてしまうので注意しましょう。

また、最下ゾーンをマスターしたら、高さの打ち分けに挑戦してみましょう。最下ゾーンの中でボール位置を変えると、高さの打ち分けも簡単。ゾーンの始まりの右のほうでヒットすればロフトが立って低い球が、終わりのほうの左でヒットすればロフトが寝るので高い球を打つことができます。

構え方はシンプルでOK!

前回説明した、基本の構え方は変わらない。その構えからフレーム打法で最下ゾーンを作って打つ

点は成功率が低い

最下ゾーンなら5球並べても打てるが、最下点は1球しか打てない。クリーンヒットするか、しないか、この差は大きい!

いかがでしたか? 最下ゾーンをマスターしましょう!

レッスン=アッキー永井
●永井研史(ながい・あきふみ)/1987年生まれ、神奈川県出身。アメリカに留学していた高校時代にゴルフに出会う。エースゴルフクラブ赤坂などでレッスンするほか、YouTube「キャンバスゴルフ」も配信中

写真=田中宏幸
協力=内原カントリー倶楽部(PGM)

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