
女子プロ3人のドライバースイングを解説!どうしてもあんなに簡単に打てるの?
女子プロのスイングを見たが、相変わらず飛ぶし、曲がらない。「どうしてあんなに簡単に打てるの?」ツアープロからティーチングプロに転身した中村香織コーチに聞いてみた!
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パワーを左への踏み込みで溜めて蹴り上げで解放!

小祝選手の特徴は、インパクトでの左足の蹴り上げにあります。スイングがゆったりしているタイプで、飛ばなそうに見えますが、この左足の蹴り上げがパワーを引き出すポイントです。❺を見てください。左ヒザを最大限に伸ばして地面を強く蹴っていますよね。これが最近よく耳にする「床反力」や「地面反力」を使って飛ばすということなのです。
インパクトで左足を蹴り上げるには、❸の切り返し直後から左足を踏み込んでいきます。ここで左へ踏み込めない人は、練習法として左足の下に柔らかいものを置いて、それを強く踏みながら振り下ろすと左へ踏み込む感覚がつかめるようになりますよ。
ダウンスイングで一気に踏み込んだら、左足で蹴り上げる準備は完了!左ヒザを伸ばして上へと蹴り上げてインパクトしてください。このとき右足は地面から離れてもOKです。また、左足の蹴り上げを使うときは、ダウンスイング(❹)で、左ヒザが割れてガニ股にならないように注意。
左ヒザが左に流れたり、前に出すぎてしまうと蹴り上げがうまくいかず、左足の踏み込みで溜めたパワーを逃してしまいます。鏡などがあれば、ヒザの位置をチェックしながら練習してください。

小祝さくら
●こいわい・さくら/1998年生まれ、北海道出身。158cm。19年はサマンサタバサ ガールズコレクションで優勝、三菱電機レディスで3位に入った。19年の賞金ランキングは8位。ニトリ所属。
下半身の先行でヘッドスピードを上げる!

飛ばし屋の原選手の飛距離アップのポイントは、体の右側でのインパクトにあります。❻を見ると、腰がしっかり回って目標方向に向いた状態でボールにヒットしていますよね。これは下半身先行のスイングができている証拠。下半身主体で振り下ろし、上半身は後からついてくるようなスイングなので、右サイドでインパクトしているように見えます。
こうするとヘッドスピードも向上。また、フェースと右の手のひらの面をそろえやすいので、方向性もよくなります。ダウンスイングで下半身を先行させるには、背中を丸めることが大切です。原選手は背が高いので、とくに丸まって見えます。
アドレス(❶)から自然な感じで背中に丸まりがあり、反ってはいません。その丸まりをインパクトまでキープすると、腰が回転しやすくなります。アマチュアはアドレスで反りすぎてしまっていたり、インパクトまでに上体が起き上がってしまう人が多いですが、そういう人はクラブを遅らせるイメージで振り下ろしてもOK。
重い物を引っぱるときは、体が起きている状態よりも丸めて引っぱったほうが力が入りますよね。このときの体の使い方をイメージしてください。

原英莉花
●はら・えりか/1999年生まれ、神奈川県出身。173cm。6月に行われた開幕戦のアース・モンダミンカップでは5位タイに入る。19年のドライビングディスタンスは4位と女子プロ界きっての飛ばし屋。日本通運所属。
スクエアフェースで長く押すことで曲がりを抑える

永井選手のスイングは、飛ばすことよりも方向性を重視したいと思っている人にオススメです。ポイントは肩を縦に動かしているところ。肩を縦に回すというのは、スイング中に肩と骨盤が近づいている形になる。写真ではわかりにくいですが、バックスイング(❸)やインパクト(❻)を見ると、肩を骨盤のほうへ引き寄せるようにスイングしています。
肩を縦に回転させると飛ばす要素は少し減ってしまいますが、曲がる要素は少なくなって方向性がアップ!肩の横回転はフェースが開きやすくなりますが、縦に動かすとフェースを目標方向に向ける時間を長くすることができるのです。
インパクトゾーンでのフェースの向きもスクエアになり、その向きでボールを長く押すように打てばボールが曲がりにくくなる。ボールを長く押すには、❼のフォローのように、フェースをあまり返さずに振り切ることがポイントになります。
肩を縦に動かすためには、体側の柔軟性が必要になります。これは、クラブを肩に乗せて骨盤と肩を近づけるストレッチのような素振りが効果的。普段の生活ではなかなか肩を縦に動かすことはないので、普段から繰り返し行って、体側の柔軟性を上げてください。簡単なのでどこでもできますよ。
いかがでしたか? ぜひ、レッスンを参考にして練習してみてください。

永井花奈
●ながい・かな/1997年生まれ、東京都出身。155cm。

解説=中村香織
●なかむら・かおり/1986年生まれ、京都府出身。15年にステップアップツアーで2勝を挙げるが、その年末に惜しまれつつもツアー競技から撤退。現在はティーチングプロとして活動している。
写真=中野義昌、相田克己、高橋淳司
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