
高い球を打つ練習をするプロは皆無!?ローボールはスイング力も上げる!
プロのような高弾道は、アマチュアが憧れる球筋。しかし、マスター今野は「スイングを強化したいなら高い球より低い球。スコアメイクに役立つのも高い球より低い球!」という。その理由とは?
ナイスショットのスイングはローボールの打ち方の延長線にある!

トモ テツがベストスコア更新した話、聞いた?
今野(マスター)今年の初打ちで達成したそうですね。
トモ 俺、一緒にラウンドしていたんだけど、マスターのアドバイスのおかげだといっていた。
今野 なんだろ? 冬ゴルフは低い球がいいって話かな?
トモ 低い球の練習、相当したらしいよ。でもさ、毎回低い球じゃなかったし、そんなに低くもないんだよね。本人は低い球のイメージで打っていたみたいだけど。
今野 ローボールを打つ練習で、スイングがよくなったのかも。高い球に憧れるでしょうが、アマチュアはコースで高い球なんて必要ないですから。
トモ え!? 必要なときあるじゃない!
今野 どんなときですか?
トモ グリーンに止めたいときとか。バンカー越えでピンが手前だったら高い球で止めにいくでしょ。
今野 腕前によりますが、それは番手を上げて対応する。バンカーだけは確実に越えて、球が止まるのはピンの奥でもOK!のほうがよくないですか? バンカーとそのすぐ先にあるピンとの間にキャリー。しかも高い球で、となるとバンカーに入ってしまうことが多いですよね。
トモ たしかに多いけど……。そうだ! 高い球はキャリーが伸びて飛ぶ! プロもクラブの試打コメントで「高く上がってくれるのがいい!」ってよくいうじゃない。今野 高く上がるほど大きく曲がるリスクが増しますから、方向性に自信があるならいいですけどね。アイアンの高い球は、プロならではの感想ですね。トーナメント仕様の深いラフや速くて固いグリーンでは高く上げる必要性が出てきますが、アマチュアが回る普段のコースでは必要ないです。
トモ う〜ん。でも低い球って打つのが難しいよ。
今野 高い球より簡単ですよ。スイングが成熟してくればくるほど簡単に打てます。そして、それが今回のテツさんのスコアアップの理由なのではないでしょうか。
トモ さっき「スイングがよくなったのかも」っていったよね。
今野 低い球ってどうやって打ちます?
トモ ロフト立てて打つのが大事かな。ヘッドは上から入れるダウンブローで、あとはハンドファーストでヒットする。
今野 それってアイアンの理想の打ち方ですよね。ボールコンタクトがよくなって、方向性もタテの距離感もよくなる。
トモ テツは低い球の練習で、そのスイングを身につけたってわけか。
今野 その可能性はかなり高いです。スイングの修正や強化するときは、徹底的に低い球を打たせるレッスンが多いです。プロもそうで、スイング調整のために低い球を打つ練習をすることはありますが、高い球を打って調整することはありません。
トモ アイアンだけじゃなくドライバーもよくなるの?
今野 ロフトを立ててヒットすると、力を前にかけられるので初速が上がります。アマチュアは前ではなく、上方向に力がかかって飛距離ロスしているケースが多いですから。
トモ ローボールは、スイング力も上がる必須テクかぁ。
今野 地をはうような超低弾道じゃなくていいんです。要はライン出しのショット。ドライバーからアプローチまで、ライン出しで攻める選択肢を考えるクセをつけるといいですよ。
トモ つねに一辺倒のスイングや球筋じゃダメ?
今野 ダメではないですが、90を切ったあたりからの上達とスコアを縮めるスピードが極端に落ちます。
トモ 極端って、それはダメってことだよ!
低い球は絶対に打たなくてはいけないときがある!
「是が非でも高い球じゃないといけないという状況はほぼありません。反対に低い球は絶対に必要なときがあります」と今野。代表的な例がスタイミーや林の中からのショットで、狙いどおりの低い球が打てればムダな打数が増えない。飛距離を出してグリーン近づけることもできるので、スコアが大きく崩れない!
いかがでしたか? 低い球を打つ練習を行ってくださいね!

マスター 今野一哉
●こんの・かずや/1982年生まれ。本企画「スナックこんちゃん」のマスターを勤めるプロコーチ。24時間ゴルフのことを考えているので、寝言でもゴルフの話をするそうだ。キッズゴルフクラブ代表。
イラスト=野村タケオ
【あわせて読みたい】
「7番アイアンで200ヤードも飛ぶ」ってマジ!?“飛距離”に特化したアイアン4選
7番ウッドを選ぶ時の「4つのポイント」!最新15モデルを試打解説