
芯でヒットして真っすぐ飛ぶ!石井良介プロの「シンプルスイング」とは?
単にゴルフが上手なだけでなく、試打の達人でもある石井良介プロ。
ビギナー向けからアスリート仕様まで、さまざまなクラブを打って正しく評価できるのは、スイングの基礎(ベーシック)的な部分がきちんとできているからだ。
そのスイングは万能で、ラウンド時にも有効であることをレッスンする。
どんなクラブも打てるスイングは効き目が早く本番(コース)でも強い!

僕のクラブ試打は、スペックに合わせてヘッドスピードを調整することはあってもスイングは基本1パターン。そのスイングによって出た球でクラブの性能や特徴を判断しています。このスイングは、近年のクラブだけでなく近代スイングにおいてもベーシックで、シンプルな振り方でもあるのでアマチュアにもオススメしたいですね。
ここでいうアマチュアとは、僕の生徒さんの大半やみなさんと同じゴルファーのことで、プロのように鍛えたフィジカルもパワーもないし、いずれプロやトップアマを目指す人たちでもない。只々「明日のコンペでシャンクが出ないようにしてほしい」、ラウンドレッスンなら「今日は1球もダフりたくない」といった人たちなので、成果の表れにくい高等なテクニックを教えてもよろこばれない。簡単ですぐに直るレッスンほど感謝されます(笑)
しかし、そのときのレッスンは決して付け焼刃の応急処置的なことではなく、シンプルスイングの極意で、ボールをミートする、真っすぐ飛ばすコツだと知ったら試してみたくなりますよね。ナイスショットのためのベージックな部分なので、ふだんの練習で身につけておくことはもちろん、コースでの突然の乱調からも立ち直れる。その振り方をぜひ実践してください。

うまく当たらずスコアも悪い……。そんなツラいゴルフから今すぐ抜け出しつつ、先々のレベルアップへとつなげていくのが石井レッスンのモットーなのだ。
体の正面でテーブルの上をなぞれるスイング


ミートできない、球が曲がる原因は、上体の前傾角度にそったヨコ振りが崩れているから。上から入る軌道は外から鋭角に(写真左)、下から入る軌道は内からあおるように(写真右)にクラブが入ってしまう
道具にも仕事をさせるレベルブロー
「シンプルに振る」というのですから、直し方も動かし方もごくごくシンプルでなければウソですよね(笑)。芯でヒットして真っすぐ飛ばすのはインパクトが肝心で、そのときのクラブの入り方は、極端なアッパーでもダウンブローでもなく“レベルブロー”が万能。これは前傾するとイメージしにくいので、まずは直立した状態で体の前にあるテーブルの面をなぞるように振ってください。
切り返しや軌道がうんぬんではなく、単に体の正面、ボールの前後をクラブが通過するとき、クラブを地面と平行に動かすことができているのがシンプルスイングの基本。クラブに搭載された機能を利用する、発揮させる「道具に仕事をさせる打ち方」にもなります。

意識するのはヒジから先を動かす回内→回外

ミスが出ると「腕や手首を使いすぎ」を疑い、動かしすぎないように注意することが多いが「ヒジから先は正しい動きで積極的に使う」のがミスを防ぐ正解!
ヨコ振りはトゥの向きにも注意
ヨコ振りのレベルブローを詳しく説明すると、ヒジから先を動かす“回内”と“回外”を使います。左手1本でクラブを持って、バックスイング時は回内によって前腕が内旋し、左手甲が正面を向く、トップからの切り返しでは前腕が外旋し、フォロー時には左手甲が背中側を向く。この動作で振ると思いのほか腕は積極的に使っていると感じますが、それで正解です。
また、このときポイントとなるのは、腰から腰の高さの振り幅で、ヘッドのトゥが上を向いていること。直立した状態でのヨコ振りではトゥは真上、前傾した状態では上体の角度と同じ傾きで上を向く。こうすると、フェースはスクエアな状態を保ち続けて振れます。回内と回外の際に腕を回しすぎたり、回したりない、手首に余計な動きが入ってトゥが飛球線に対して左右を向いてしまうのでNGです。

クラブが正しくヨコ振りになっていても、ヘッドのトゥが飛球線に対して左右(フェースの場合、上や下)を向くとスクエアなフェース向きが崩れてしまう。バックスイング側とフォロー側で向きをチェックしよう
ヨコ振りのためにバックスイングはタテに上げる
回内と回外を行なってのヨコ振りをベースにするが、バックスイングはタテ振りで。「バックスイング時のタテ振りは、切り返し以降のヨコ振りを行なうための準備。クラブをタテに振り上げ、切り返しで弧を描くようにループさせてからヨコ振りに入ると、ヨコ振りの精度が上がります」(石井)

※作成が難しかったため、こちらスクショで対応しました。
ヨコ振りで振るので、後方から見たときにクラブが○の位置へ振り出される。これもチェックポイントのひとつ。
チェック&リセットにも有効

ミスが続いたら直立水平素振りで確認!
ラウンド中の不調、突然の乱調を直したいとき「何が原因かわからずにいろいろ試す、直すよりも、今回レッスンしたことだけを行なったほうが簡単で確実です」と石井。ミスショットした直後や次のショットの前に、直立した状態から回内と回外を行なってのヨコ振りで、シンプルなクラブの動かし方や使い方ができているかをチェックしたり、景色やライによって無意識に乱れてしまいがちな感覚や動きのズレをリセットしよう。
いかがでしたか? どんなクラブでも打てるシンプルなスイングで、成長を実感してみましょう!

レッスン=石井良介
●いしい・りょうすけ/1981年生まれ、神奈川県出身。PGAティーチングプロ資格をもつプロゴルファー。アマチュアのリアルなスイングや感情に訴えかけるアドバイスが多くのゴルファーを開眼させ、全国で行なうレッスン活動はつねに満員。レッスンの日程はインスタグラム(@ryosuke.ishii.214)などで開示中。
写真=田中宏幸
協力=日神グループ 平川CC
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