バンカーの“上級テク”を解説!距離の打ち分けやスピンのかけ方とは?

クラブやボール、弾道計測機の進化によってスイングデータの分析も日々進み「構え方、振り方、打ち方」も日々進化している。

その最新の理論を学び、多くのアマチュアを上達させている若手コーチが、アプローチ、バンカー、パッティングの〝今どき〞の上達法をレッスン!

アマチュアのみなさんに「コレを教えたい!」と厳選した『50』の最新版の寄る技、入る技で、ショートゲームがうまいゴルファーになろう!

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Lesson26 距離の打ち分けはスイングを変えずアドレスを変えよう!

バンカーからの距離の打ち分けは「打ち方」ではなく「アドレス」のアレンジで行ないましょう。ただでさえアマチュアはバンカーの練習量が圧倒的に少ないですから、打ち方で変化をつけようとするとミスを誘発しやすい。下の表のようにピンの位置が「近い」「中間」「遠い」に分けて、ハーフスイングくらいの振り幅で距離感を養ってください。

クラブを変えて飛距離を調整するのもアリ

使用クラブを変えて飛距離を調整する手段ももちろんグッド。「バンスを使いたいけど飛ばしたくない」というような状況では、ロフトが立ったウエッジを開いて使うのも有効だ

Lesson27 ボールポジションの調整でインパクトロフトが変わる

ピンまでの距離とボールポジション
遠い(20~35ヤード):やや右寄り(画像左)
中間(10~20ヤード):センター(画像中) 
近い(5~10ヤード):左カカト前(画像右)

自分から見てボールを右側に寄せるとクラブのロフトは立ち、飛距離を出しやすくなります。

このときの注意点は、ロフトが立てば立つほどグリーンをキャッチしたあとのランも出やすくなること。各ポジションでの基準となるキャリーとランの割合は、あらかじめアプローチ練習場などでつかんでおくと、よりコントロールしやすくなります。

Lesson28 加重の調整で入射角が変わる

ピンまでの距離と体重配分
遠い(20~35ヤード):6:4(画像左)
中間(10~20ヤード):5:5(画像中) 
近い(5~10ヤード):3:7(画像右)

バンカーからのショットの場合「飛ばしたくないときは砂を多めにとる」のが基本。砂をとればとるほどミート率が下がり、飛ばしづらくなるからです。これもスイングで調整するのではなく、アドレス時の左右の足への〝加重割合〞で調整しましょう。左足に重心が寄るにつれて入射角は鋭角になり、ヘッドが砂に潜る度合いも多くなる。結果としてミート率が下がり、飛距離を抑えられます。

Lesson29 フェースの開き具合で打ち出し角とスピンが変わる

ピンまでの距離とフェースの開き具合
遠い(20~35ヤード):スクエア(画像左)
中間(10~20ヤード):やや開く(画像中) 
近い(5~10ヤード):大きく開く(画像右)

フェースを開けば開くほど、打ち出されたボールにかかるスピン量が増え、ボールがグリーン面に落ちてからのランが少なくなります。アゴを越える高さを出しつつ打球を止めたいときは、思い切ってフェースを開きましょう。フェースを開くとバンスが使いやすくなるので、砂がやわらかいバンカーなどでもフェースは開き気味に使うのがオススメです。

Lesson30 フェースを開きスタンスはオープンに

スピンを増やしてボールを止める
状況:グリーンが硬い・キャリー地点が下り傾斜など

スピン量を増やす場合、ウエッジのフェースを最大限に開いてロフトを寝かせる必要がありますが、フェースを開けば開くほど、ボールは右に打ち出される。そこでスタンスをターゲットよりも左に向ける、つまりオープンスタンスにすることでこれを相殺します。

オープンスタンスにすればボールの打ち出し方向とクラブを振る方向の「差」が大きくなるので、ミート率は必然的に下がります。

「飛ばさない」という点でも有効な工夫です。

Lesson31 ヘッドスピードを上げて鋭角に振る

ボールに対して鋭角にクラブを振り下ろすことがバックスピン増には必要。これは、ボールをできるだけダイレクトにコンタクトし、フェースとボールの間に砂が挟まるのを避けるためです。普段よりもボールの近くに構えると、自然とスイング軌道がアップライトになり、鋭角に振りやすくなる。そして、勇気をもってヘッドスピードを上げる! フェース面との摩擦を強くして、スピン量を増やしましょう。

フォローでもフェース面が自分を向くようなイメージで振る。ミート率を低くしているので、ヘッドがボールを追い越していくのが正解。

Lesson32 クローズスタンス&等速で振ろう!

ランを増やしてボールを転がす
状況:ピンが遠い・上り傾斜が強いなど

クローズスタンスにすると、クラブの軌道がインサイド・アウトになるので、ボールにゆるやかなドロー回転がかかり、ランを伸ばすことができます。このとき、フェースはターゲットへ向けておきましょう。

クラブをあまり加速させず「等速」のイメージで振ると、ボールのバックスピン量がさらに減るので、重いグリーンなどでもしっかりと転がしていけます。

Lesson33 入射角を「ゆるやかに」してミート率を上げる

入射角をゆるやかにすることで、ボールが打ち出される方向とクラブの軌道が近くなる。インパクトの効率がアップするので、ボール初速が速くなり、ランも出やすいボールが打ち出されます。

コックをあまり入れず、アドレス時の手首の角度を変えずに振り切る

吉本裕貴
●よしもと・ゆうき/1996年生まれ、千葉県出身。東北福祉大学ゴルフ部出身。千葉県旭市にある「ゴルフプラザ72」を拠点に、アマチュアやジュニアへのレッスン活動をしながらトーナメントにも参戦。自ら工房(JAM’s GOLF LABO)を営むほど、ギアへの深い造詣をもつ。

構成=編集部、石川大祐
写真=田中宏幸
協力=日神グループ 平川カントリークラブ

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