全英V逸・マキロイの“パットルーティン”とは?「目標に向けた…」プロが解説!

「パットに定形がないなんてウソ。海外の名コーチたちは基本をもっていて、それをPGAの選手たちに教えています。そして、基本に忠実な選手ほどよく入りますね」というのは、星野豪史プロ。

星野プロは、その世界基準といえるパッティングスタイルをスタン・アトレーから直接学び、独自のアレンジを加えてレッスンしている。今回はその世界基準のパットについて詳しく教えてもらいました。

全英オープンで活躍したマキロイのパットのルーティンも解説しています。

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手のひらで握るパームグリップで前腕とシャフトを一直線に!

手のひらで包み込むように握る。グリップの角度は手相の生命線に当ててウィーク気味に握ると、左手首が伸びて左手甲が目標を向く

グリップは指ではなく手のひらで握り、グリップと手の接地面を増す。すると、パターとの一体感が生まれ固定しやすくなるし、手首が使いにくくもなります。左手首が自然に伸びるのもメリットで、左手甲をフェースに見立てれば、フェースの向きも意識できます。

さらに、前腕とシャフトが一直線になるところも大きなポイント。グリップエンドが体の中心、みぞおちくらいを指しますが、グリップエンドが体に当たっていなくても、向いているだけで体に支点を作って振る意識がもてる。そこを支点にストロークするとオンプレーンで振れます。

指の付け根あたりにグリップを当てて指先で握ると、手首が自由に動きやすくなってしまう

飛球側から見て前腕が一直線になっているか確認しよう

飛球線側から見たとき、パームグリップで握ると、前腕とシャフトが一直線になる。グリップエンドがみぞおちあたりを指し、そこを支点に振るとパターなりのオンプレーンで振れる

飛球線側から見て、前腕とシャフトが「く」の字は、ストロークが直線的になってしまう。フェースがバックスイングでは閉じすぎ、切り返しからフォローにかけては開いてしまいがちなのが欠点

グリップを指先で握ると、前腕とシャフトが逆「く」の字を描く形になりやすい。プレーンはイン・トゥ・インがきつくなりすぎて、それにともなってフェースの開閉量も増えすぎてしまうのが欠点

また、グリップだけでなく、ルーティンについても共通点があるとのこと。

目標を見た顔を戻し切る前にテークバック!

プロはリズムやテンポもかなり重要視しています。そのリズムをよくする方法のひとつがプレショットルーティンですが、PGAツアーのパットの映像を見て「構えてから早い!」と感じる人は多いでしょう。イメージしたラインや素振りをしたフィーリングが消えないうちに打つためですが、アドレスに入り、カップ方を最終確認したあと、始動するのも早い。

アドレスに入り、カップやラインを最終確認。目標に向けた顔を戻して止める前にテークバックをスタート。「慣れるとフォワードプレスよりも、動き出しやリズムがよくなる効果が高いです」と星野

具体的にいうと「目標を見た顔を戻し切る前にテークバックがはじまっている」のですが、超がつくパットの名手、ブラッド・ファクソンがこのタイプで、それに影響を受けてローリー・マキロイ、ジョーダン・スピース、リッキー・ファウラー、ブルックス・ケプカなど、本当に多くの選手がマネているので、これも世界基準として紹介します。

アドレスで止まっている時間が長いほど、方向やタッチのイメージがこれでいいかなど、いろいろなことを考えてしまうが、これがリズムを崩す大きな原因!

決して打ち急ぎや雑な動きではなく、体が固まってしまったり余計なことを考える暇がなくなるため、動き出しもストローク全体もスムーズになる。リズムを一定にする効果もある超オススメのルーティンなので、ぜひやってみてください!

いかがでしたか? 世界基準のグリップやルーティンを実践して、リズムを崩さずプレーできるよう練習してみましょう。

レッスン=星野豪史
●ほしの・ごうし/1972年生まれ、東京都出身。94年に渡米し、ゴルフ理論を学ぶ。最新のスイングを研究し、プロや一般アマチュア、ジュニアを指導。東京都・虎ノ門の54GOLFCLINIC代表。

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