アイアンとバンカーの苦手を克服!3人のプロがコツを解説

練習もラウンドも”なんとなく打つ”では、うまくならない、成功しない!

とくに苦手なショットは「あれをやってみよう、試してみよう」とテーマをもって挑むのが克服の近道!

その”テーマ”と”閃き”を与えるワンポイントレッスンをお届け。

次の練習やラウンドで早速、実践してみよう!

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アイアンはボール位置を左側にすれば高さを出しやすい

アイアンショットのボール位置は番手によって変える人もいれば、どの番手でも同じ位置に置く人もいる。それは好みでもあるが、クラブの長さもロフトも異なるのでボール位置もそれらに合わせたほうがいい。

5番アイアンは左足カカト延長線上

5番アイアンはロフトが立っているぶん、インパクトでフェースをそれほど立てなくてもいいので、ボールは左足カカト延長線上にセットする

サンドウエッジならスタンス中央

クラブのなかで、もっとも本来の口フトよりも立てた状態でインパクトを迎えるのがウエッジ。したがって、ボール位置は1番右寄りになる

7番以上は遠くに8番以下は近くに立つ

8番以下のアイアン(左写真)、7番より上のアイアン(右写真)

8番以下のアイアンはボールに近く立つが、7番より上のアイアンはインサイドからヘッドの入射角がきつくなりすぎないようにクラブを下ろしたいので、少し離れて立つ

アイアンは番手がひとつ異なると、難易度は相当変わります。とくに7番より上の番手はその傾向が強く、6番よりも5番はかなり難しいと考えましょう。何よりもロフトが立っているので、ボールが高く上がりにくいのが特徴です。

したがって、ボール位置は5番で左足カカト線上付近、番手が下がるごとに徐々に内(右)側に入れ、サンドウエッジでスタンス中央になります。ロフトの立ったアイアンはボールを左に置くことで、極端なダウンブローにならず、ボールが高く上がりやすくなります。自分なりに弾道を見て、ボール位置を微調整しましょう。

スライスを打つ要素を3つ加える

ツマ先上がりのライはフェースが左を向きやすいので、フック系のボールが出やすい。それを防ぐには、ボールが右へ曲るスライスを打つときの要素を加える。できれば、3つは加えると真っすぐ飛ばせる。

ゴルフクラブの構造上、ボールが足元よりも上にあるとフェースは目標の左を向きます。そのまま打てばフックボールが出るので、アドレスの際には右に曲がる要素を加えましょう。

まず、クラブを短く握ること。基本的に、スイング軌道がフラットなら左に、アップライトなら右に曲がります。

クラブを短く持つことでスイング軌道がアップライトになるので、右に曲がる要素が1つ加わります。極端に短く持つのもアリです。

ボールを右に寄せてフェースを開く
ボールを右に置き、フェースを開くのが2つめのスライスを打つ要素。ボールを1個ぶんほど右に寄せ、フェースを少しだけ開いて構える。右に置いたボールにフェースを合わせると、自動的にフェースは開くが、さらにフェースを少し開くことで右に曲がる度合いを大きくする
クラブを短く握る

軌道はフラットは× アップライトが○

3つめのスライスを打つ要素は軌道。ツマ先上がりのライはボールの位置が高いので、アドレスで上体が起き上がりやすい。起き上がったまま振るとフラットなスイング軌道になるのでボールは左に曲がる傾向が強くなってしまう(x)。ダウンスイングの軌道は上体の角度をキープしたまま、タテ振りのアップライト軌道で振ろう(○)

深い前傾角度をキープし続ける

傾斜のなかでもとくに難しいツマ先下がりのライ。体の回転が止まりやすく、ヘッドがボールまで届きにくいのでトップが出やすい。

または、ボールの手前を打つダフリやフェースが返りすぎて引っかけることも。これらを防ぐためには、前傾角度がポイントとなる。

アウトサイド・インでクラブを振る

ツマ先下がりのライのボールを打つときは、インサイドからクラブを下ろす人が大多数です。しかし、その軌道だとインパクト前にヘッドが地面に当たりやすく、ダフリなどのミスショットにつながってしまうので、クラブをややアウトサイドから下ろしてインサイドに振り抜きましょう。カット軌道で打つとヘッドがボールの手前の地面に当たらず、インパクト後も体の回転を止めることなくクラブを振り抜けます。

ヒザではなく前傾角度を深くする

へッドをボールに届かせようとしてヒザを大きく曲げると、スイングの際に手元が右足に当たりそうで振りにくい(×)。それを避けるため、またはトップなどのミスを防ぐためにも上体の前傾角度を深くすることでボールとの距離を調節(○)。その前傾角度をキープすることも鉄則だ

素振りでバランスをチェック

体の正面のスペースが広がるツマ先下がりのライは、腕を振りやすいので強振しがち。しかし、もっとも不安定なライなのでバランスを崩しやすい。

素振りを入念に行ない、どれだけの振り幅ならバランスを崩さないかをチェックする。本番でもその振り幅以上の大きさで振らないように注意しよう

成否はアドレスにあり!成功しやすい形を作ろう

バンカーショットが苦手な人は、アドレスに問題がある。砂をとる量やヘッドの入れ方にこだわるよりも、まずは正しいアドレスを作る。それだけでバンカーからボールを脱出する確率は高くなる。

まず、ボールと目標を結んだラインと、そのラインに対して垂直な線を引きます。2つの線が交差するところにボールをセット。

次に足元に円弧を描きます。この時点でボール位置はスタンスの中央にありますが、円弧に沿って体を右に移動し、左足カカト線上にボールがくるようにする。

最後にスタンスの向きと平行な線を、先ほどの2本の直線と交差するように引いて、クラブはこの方向に沿って振ります。ボールの位置、スタンスの向きが決まったらフェースを開きますが、最初の目標方向への線に対してスクエアか、少し右を向くくらいでOK。

これらの線を練習のときは実際に引いて、本番では線をイメージして正しいアドレスを作ってから打ってください。

3本の直線と1本の曲線をイメージ

スタンスのラインに沿ってクラブを振り抜く

アドレスさえ決まればバンカーショットは簡単。あとはスタンスの向きに沿ってクラブを上げて下ろすだけ。

フェースの開き具合は、ピンまでの距離によって決める。近ければフェースを開く度合いが大きくなり、遠ければ開きすぎない。スイング中は体重移動は行なわず、左足体重をキープする

スピンを効かせたいならヘッドを鋭角に入れる

クラブを鋭角に下ろしたほうが、スピンが強くかかる。鋭角に下ろすぶん、ヘッドは砂の中に深く入るが、ヘッドを下ろす位置はつねにボール1個ぶん手前にしよう

いかがでしたか? 沢山練習して苦手を克服しましょう。

レッスン=阿河徹
●あがとおる/1976年生まれ。米国にてゴルフスイング理論、ゴルフ経営学を学ぶ。UFGTF資格取得。帰国後、内藤雄士ゴルフスクールにてレッスン活動を行なう。2012年独立後、男女ツアー・プロのコーチとしてツアーに帯同。50人以上のプロゴルファー、3万人以上のアマチュアゴルファーを指導している。

レッスン=森山錬
●もりやま・れん/1996年生まれ。レッスンは3カ月先まで埋まっている大人気プロ。平均飛距離300ヤー以上のドライバーショットを放つ。Instagram(@rengolf_54)で配信中の動画も大きな話題を呼んでいる。著書に「ゴルフは右手の使い方だけ覚えれば上手くなる(日本文芸社)」。Futako Golf Club主宰。

レッスン=大庭啓
●おおば・あきら/1969年生まれ。芹澤信雄が主宰する”チームセリザワ”の一員。00年プロテスト合格。10年から藤田寛之のスイングサポートコーチを務め、賞金王のタイトル獲得に貢献。海外メジャーにも同行しサポートを行なった。アマチュアのレッスンでもわかりやすい指導に定評がある。

構成=山西英希、編集部
協力=井山ゴルフ練習場、Futako Golf Club、富士平原ゴルフクラブ

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