女子プロ8人が実践する練習法!

ツアープロは、次のラウンドで好スコアを出すための練習をしている。

そんなプロたちがこれまでやってきた“実戦に役立つ上達ドリル”をアマチュアのスコアのレベルに合わせて紹介しよう。

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クラブの重みを感じる片手打ちからスタート!

ハーフスイングの片手打ちから練習を開始。
右手でも左手でもOK。クラブの重みを利用して振りながら、軸やリズムを整えることを意識しよう

私はいつも短いクラブを片手で持って、ハーフスイングで打つ練習からはじめます。スイングは「クラブの重さ」を感じることが大切です。片手で持つのはそのためで、クラブの重さによって振られる、またはクラブをコントロールする感覚を呼び起こすのです。コンパクトなハーフスイングでも軸のキープやリズムよく振ることを心がけて、少しずつスイングを大きくしていく。この手順で徐々にギアを上げていくとムダのない練習ができます。

初級者ほどクラブに”振られる”感覚が大事

クラブを振る感覚が戻らないうちに大振りすると「うまく当たらないと予定外のことまでしてしまう。球数も時間もムダに増えるから効率のいい練習ができませんよね」(竹村)

「ビギナーはクラブを操ろうとしすぎ。振られる感覚をもってください」と竹村。スイングはクラブの動きを邪魔せずに”振られる”ほうが軌道がよくなるし、スピードも上がるのだ

竹村真琴
●たけむら・まこと/1990年生まれ、大阪府出身。155cm。ジュニア時代に数々のビッグタイトルを獲得し、09年にプロ入り。現在はイベントなどで多くのアマチュアを指導する教え上手。興和所属。

頭をセンターに固定して円弧を描くとアッパーブローでヒットできる(〇)。ダウンスイングで頭が左に突っ込むとクラブの入射角が鋭角になってしまう(×)

ズレない、左に踏み込める小さいトップのほうが絶対飛ぶ!

コンパクトでも飛ぶことを知ってください!

100以上叩いてしまうゴルファーは、だいたいオーバースイング。トップでヘッドが手元より下がったりシャフトがクロスすると、ズレが大きくなるので芯に当たりにくくなってしまいます。飛ばしたい気持ちはわかりますが、コンパクトなトップのほうがミート率は絶対に上がるので、芯で打つことが一番飛ぶことを実感できます。

トップを小さくするのは簡単ですが、実際のスイングでは思った以上にクラブを振り上げてしまう人がほとんど。これはシャフトを立てることで防ぎましょう。小さすぎると思うくらいでOK!切り返しがスムーズになるので軌道が安定するし、体重を左に移すウエイトシフトも使いやすくなります。

スムーズな切り返しは体重移動もスムーズに!

シャフトを立てたトップを作ると手首が折れない。余分な動作が入らないので切り返しがスムーズになってスピードも上がる。「上半身がもたつかないと下半身の動きもよくなります。切り返しで左へ踏み込めるのでパワーも上がります」(稲見)

つかまるようになったらヘッドを右に真っすぐ振り出す!

ヘッドを右に振り出すが、返るのを押さえ、体の回転に対してスクエアなフェース向きをキープする。「フェアウェイの右サイドに向かってズドーン!とストレートボールを打つイメージです」(稲見)

トップがコンパクトになって芯に当たるようになると、つかまりすぎて左に飛ぶ球が出るようになるはずです。これはスイングが成長した証なので次のステップに進みましょう。つかまった球は飛ぶのでフックを完全に防ぐ必要はありません。これまではカット軌道で左に打ち出しスライスしていたスイングを、アウトサイドへ振り出し、右へ打ち出すようにする。

フェースを返さずに振り出すのがポイントで、右方向に真っすぐ打ち出すイメージで飛ばしてください。つかまりがほどよくなって、フェアウェイのセンターをとらえるドローで飛ばせるようになりますよ。

スタンスは右に向けてしまうとつかまりすぎてしまうので、目標に対してスクエアに構える。ヘッドをアウトへ振り出し、スタンス向きより右に打ち出す

クラブをヨコではなくタテに振り抜くのもポイント。つかまりすぎを防ぎながらアッパーブローで打てるのでハイドローが打てる

稲見萌寧
●いなみ・もね/1999年生まれ、東京都出身。166cm。19年のセンチュリー21レディスで初優勝。20年はスタンレーレディスでツアー2勝目をあげた。都築電気所属。

タオル素振りでで下半身の最大パワーを引き出す

ビューン!ここで音が鳴る!(写真右)
音を鳴らすのはインパクト直後!
実際のドライバーショットもこのタイミングで振るとヘッドが走って飛ぶ

自宅や遠征先のホテルでもやっているのが、タオルを使った練習です。タオルの先端を結んで、それを思い切り振って「ビューン」と音が鳴る素振りをします。フォローでタオルを伸ばすように振りますが、上半身の力を抜いて下半身のパワーを使って振るのがポイントです。初級者は手打ちの人が多いですが、この練習を繰り返すことで腕と体が同調しつつ下半身を使う感覚をマスターできます。

しっかり右手を返してインパクト

ダウンスイングで手首のリリースが早いと、インパクト前にタオルが垂れてしまう(×)。インパクトに向けて右手を返していくと、タオルが一直線に伸びて音が鳴る(〇)

山村彩恵
●やまむら・さえ/1992年生まれ、福岡県出身。155cm。12年のプロテストに合格。20年は主にステップアップツアーに出場。サマンサタバサ所属。

右足ツマ先立ちで体が突っ込むクセを解消!

右足を後ろに引くことで、右腰が前に出るのを解消!左股関節の上でしっかり回るスイングをマスターできる

FWは女子プロにとっても難しいクラブです。その理由はクラブが長いことで軸が左右にズレやすく、その結果、打点が不安定になってしまうからです。これを防ぐために、私は右足を後ろに引いてツマ先立ちにして打つ練習をします。右足がツマ先立ちだと右にスエーしない。右足が後ろにあると、体が左に突っ込むクセも解消できます。ダフリやチョロなど、大きなミスをしやすい人ほどオススメの練習法です。

頭が上下左右に動かないように打つ

右足をツマ先立ちにしたら、頭の位置を上下左右に動かさないように意識して軸ブレを防ごう

右足は通常のスタンスから30センチくらい後ろに引いてツマ先立ちにする。前傾角度を変えずに振ることも大事

堀琴音
●ほり・ことね/1996年生まれ、徳島県出身。163cm。16年のレギュラーツアー賞金ランキング11位。復活が待ち望まれる。ダイセル所属。

イスに“座る”イメージの切り返しで“間”を作る

スイングが手打ちになっている人は、切り返しで「間がない」。私もこの「間」がなくなってカット軌道になってしまい不調だった時期がありました。そこで、切り返しの動きを意識した素振りでいい動き方に修正。ポイントは、切り返しの瞬間に思い切ってお尻を沈めることで、左のお尻を高めのイスに腰掛けるイメージの素振りをする。切り返しに間ができて、クラブがインサイドから下りてくるようになります。慣れてきたら、このイメージで実際に球を打ってみるのもアリですよ。

切り返しで左に踏み込むときに深く沈み込んで「間」を作り、そこから左ヒザを伸ばしながら振り抜く

切り返しに「間」がないと、手打ちのカット軌道になりやすいので注意が必要

沈み込む動作でクラブが落下する

座るように沈み込む動作によって、クラブが真下に落ちる。クラブをインサイドに振り下ろせる

臼井麗華
●うすい・れいか/1998年生まれ、栃木県出身。158cm。18年にプロテスト合格。ツアー本格参戦2年目の20年は9試合に出場し、7試合で予選突破。ディライトワークス所属。

「面」を感じて体と腕の動きをそろえる

ショットがバラついてスイングに悩んだとき、私はクラブをテニスラケットに持ち替えて、ミート中心の練習を繰り返します。フェース面が大きいテニスラケットなら「面」を意識しやすく、スクエアなインパクトを作りやすくなるからです。ポイントは手打ちにならないように、体と腕の動きをそろえて、面の向きをできるだけキープすること。クラブを持ったときも、このイメージで「面」を感じながら振れば、手首の余計な動きがなくなるぶん、シンプルなスイングで真っすぐ飛ばせるようになりますよ。

テニスラケットで左右それぞれの片手打ちと両手打ちを行う。体の回転と腕の振りをそろえて面の向きをキープする

ラケットを振るように「面」を感じながらスイング。フェースローテーションが一定になり、ミート率がよくなる

西山ゆかり
●にしやま・ゆかり/1982年生まれ、神奈川県出身。162㎝。15年のmeijiカップでツアー初優勝。21年は4年ぶり3勝目を目指す。アマダホールディングス所属。

左ワキに手を挟んで手元が浮くのを抑える

シャンクはこれだけで直ります!

練習やラウンドで急にシャンクが出るのは、インパクトで手元が浮いてしまうのが主な原因。そういう人は、普段の練習からシャンクが出にくい動きを身につけてください。左ワキに手を挟んだら、ハーフスイングを繰り返しましょう。私はこれで実際にボールを打ちますが、慣れない人は素振りだけでも十分効果があります。ラウンド中にシャンクが突然出たあとも、この素振りで修正できますよ。

左ワキに右手を挟んだまま、腰から腰くらいの振り幅でスイング。実際に球を打ってもOK

ダウンスイングで左ワキが開いて手元が前に出るのがシャンクの原因のひとつ。クラブが寝るのでダフリの原因にもなる

左ワキにテンションをかけて素振りをする

クラブを体の正面に保ったままボディターンでスイング。写真のように手元が腰の正面にあるフィニッシュを目指そう

右手を左ワキに挟んでスイング。手元が浮くのを防げる。ワキを強く締めるのではなく、軽く内側にテンションをかける感じでOK

いかがでしたか? レッスンを参考にして、スイングを意識した練習をしてみてください。

工藤遥加
●くどう・はるか/1992年生まれ、埼玉県出身。171cm。11年プロテスト合格。同年の新人戦で優勝した逸材。セガサミーホールディングス所属。

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