アイアンショットで飛距離が出ない人は要注意!ミスの原因と解消法をレッスン

ショートアイアンほど飛ばない人はいませんか?飛ばないのは、打つ方向が間違っている可能性があります。

そこで今回は「どう意識してどの方向で打つのか」をプロコーチに解説していただきました。

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ショートアイアンほど飛ばない人は要注意

“上”に飛ばすのは不正解!

近ごろのアイアンはロフトが立ってきているので、9番アイアンは”ドライバーの半分以上の飛距離”が出るのが自然、となっています。

しかし、アマチュアの多くはそれほどの飛距離が出ておらず、とくにショートアイアンではそれが顕著にあらわれる。これはスイングのエネルギーをターゲット方向にうまく伝えられていないのが原因で、フェースが開いたり、体重が右に残っているためインパクト時のロフトが増えすぎて、力のないコスリ球でボールが上方向ばかりに飛んでしまう弾道になっています。

アイアンこそロフトを立てて球を「前」に飛ばす技術が重要。それは、飛んで止まるショットを打つ秘けつにもなります!

エネルギーを”前”に向ければ飛んで止まる!

思い当たりませんか?

●球が高くて飛距離が出ない
●ダフリのミスが多い
●プッシュスライスが多い
●ショートアイアンでショートしがち

インパクトでロフトが増えると、打球が上方向にばかり飛んでしまう。ダフリやすくもなり、これらはロフトが寝た番手ほど顕著に出る

原因1:手首の使い方が悪くフェースが開いてしまう

左手首が背屈する方向に手首を使うと、フェースが開いてロフトが増えてしまう。球がつかまらず右へ飛ぶミスが起こりやすく、適正な飛距離も出にくい

原因2:右に体重が残って最下点が手前にきてしまう

ダウンスイングで左に乗れず右体重のままインパクトを迎えると、最下点がボールの手前にくるのでダフリやすい。ロフトも増えがちで球が上がりすぎて飛ばない

手首は「ヒンジ」の動きを重視する

先に「この形」を作ってあとは体を回すだけ!
バックスイングの始動でまずは手首をヒンジング。
アーリーコックで手首の形を完成させてしまうのがポイントだ

アイアンショットを前に飛ばせない理由のひとつは、手首の使い方にあります。手首のコッキングをタテ方向に使いすぎると、バックスイングで左手首が背屈しやすく、フェースが開いてしまうのです。

これは、アイアンは「上から打ち込むもの」というイメージからスイングが過剰にアップライトになったり、手首を正しく使えていないのが原因。手首はもっとヨコに「ヒンジの動き」でヨコ方向に使ってください。

バックスイングでは右手首を甲側に折るイメージで、始動の際はまずはこの手首の動きを行なう。アーリーコックで形を先に作ってしまいましょう。

あとは体を右に回せばOK。少しコンパクトに感じるくらいがちょうどいいトップです。

「タテコック」だとフェースが開いてカット軌道になりやすい

ヨコ(左)、タテ(右)

手首を親指方向に折る「タテコック」主体で振り上げると、左手首が甲側に折れて(背屈)フェースが開きやすい。必要以上に軌道がアップライトになり、カット軌道にもなってしまう(x)

右手首を甲側に折って始動する

バックスイングでは、右手首が甲側に折れる「ヒンジング」の動きを主体に使う。フェースが開かずややシャットに、クラブがヨコ方向に上がっていくイメージ

手首を親指方向、タテにコッキングするとフェースが開きやすいので注意

ボールを“ビンタ”するイメージ

ヒンジング主体のリストワークは、ボールを右手のひらでヨコから「ビンタ」するイメージ。バックスイングで手首が正しい方向に動けば、ダウンスイング時のリリースも自然に行なわれる

「頭を残す」という教えは忘れよう!

右サイドを下げずに左に“突っ込む”
切り返しの際は右肩の高さが重要。
右肩を下げずにトップでの位置を保ち、上体を思い切って左に突っ込んでいく
Top(左)/DownSwing(右)右肩を高い位置にキープ!

ボールを前に飛ばすためには、ダウンスイングでしっかりと左への体重移動を行なうことが不可欠です。

「ビハインド・ザ・ポール」とか「頭を残せ」というレッスンの慣用句に引っぱられると、左に乗れずに右に体重が残ってしまうケースが多いのですが、アイアンはインパクトでは頭がアドレスの位置に戻るか、場合によってはそれより少し左に動くくらいでOK。切り返すときに右肩を高い位置に保ってさえいれば、多少「突っ込む」くらいの感覚でいいのです。

ポイントは左カカト側に踏み込むこと。体重がツマ先側に乗ると体の回転を阻害しやすく、結果的に体が浮いてしまうことがあるので注意してください。

切り返しで頭をアドレスの位置に戻す

頭の位置は、パックスイングでは多少右に動いてOKだが、切り返しではアドレスの位置に戻るか、それよりも若干左に突っ込むところまで思い切って左に動かそう(写真上)。鏡を見ながらの素振りで、頭の位置をチェックするのもオススメだ(写真下)

Point1】踏み込む方向は左足のカカト側

左足のツマ先側に乗ると体が回りにくく、動きが詰まって伸び上がってしまう(右)

切り返しで左へ体重を移すとき、踏み込む方向は左足カカト側へ。これによって骨盤が左に切り上げられ、フォローでスムーズに体が回っていく

【Point2】右ツマ先の向きを変えずに右ヒザを伸ばす

踏み込んだあとは、右ヒザを伸ばすように右足を蹴って、しっかり体を左に押し込んでいく。このとき右ツマ先の向きが変わらないようにすると体が開きにくくなる

右ツマ先の向きが変わると、右足が前に出て軌道が乱れてしまう

右腕を押し込んでボールの先のターフをとるように打つ

インパクト前後で両腕を内側に絞り込む
右腕を内旋させながら押し込むが、左腕もやや内旋方向にテンションをかけ“ぞうきん絞り”のように力を使おう

手首のヒンジングによるバックスイングと、切り返しでの左への体重移動ができれば打球を前に飛ばす準備は整いますが、最後にインパクト前後でロフトを立てつつ、ボールを押し込む腕の使い方をつけ加えましょう。

これは右腕を内旋しながら左下に押し込んでいくことがポイントですが、これと同時に左腕にもそれを受け止めるようなテンションが不可欠。たとえるなら、インパクト前後で”ぞうきんを絞る”ような動きが近いと思います。

これらができているかどうかを確認するには、左足1本で立って球を打つ練習が効果的です。右足を1歩引いて体重が乗らないようにツマ先立ちにしたまま、左足1本で立ってハーフスイングで球を打ちます。バランスを崩さずに左足の真上に乗ったままスイングし、インパクトで”ぞうきんを絞り”の動きができれば、低く強いつかまった球が出るはずです。

右腕を内旋させながら左下に押し込んでいく

ダウンスイングからインバクト直後にかけては、右腕を内旋させながら押し込んでいくとロフトを立てて当てられる。右手のひらが左斜め下を向くようにつき出していくようなイメージだ

すくい上げるように腕を振るとロフトが増えてしまう

Dril】「左足だけで立って打つ」が最高の練習法

右足を引いて左足1本で立って球を打つ練習が有効。左足の真上に体の重心を置き、体重移動をしない。バランスを崩さない範囲でコンパクトにスイング。”ぞうきん絞り”も忘れずに

腕の絞り込みがない(左)、右足を使ってしまう(右)とうまく打てない

いかがでしたか? 前に打てるよう何回も練習しましょう!

レッスン=樋口貴洸
●ひぐち・よしひろ/1997年生まれ、埼玉県出身。PGAティーイングプロ。インドア施設「GOLF LOUNGE BeBe」(東京都中央区)で代表を務めるほか「Golf&Fitness Point芝浦」でもアマチュアを指導中。7番アイアンは通常キャリー175ヤードだが、+15~20ヤードまで飛ばせるテクニックをもつ。

構成=鈴木康介
写真=田中宏幸
協力=取手桜が丘GC(アコーディア・ゴルフ)

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