風を感じたときの対処法!スイングも弾道も「強く」する意識はNG

フォローやアゲンスト、横からの風は、大きなアレンジは必要ないが、小さな工夫は不可欠!風を感じたときの対処法、教えます!

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うわっ!すっごい強風!風に乗せる高い球狙いでいいかな?

スイングも弾道も「強く」する意識はNG!

体が左に傾くとバックスイングが回転不足になり、ダウンスイングの軌道がアウトサイド・インになってしまう

アゲンストの風を感じると「風に押し返されない球を打たなければいけない」と考えがち。そのため「風の下を通す低く強い弾道」を狙って、体を左に傾け、左足に体重を多く乗せた構えをとってしまう人が多いようです。しかし、この構えはアウトサイド・イン軌道になりやすく、インパクトでフェースが閉じると引っかけたり、開くとスライスが出てしまいます。

また、体が左に傾くとトップが浅くなりがちなので、さらにアウトサイド・インの度合いが強くなる傾向がある。すると、弾道が高く上がっても右に曲がりながら風に押し戻される「弱い球」が出てしまうのです。強い球を打とうとして、リストを強く返すのも要注意。ボールを捕まえようとして左に傾いて打つと、大きく左に引っかけやすくなります。風が吹いていても「強く」という意識はもってはいけません。

苦手克服1|低い球で風の下を通す

ミスのパターン:球の高さを抑えようとして体が左に倒れてカット打ち

弾道を低く抑えようとして、体を左に傾けて構えるとバランスを崩してしまう

アゲンストの風に負けない球を打とうとリストを返した結果、引っかけた

体の正面で腕をねじってインパクト

強風は、強く打ちたくなってリストを使いがち。手首を返すように使うのはOKですが、大ケガにならない対策を覚えておきましょう。左右均等の体重配分にして目線を水平にして構えると、右肩が左肩より少し低くなりますが、感覚としては上半身が垂直になるぐらいでOK。そのうえで、この垂直をブラさずにスイングしましょう。インパクトゾーンでは体を正面に向けながら腕をねじると、大きく曲げずに強い球が打てます。

打ち出しを抑えるために少し低めにティーアップしてもいいが、上から打ち込まず、水平に振ることを心掛ける

体を正面に向けた状態で腕をねじったら、クラブと一緒に体を回していこう

苦手克服状況2|強烈なアゲンスト

ミスのパターン:「ボール右&低ティーアップ」はヘッドが上から入ってフケ上がる

ボールを右に置いたり、低めにティーアップして低く打つ方法は、アゲンストには向かない

低く打つために、ボールを右に置いたり、低くティーアップする方法があります。しかしこれも、左に傾いた構えになってしまう罠。インパクトでヘッドが上から入るため、スピン量が増えてフケ上がり、アゲンストの風に負けてしまいます。

風に乗せつつロースピン、高弾道で飛ばす

芯より上にボールが当たると、ロフトが増えて打ち出しが高くなる。スピン量も減るため飛距離が伸びる

風がフォローなら普通に打っても距離は伸びますが、ティーアップを少し高めにして風を利用してもっと飛ばす方法もアリ。アドレスやスイングは状況1〜2と同じです。左右均等の体重配分で体を傾けずに構えたら目線は水平にして、レベルブローでヒットしましょう。高めにティーアップしても下から上へ振るのはNG。レベルブローでヘッドの芯よりも少し上めでヒットすればスピンを増やさずに、打ち出しを高くできます。

高く打ち出そうとすると目線が上がるが、地面と水平な目線で構える

苦手克服状況3|強めのフォロー

ミスのパターン:球を風に乗せようとして下からあおってダフる

高く打ち出そうとして体が右に倒れて、ボールの頭を叩いてしまった

フォローは、ボールを風に乗せると飛ぶので高く打ちたくなります。しかし高く上げようとすると、体が右に倒れてスイングの最下点が右にズレる。ダフリやトップが出てしまい、狙いどおりに風を利用できません

いつもと同じ弾道をイメージしながら影響するぶんを計算

①風を計算して狙う方向と実際に飛んでいく弾道、②イメージするのはいつもどおりのスライス弾道
狙う方向は、風に流されて曲がり幅が小さくなった①。打つときにイメージするのは②の弾道

横風の場合、打球の曲がり方によって飛距離に差が出てしまうので、風の吹き方に応じて番手を変えることが大切です。右からの風に対してフェード、またはスライスで狙う場合は、1番手アップが必須。なぜならば、右からの風に対しての右曲がりの球筋は、風にぶつかるためにアゲンストに打っていくことと同じになるためです。

右に曲がる幅も小さくなることにも注意してください。これらを計算して打ち出す方向と飛距離を合わせましょう。ただし、弾道はあくまでも「結果的にそうなる」ことが大事。意図的に曲がり幅を抑えようとすると、スイングが変わって予想外のミスを招いてしまう。普段どおりのスイングで普段どおりのスライスを打ってください。

右からの風はフェード系の球筋は飛ばない、ドロー系は飛ぶ

いつもの弾道をイメージし、いつものフィニッシュの形をとることを心掛ける

右からの風は、フックボールなら1番手落とし、スライスなら上げる

苦手克服状況4|飛距離が落ちる右からの風

ミスのパターン:右からの風でのスライスは飛距離が大きく落ちてしまう

スライスは右からの風にぶつかるため、飛距離が伸びずにショートする

右からの風は、スライサーにとってやっかいな風です。フックやドローは風に乗って飛びますが、フェードやスライス系の弾道はアゲンストに向かって飛ぶことになる。そのため、ボールが押し戻されて飛距離が伸びず、大きくショートしてしまいます。

曲がり方が安定するスイングを身につける

インパクトゾーンで腕をねじって、右手が左手を追い越すように振る。インパクトで体が開いたり左に突っ込んでしまうとヘッドが返りすぎてしまうので、体を正面に向けながら返そう

風の吹く日は、強い球が有効なことは間違いありません。これは本番でいきなりではなく、普段から練習しておくことが大事です。フェースを返してボールを捕まえて打つのが打球を強くするコツ。フェースを返すには、右手が左手を追い越していくように腕をねじる動きを強めます。状況2で説明したように、体の中心を左右にブラさず、体を正面に向けながら両腕をねじるように使うのがカギです。ターゲットラインよりも右に打ち出し、ラインに戻ってくる球をマスターしておきましょう。

右に打ち出し、ターゲットラインに戻ってくるドローは風に強い球。曲がり方が一定になる腕のねじり方を知ろう

いかがでしたか? レッスンを参考にして、スイングを意識してみてください。

レッスン=畑井悠佑
●はたい・ゆうすけ/13歳でゴルフを始め、大学卒業後にレッスン活動を開始。「感動のあるレッスン」を信条に、気持ちいい動き方を身につけさせる指導を心がけている。GPC恵比寿在籍。

モデル/大内慶軌さん
31歳、170cm、63kg。ゴルフ歴1年で100切り達成。スコアも飛距離も伸び盛り。風邪を利用してでも自己最高飛距離を記録したい!

構成=長沢潤
写真=高橋淳司
協力=サザンヤードカントリークラブ

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