
アマチュアはスイングよりも〝頭と気持ち〞のレッスンが先!
〝なっち先生”こと大谷奈千代が、コーチに転身して気づいた「プロとアマチュアの考え方の違い」は、スイングの改造や強化以上にスコアアップの効果がある。そこで「頭と心の中を変えるレッスン」を毎月掲載!
風対策は「+ピン位置」のチェックでスコアアップ!

今月は“風”のお話です。プロや上級者は微風でも「風読み」は、ショット前に必ず行なうルーティンワークのひとつ。今年は2月も、でしたが、季節の変わり目の3、4月は風が強く吹く時季なので、みなさんも風の強さや向きの確認を習慣化してください。
風読みは、ティーショットだけでなく2打目以降、とくに「グリーンを狙える状況」になったときは“飛距離”への影響を気にします。なぜならば、グリーンオンには狙った飛距離をきちんと打つタテの距離が大事であるとともに、グリーン近くの手前と奥にはバンカーやOBなどスコアを崩しやすい罠が多いからです。
距離感に影響する風といえば、フォローとアゲンストですよね。これは、フォローであれば番手を下げる、アゲンストであれば番手を上げるのが一般的な対策法。でも、グリーンを狙うときは“ピン位置”と“ボールの落としどころ”も計算に入れてください。「フォローでピンが奥」は番手を下げて風に飛ばしてもらいますが、ピンまで届かなかったとしてもピンの手前の広いエリアにナイスオン。
「アゲンストでピンが手前」は向かい風で飛ばなくなるぶんを考慮して番手を上げますが、飛びすぎてもピンの奥の広いエリアにナイスオン、となるので、このふたつは攻めやすい状況となります。反対に攻めにくいのは、前出の反対の状況で「フォローでピンが手前」「アゲンストでピンが奥」です。フォローだから番手を下げたけどピンが手前だったからグリーンまで届かなかった、アゲンストだから番手を上げたけどグリーンよりも奥まで飛んでしまったというケースがよくあります。
この攻めにくい2パターンは、ピン位置を気にせず、グリーンを広く使えるグリーンセンター狙いが得策だと思います。このように風と合わせてピン位置と、そのピンからの手前エッジと奥エッジまでの距離も測って狙いと番手を決める。このマネジメントは、徹底すればするほどスコアアップに結びつく。戦略でグリーンオンの確率を上げましょう!
いかがでしたか? これからの季節のプレーに欠かせない風読みを意識してみましょう。

大谷奈千代
●おおたに・なちよ/1984年生まれ、兵庫県出身。05年のプロテストに合格。ステップアップツアー2勝、11年には賞金シードを獲得。現在はレッスンにやりがいを感じ、コーチに転身。アマチュアやプロの卵を精力的に指導している。