
プロが教える苦手克服方法!ミート率を上げるには?
練習もラウンドも〝なんとなく打つ〞では、うまくならない、成功しない!
とくに苦手なショットは「あれをやってみよう、試しみよう」とテーマをもって挑むのが克服の近道!
その〝テーマ〞と〝閃き〞を与えるワンポイントレッスンを毎号お届け。
次の練習やラウンドで早速、実践してみよう!
【ドライバーの苦手克服】ミート率を上げる

トップポジションは、両手が時計の文字盤の11時から12時ぐらいの間にあるのが理想です。
それ以上大きく上げると、ボールと目の距離が離れすぎてオーバースイングになってしまうので、下半身の動きを抑えて防ぎましょう。
また、体が硬い人が無理に状態を捻転すると起き上がって、ボールに対する目線が変わってしまう。
これもミスの原因となるので、その場合は右足をうしろに引きましょう。肩が回りやすくなります。
〝目線を変えない〞ことも大切!
インパクト時に、アドレスと同じ位置へクラブヘッドを戻せないのもミスショットの原因のひとつ。これは、バックスイング中の目線の向きと、ボールの目の距離を大きく変えないことが解決のカギだ。
両手の位置は時計の文字盤の11時と12時の間

ドライバーショットはヘッドを走らせたいので、両手を時計の文字盤の11時〜12時の間まで上げたい。クラブを持たなくてもいいので、つねに鏡などで手元の位置をチェックしよう
下半身の動きすぎはオーバースイングになってしまう

下半身が動きすぎると、オーバースイングになりがち(×)。ボールと目の距離が大きく引き離れるので、インパクト時にヘッドをアドレスの位置へ戻しにくくなる。そういう人は、バックスイングではできるだけ下半身の動きを抑えよう(◯)
スエーも目線が変わる原因のひとつ

右足に体重を乗せようと意識しすぎると、体全体が右サイドに移動してしまいスエーが起こる(×)。これも目線が変わってしまうので、バックスイングでは体の軸を中心に体を回す意識をもつのが◯
体が回りにくい人は右足を引く

右足をうしろに引くと体を右に回しやすくなるので、体が硬い人でも上体をしっかりと捻転させられる

レッスン=阿河 徹
●あが・とおる / 1976年生まれ。米国にてゴルフスイング理論、ゴルフ経営学を学ぶ。UFGTF資格取得。帰国後、内藤雄士ゴルフスクールにてレッスン活動を行なう。2012年独立後、男女ツアープロのコーチとしてツアーに帯同。50人以上のプロゴルファー、3万人以上のアマチュアゴルファーを指導している。
【ドライバーの苦手克服】打球方向を安定させる

ドライバーが右にも左にも飛んで行く人のパターンは、ほぼ決まっています。
まず、ボールを右に打ち出してスライスする人は、そもそも右サイドを向いて構えている。にもかかわらず、スライスするのを嫌がり、体の左サイドに向かってクラブを振り抜くと、ボールは左サイドに真っすぐ飛んでいく。これは、体のラインと振り抜くラインが交差しているのが方向性を悪くする原因。
大切なのは、目標に対して体のラインをスクエアに合わせ、そのラインに対してクラブを振り抜くことです。
ボールのうしろに立って〝2本のライン〞をイメージする!

ドライバーが右に大きくスライスしたかと思えば、左サイドに向かって真っすぐ飛んでいく球も出る。仕方がなくフェアウェイの真ん中を狙って構えるものの、打球が曲がってラフに……。
そんな安定感に欠ける人は、ボールの後方に立ち「2本のラインをイメージする」のがオススメだ!
1本のラインだと左右に打ち出してしまいがち

単純にボールと目標を結んだ1本のラインだけでは不十分。そのラインに対してスクエアに構えているつもりでも、右を向いてしまうことが多く、それが原因でボールを真っすぐ打ち出せなくなっているケースが多い。
〝デンジャラスライン〞と〝セーフティライン〞2本の線をイメージする

たとえば、右サイドがOBの場合。これ以上、右に打ち出したらOBゾーンまで飛んでしまう〝デンジャラスライン〞を最初に決める(写真・左)。
次に、そのラインよりも左を向く〝セーフティライン〞を決める(写真・中)。あとは〝セーフティライン〞に対してフェースと体のラインをスクエアに合わせるだけ(写真・右)。〝デンジャラスライン〞があることで、自分がきちんと安全なほうを向いているかがわかりやすくなる

レッスン=森山 錬
●もりやま・れん / 1996年生まれ。レッスンは3カ月先まで埋まっている大人気プロ。平均飛距離300ヤード以上のドライバーショットを放つ。Instagram(@rengolf_54)で配信中の動画も大きな話題を呼んでいる。著書に「ゴルフは右手の使い方だけ覚えれば上手くなる(日本文芸社)」。Futako Golf Club主宰。
【アイアンの苦手克服】ツマ先上がりからナイスオン

ツマ先上がりのライは、ボールが足元よりも高い位置にあります。したがって、平地から打つときよりもクラブを短く持ちましょう。どらぐらい短く持つかは傾斜の度合によって変わりますが、ボールの位置が高くなればなるほど短く持ちます。
ボール位置はスタンス中央、体重配分は左右均等ですが、ツマ先やカカトに体重が乗りすぎないように気をつける。クラブを振ってもバランスを崩さない、安定する重心位置を自分なりに探しましょう。
〝手打ち〞が基本!飛距離は2、3番手落ちると計算する
ツマ先上がりのライから打つ際に考えることは3つ。「クラブを短く持つ」「右肩から左肩までのスイング」、そして「目標の右を向いて構える」だ。大切なのは無理をしないこと。グリーンに乗せるよりも近づけることを優先しよう。
ボールが足元よりも高い位置にあるぶん短く持つ


目標の右を向いて構える

ボールが足元より高い位置にあるため、フェース面が目標の左を向く。さらに、ヨコ振りになるのでボールがつかまりやすく、左へのフックが出ると考えよう。そのため、目標の右を向いて構えるのが得策。
また、ボールが落ちてから転がる距離が長くなるので、グリーンを直接狙わず、手前から転がしていくイメージをもって打つ
スイング幅は右肩から左肩まで

フルスイングすると、バランスを崩してしまいミート率が下がる。振り幅は右肩から左肩までの大きさに抑え、スイング中は体重移動を行わず、体も大きく回さない。
腕だけを振る手打ち気味のスイングでOKだ。そのぶん飛距離は落ちるので、2番手、場合によっては3番手上げよう

レッスン=大庭 啓
●おおば・あきら / 1969年生まれ。芹澤信雄が主宰する“チームセリザワ”の一員。2000年のプロテスト合格。2010年から藤田寛之のスイングサポートコーチを務め、賞金王のタイトル獲得に貢献。海外メジャーにも同行し、サポート。アマチュアへのレッスンも精力的に行なっている。
【アイアンの苦手克服】ツマ先下がりからナイスオン

ツマ先下がりのライもツマ先上がりと同様に、ボールをスタンスの中央にセットし、左右均等の体重配分で構えます。
注意点は重心をカカト寄りに乗せすぎないこと。カカト体重になるとクラブヘッドのトゥ側が浮くので、インパクトでヘッドがヒールから着地してしまう。すると、そこ(ヒール)が支点となってフェースが急激に返り、思わぬ引っかけが出てしまうので、アドレスではトゥが浮かないように構えましょう。
〝トゥが浮かない〞ようにソールするのがうまく打つコツ!
アベレージゴルファーには難しいツマ先下がりのライ。その難しさを少しでも軽減するには、クラブヘッドのトゥが浮かないように構えること。ソールが芝の上を滑るのでフェ―スが返りにくく、引っかけを防げる。
カカト寄りに重心を乗せすぎない

カカト寄りに重心を乗せすぎると、ヘッドのトゥ側が浮くので注意(×)。ソール全体が接地するように構えるのが正解(○)

右肩から左肩までの振り幅を厳守

傾斜地からのショットは、飛距離よりもミートが優先。したがって、大振りは禁物。体重移動を行なわず、振り幅は右肩から左肩までがMAX。スイングするとバランスが崩れて、軸が前後左右に傾いてしまうときは手打ち気味のスイングでもいい

あえてクラブを短く持つ

ヘッドに近いところを持ったほうがミスの確率は低くなる。ツマ先下がりのライでも、あえてクラブを短く持つ。それではヘッドがボールに届かないと思うなら、ヒザを深く曲げることで対応しよう(写真・左)

レッスン=大庭 啓
●おおば・あきら / 1969年生まれ。芹澤信雄が主宰する“チームセリザワ”の一員。2000年のプロテスト合格。2010年から藤田寛之のスイングサポートコーチを務め、賞金王のタイトル獲得に貢献。海外メジャーにも同行し、サポート。アマチュアへのレッスンも精力的に行なっている。
いかがでしたか? 自身の課題に合ったテーマを練習やラウンドで実践してみてください。
構成=山西英希、編集部
協力=井山ゴルフ練習場、Futako Golf Club、 富士平原ゴルフクラブ
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