ミスの原因はルーティーンのせいかも?打つ前の準備を見直してスコアアップ

ベストスコア更新のために大事なことは?と、新世代のカリスマコーチ・兼濱開人に尋ねると「打つ前の準備ですね」と即答!

スイングをはじめるまでの“ルーティン”の手順を変えたり、徹底することでナイスショットが激増する!

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練習でも1球ごとに“ルーティン”を大事にする

私のレッスンは打ち方よりも準備を重視しています

「練習しているのにスコアがよくならない」と悩んでいるアマチュアゴルファーは、練習場と本番で同じスイングができていない可能性が高いです。

私のレッスンでは練習でも本番のコースと同じように1球1球のルーティンを徹底させます。もちろん打ち方も教えますが、ルーティンを教える時間のほうが長いくらい。日ごろの練習からルーティンを体に覚えこませると、本番でも練習場と同じスイングができるようになる。ラウンドでもスイングがキレイになり、スコアもよくなります。

このルーティンですが、じつはドライバーとアイアンで目的が異なる。その違いや効能をイチから解説・レッスンするので、次のラウンドからぜひ取り入れてください。

朝イチが苦手な人は「ヨコから入る」のが原因かも⁉

「絶対にダメなミス」を避けて打つ
1番はOB、次が池、3番目がバンカーというのが「ダメなミス」の基本的な順番。
この順番で「絶対に避ける戦略」を考えることも重要

ドライバーのルーティンで気をつけないといけないのは「固まる」「ヨコから入る」です。とくに朝イチのティーショットでミスをする人は、このふたつが原因となっていることが多い。

私が生徒に教えているルーティンは、まずはティーイングエリアの後方、もしくは斜め後方から入ります。そして連続素振りを2回。そのあとに、ボールの真うしろからもう1度コースを確認。そして、スタンスをとる前にフェースをセットして、最後にスタンスを決めます。

理想はティーイングエリアに入ってから打つときまで「ずっと動き続ける」こと。打つ直前まで手首や足をワッグルしていたほうが、体が硬直しないのでナイスショットが打てる。3秒以上固まってしまうのは絶対にNGです。

Step1:最初に連続素振りを行なう

連続素振りをすると手首をやわらかく使える。ダウンスイングで右手をリリースする感覚をつかもう

Step2:ボール後方からターゲットを確認

後方から弾道をイメージ。イメージどおりに打てなくても結果と正解の「答え合わせ」をすると上達につながる

Step3:スタンスする前にフェースをセット

アドレスをとる前にフェース向きをセット。向きを正す目安となるスパットを見つけて合わせる習慣をつけよう

Step4:両足をセットして手や足をワッグルさせる

フェースの向きを合わせてからスタンスの幅や向きをセット。打つ直前にワッグルとターゲットを最終確認する

凡ミスを生むダメなルーティン3大パターン

ティーリングエリアのヨコから入ったり、ボールをヨコからセットすると視界が狭く感じる。打つボールとまったく違う位置での素振りもNGだ

仮想のボールをイメージしない素振り

ボールをヨコからセットする

ヨコからティーイングエリアに入る

スイング中も右手を使うイメージを出せる

アイアンのルーティンにはドライバーとは別の準備が必要。
兼濱が「右手から入ってください」と語るその理由は?

アイアンでもドライバーと同じように連続素振りをして、ボール後方から目標を確認する流れは同じですが、アイアンはドライバーよりもグリーンをとらえる方向性とロフトどおりの弾道を打つことが大切になります。そのために、フェースを右手1本でセットするルーティンを行ないましょう。

私のレッスンでは右手を主体に使うスイングを推奨していますが、右手1本でアドレスしたほうが右手を使うフィーリングを出しやすくなる。それは「アドレスでも」で、右手から入るとフェースはスクエアに、ロフト角も設定された角度どおりにセットできます。

また、目標(グリーンやピン)を確認するときの視界が広くなるので、いいイメージをもって打てるのも右手から入ることのメリットになります。

連続素振りと後方からの確認は同じ

アイアンの素振りではソールの当たり方をチェックしながらライと抜け感を確認する。空中での素振りは意味がない

【〇】右手から入る
シャフトがストレートになり正しいロフト角に

Step1:足を閉じて右手でフェースをセット

両足をそろえて右手を体の真ん中にセットすると、ロフト角どおりの角度で構えられる

Step2:両手でグリップして構える!右手が主役

左手は右手にかぶせるように上から握る。右手の角度やヘッドのポジションは変えない

Step3:ロフト、ライ角を変えずにアドレス

右手1本で構えたところから右手の位置、シャフトの角度を変えずにスタンスを広げる

【✕】左手から入る
ハンドファーストになり過ぎて低い球に

手元のポジションが左側になる

左手から構えると、手元の位置がセンターではなく、左サイドに寄ってしまう

両手をセットしたときにロフトが立つ

左手に右手を合わせると、極端なハンドファーストになってロフト角が立ちすぎる

ハンドファーストになりすぎてしまう

極端なハンドファーストの構えは、飛ぶけどグリーンに止まらない弾道になりがち

下半身を安定させる「腰を落とす」は逆効果!

写真上:ツマ先下がりの傾斜にそってソールをセットすると
フラットな角度になってフェースが右を向く
写真下:フェースが自然に右を向くので目標方向を左に調整することで真っすぐ飛ばせる

アマチュアがもっとも苦手とするライのツマ先下がりも、正しく構えるルーティンを覚えれば決して難しくはありません。

ツマ先下がりはライに対してソールが引っかからないように、少し手元を高くしてフラットに構える。ただし、フラットに構えるとフェースが少し右を向くので、目標を左に設定するのがツマ先下がりでの正しいルーティンワークです。それだけで抜けがよくなって、ナイスショットの確率が格段に上がります。

ダメなのはツマ先下がりだからといって、腰を落として構えること。腰を落とすとアップライトな構えになるので、ソールが引っかかってしまいます。

ツマ先上がりはその逆。アップライトに構えたうえで、やや右を向くのが正しいルーティンからのセットアップになります。

斜面にそってソールを合わせるややハンドアップに構える

フェースの向きからセットするとハンドアップな構えになるがこれが正解。素振りするとソールがきれいに抜ける当たり方をする

ツマ先下りのライでも、ソールと傾斜をピッタリ合わせればダフらない

腰を落としてアップライトに構えるのはNG

下半身を安定させようとして腰を落とすとハンドダウンの構えになり、アップライトなスイング軌道で打つとミスしやすくなってしまう

傾斜面とソール面の角度を合わせないと、フェースの向きもズレる

ツマ先下がりでトゥ側が浮いた構えになると、インパクトでヒール側が引っかかってしまう

ツマ先上がりはアップライトに構えて右を向く&2番手上げる!

ツマ先上がりは飛距離を出しにくく、少し短く握るので2番手大きいクラブを選択

傾斜に合わせてソールをセットするとアップライトな構えになってフェースが左を向く

左を向いたフェースを調整するために、打ち出す方向は目標よりも右にする

いかがでしたか? レッスンを参考にして、ぜひ練習してみてくださいね。

レッスン=兼濱開人
●かねはま・かいと/1990年生まれ、沖縄県出身。人気プロコーチ森守洋の一番弟子としてゴルフの原理原則を深く学び、都内にレッスンスタジオを開校。今回のプレショットルーティン以外にも素振りなど「打つ前」の上達法の引き出しを数多くもつ理論派コーチ。

構成=野中真一 
写真=田中宏幸
協力=日神グループ 平川CC

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