アプローチで狙った距離を打ち分けるには?「タテのズレを最小化すべし」

アプローチの距離感を養う、意図した飛距離を打つには「出球の高さ」が大きくかかわってきます。振り幅の小さいアプローチで距離感を出すには、スイングの大きさやスピードも大切ですが、これらは出球の高さをイメージすることでコントロールできる。

この「出球の高さ」を考えることが先決ですが、思ったとおりの高さが出ない、出せない原因は”ライ”です。ライによってどんな球が出やすいのか?どんな高さで打てば寄るのか?ライごとに適した打ち方、出球の”高低”をしっかりつけて、寄せワンの数を増やしましょう!

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ヨコよりもタテのズレを最小化すべし

アマチュアの平均パーオン率は40%以下なので、必然的にグリーンまわりからアプローチする機会が多くなる。つまりアプローチをいかに寄せるかがスコアメイクのカギなのだ

一般アマチュアのスコアアップで強化したいのは「アプローチです!」と声を大にしていいます。なぜならば、アマチュアのパーオン率は40%以下。そのためスコアメイクのカギとなるのは「グリーンまわりからいかにピンに寄せられるか」になるのです。

寄せるためにもっとも重要なのは「距離感」です。短い距離を打つアプローチでは、左右に5ヤード以上ズレることはほぼありませんが、大きくショートしたりオーバーするのは誰にでも経験がある。

このタテのズレをいかに埋めるかが”アプローチ巧者”になれるかの別れ道で、そのために意識と強化してほしいのが「出球の高さのコントロール」。コントロールできるようになると、キャリーとランの割合が明確になって距離感が抜群によくなります。

アプローチの”ズレ幅”はタテ距離のほうが大きい!

タテのズレ
ヨコのズレ

だから!アプローチは「出球で距離感をコントロールする」ことが重要!

ライの見極めで出球の高さをコントロールする

高い球、低い球

アマチュアの場合、出球は「高い」と「低い」の2種類があれば十分です。それをどのように打ち分けるかを考えたとき、方法は「番手で」と「打ち方で」の2つが思い浮かぶと思います。さて、どちらが正解か・・・・・・。答えは「両方」です(笑)。どちらか一方で解決できないのがゴルフの奥深いところですからね。

「番手」と「打ち方」、このふたつを正しく決めるのに、大きな要素となるのが”ライ”。このライで真っ先に観察してほしいのは「ボールの下に隙間があるか」。そして「芝が絡みやすいか」をチェック。これによって打ち方と、出やすいポール=”高さ特性”が決まるので、そこからのアレンジは番手で行なってください。

高い球が出やすいライに対して、低いボールを打ちたいときにはよりロフトが立ったクラブを選ぶ、といった具合に調整していくと、イメージどおりの距離感を出すことが容易になります。ライ別の打ち方をさらに詳しく解説していきます!

出球の高さは何で打ち分ける?

番手で打ち分ける?

それとも打ち方?

答えは両方です!

ライによっての「出やすい高さ」に無頓着なのが寄らない原因

芝の上にボールがあっても、その詳細はさまざま。ライの違いによって、ソールの当たり方やボールへのコンタクトの仕方が変わってくることを肝に銘じよう。大別すると「ボールの下の隙間」と「インパクト時の芝の絡みやすさ」を見極めることが重要なポイントになってくる

払い打ちのイメージでザックリのミスを回避する

出球:低くなりやすい/隙間なし 例)芝が短いフェアウェイ、ベアグラウンド

花道などの芝の短いフェアウェイは、簡単そうに見えて意外とザックリのミスなどが出やすいライです。このようなシチュエーションでは、リーディングエッジが地面に刺さる要素を徹底的に排除しましょう。まずはソールの設置面積を減らすためにヒール側を浮かせて構えます。

そして打ち方のイメージは「払い打ち」。できるだけ地面と平行にヘッドを動かす意識で振ってください。フェースのトゥ側(ヘッド重心より下)にボールがヒットするので、出球は低くなりやすいです。

通常の構え(左写真)ハンドアップ(右写真)

ヒールを浮かせるとハンドアップになるため、そのぶんボールに近づいて構えるのが◎

打ち方:ヘッドを低く長く動かす

入射角をゆるくすることで、リーディングエッジが地面に刺さるリスクを回避できる

“包み込む”インパクトでボールをつかまえる

出球:高くなりやすい/隙間あり 例)芝が長めのフェアウェイ、浅いラフ

ボールの下に隙間があるライでは、リーディングエッジがその空間に入っていくので、少し高めの出球になりやすい。このライをダウンブローで打ってしまうと、インパクトでフェースの上部にボールが当たり”ポッコン”が出てしまいます。

そこでボールをつかまえやすい、ボール位置はアドレスの真ん中、シャフトを地面と垂直にする構えでスイングします。ダウンスイングでは、しっかりと手首をリリースしながらボールを包み込むようにインパクトするのがポイントです。

打ち方:アドレスでシャフトを垂直に⇒ボールをつかまえる準備

距離感をコントロールするには、重心より下側のフェース面でボールにコンタクトしたい(〇)。浮いているライに対してハンドファーストにインパクトすると、フェースの上側に当たってしまい距離感が出しづらくなる(×)。

出球は高くなりやすいので、低めに出したいときはロフトの少ないクラブをチョイスしよう

打ち方:手首をリリースする

フェースの自然なローテーションをうながすため、ヘッドの重みを感じつつインパクトからフォローにかけて手首をしっかりとリリースしていく(写真上)。グリップを強く握りすぎるのはリリースの妨げになるのでNG

フェースを開き”抜け”を担保する

出球:高くなりやすい/絡まりやすい 例)逆目のラフ

逆目のラフは、芝が絡まりそうなライ。フェースを開いてヘッドの抜けをよくし、ヒール側のリーディングエッジで芝を切りながら振り抜いていくイメージが必要です。

このとき、沈んでいるボールにしっかりとコンタクトするため、少しダウンブローで振る。フェースを開くので通常の構えよりロフトが増え、出球は高めになります

打ち方:シャフト軸を中心にフェースを開く⇒ヒール側のエッジを出していく

ヒールエッジで芝を切っていくイメージです!

打ち方:ダウンブローに振る

鋭角に振り下ろす/ボールは右足寄りセット

「スクエア&ダウンブロー」で距離感の再現性アップ

出球:低くなりやすい/絡まりにくい 例)順目のラフ

順目のラフなどは、ある程度しっかりインパクトしたいものの、フェースを開くと”抜けすぎ”のリスクがあります。フェースをスクエアに構えてダウンブローに振ることで、フェースの重心(スイートエリア)でヒットできるので距離感の再現性が上がります。

スクエアフェースかつダウンブローに振るため、ロフトに対しては少し低めの出球になりやすい。もし、ポールを上げる必要があれば、もっとロフトが寝たクラブを使うか、フェースを少しだけ開いて打ってください。

打ち方:ロフトなりに構える⇒ゆるやかなダウンブローでボールにコンタクト

フェースを開くとボールの下を抜けすぎるリスクがあるので、ウエッジのロフトどおりに構えるのが○。ボールを少し右足寄りにセットすれば、自然にゆるやかなダウンブローになるので、ラフからでもきっちりとボールにコンタクトできる

打ち方:手首の角度を終始キープ

手首の角度をキープすることで入射角が安定し、再現性の高いダウンブローになる。

ヘッドが先行したり、体の正面から腕が外れてしまうのはNG

いかがでしたか? このレッスンを参考に、出玉の高さをコントロールできるようになりましょう!

レッスン=櫻井寿哉
●さくらい・じゅや/1998年生まれ、三重県出身。10歳からゴルフをはじめ、大学卒業と同時に本格的にレッスン活動を開始。現在は東京都の「学芸大ゴルフスタジオ」で多くのアマチュアを指導。クラブの使い方を主体としたレッスンを得意とする。

構成=石川大祐
写真=小林司
協力=取手桜が丘ゴルフクラブ(アコーディア・ゴルフ)

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