飛距離が伸びるドリルをプロゴルファーが伝授！「引く」動きを覚えて

ドライバーの飛距離アップの秘訣を紹介！　円運動のなかでの加速や安定は「引く」動作が大事。押したり叩いたりする動きは、軌道のズレや減速が起きてしまう。スイングに「引く」動きを取り入れよう！

【関連記事】7番ウッドを選ぶ時の「4つのポイント」！最新15モデルを試打解説

飛ばないのは「押す」「叩く」意識と動作のせい！？

ヘッドスピードやボール初速を上げるために、スイング中に「押す」「叩く」意識や動作をもつ。これらは正しく使えれば間違いではありません。しかし、思ったように飛距離が伸びないアマチュアは、「押す」「叩く」が逆効果になってしまっていることが多々あるのです。

そんなゴルファーに取り入れてほしいのが「引く」動き。そもそも、遠心力を引き出し、加速力を上げるには「引く動き」が大事で、上の写真のハンマー投げのような動作やほかのスポーツでも、遠くに投げる、打つには引く動作が必ず入ります。

この「引く」動作は、飛ぶプロのスイングを見ると、”3度”も行われているんですよ。「引く」という意識がまったくなかったゴルファーは、このレッスンで大きく飛距離アップするスイングをマスターしましょう！

右手（利き腕）が悪さをするのも「押す」「叩く」意識のせいかも！

「押す」や「叩く」意識が弊害になる例。ヒジから先を使いやすくなるため、リキみによる減速、ヘッドがアウトの上から入ってしまうカット軌道、ヘッドが先行してしまうアーリーリリースなどが起こり飛ばなくなる

テークバック

飛ぶスイングの1度目の「引く」はテークバックです。ヘッドからではなく、手元先行で始動してください。ヘッドよりも手元を先行させてクラブを引けるのは、グリップに力が入りすぎていない証拠です。グリップをゆるく握り、体全体を脱力して振るのは飛ばすスイングの大前提。

グリップ（手）に力が入ると腕や肩もリキんでしまうので、腕やシャフトをしなやかに使えなくなってしまいます。ダウンスイングでのクラブのリリースも早くなってしまうので、ヘッドを走らせることができません。

アドレスの時点で体全体の力を抜くには、グリップを強く握りすぎないことが大切。それには手のひらへの当て方がポイントとなる。「指の第二関節」にグリップを当てると自然とグリッププレッシャーがほどよく抜ける

指の第一関節で握る（右）や手のひらで握る（左）は力が入りやすいので、無意識に強く握ってしまう

力を抜いてヘッドを遅らせ、体と腕でクラブを引く！

ヘッド先行のテークバックは引く動きにならない。手や腕に力が入りすぎるだけではなく、ダウンスイングではアーリーリリースの原因になることも（✕）。逆にテークバックで手元を先行させると、ダウンスイングではその反動を使って目標方向に手元を先行させる動きが作りやすくなるためタメができる（〇）

体と手元の動きを同調させるのは基本です！

「手元から引く」でも、体を回転させることを忘れずに。手だけで引くのは手打ちになってしまう（✕）。両腕の中にできた三角形をキープして、ヘッドが垂れたり手元と腕が離れすぎないように注意しよう（〇）

切り返し

2度目の引くは、トップからの切り返し。ダウンスイングでクラブをリリースし、ヘッドを走らせ加速するには、「引く動作」が不可欠になります。切り返しでの「引く」は「押す」ではダメなのか？ と思う人がいるでしょうが、飛ばすスイングには「引く」のイメージや動作がベスト。

その効果は多々ありますが、飛ばないアマチュアにとっては「体との連動性」でしょう。「押す」は手元やクラブだけが下りてしまい体が回転しない。「引く」はクラブも体も同時に動かせるのです。やってみるとすぐにわかりますよ。

手元を少し体から遠ざけるように右下に引く！

切り返しの「引く」は方向も大事。「手元を少し体から遠ざけるように右下へ引くと、体の右サイドだけでなく左サイドもつられるように動くので肩も腰もスムーズに回ります」（遠藤）。クラブの落下エネルギーと体の回転を同時に使って加速力を上げられる

「押す」と「ボールに向かって引く」はNG！

「押す」は手だけを動かしてダウンスイングに入りがち。「引く」もボールに向かってはNGで、両ヒジを体に引きつけてしまう（✕左）。すると、ヘッドがボールに届かなくなるのでクラブや手首のリリースが早くなったり、インパクトが詰まるなど（✕右）、ミスヒットや減速してしまう原因が起こる。この切り返し方が飛ばない原因かも！　正解は下の写真のように「手元を少し体から遠ざけるように右下へ引く」です！

投げる、打つ前に必ず「遠くから引く」が入る！

遠くへ速く投げる、打つ動作は、野球や釣りでも「引く動き」が入っている。「引く前に道具が体から離れる点にも注目してください」と遠藤。リリースする前にボールやバット、竿が、いったん体から離れてから引く動きが行われるため、ゴルフスイングでは「切り返しで手元を体から遠ざける」が大事になるのだ

ピッチャー

（ボールと手先を遠くから引く）

バッター

（バットと手元を遠くから引く）

釣り

（竿の先と手元を遠くから引く）

方向性も上がる！インへの円弧にそって左に引く！

最後の「引く」はフォローです。ゴルフスイングは前傾しながらクラブを振るので、クラブの軌道はインサイド・インの円弧を描くのが自然。この円弧の左側、フォローの出し方も「引く」をイメージし、インパクト後はインに引いてください。

ヘッドを真っすぐ出して方向性を上げるのは逆効果。手元が体から離れてしまうのでフェースが開いて薄い当たりで曲がる原因になるし、遠心力も加速力もインパクト前に落ちてしまいます。

インパクト後にヘッドを真っすぐ出すのは✕。左に引くのが飛距離アップと方向性のよさを両立させるコツ

✕インパクト後に真っすぐ出す

ヘッドを真っすぐ押し出すと手元が体から離れてしまう。自然にターンするはずのフェースが開いてしまい、体の回転との同調性も失われるのでインパクトに悪影響が出る

〇フォローを左に引いていく

クラブを左に引くフォローでフェースは体の回転に対してスクエアになる。方向性がよくなるだけでなく、インパクトでボールをしっかりつかまえられるので飛ぶ

いかがでしたか？ 飛距離を伸ばすスイングをぜひ、手に入れてください！

写真＝相田克己
協力＝日神グループ 平川CC

【あわせて読みたい】

「天使か」西村優菜、“かわいすぎる”ウェア姿を披露！ファンから称賛の声集まる

7番ウッドを選ぶ時の「4つのポイント」！最新15モデルを試打解説

「7番アイアンで200ヤードも飛ぶ」ってマジ!?“飛距離”に特化したアイアン4選