UTを軽く打つのが正解!曲げずに運べる「ライン出し」が可能になる

ラウンド中、「飛ばさなくてもいいけれどある程度の距離を安全に運びたい」という場面は意外に多いですよね。たとえば、一般アマチュアだと150から170ヤードくらいで「ティーショットをミスしたあと」「短めのパー5の2打目」。飛距離が落ちてきたシニア世代などは「パーオンさせなくてもいい」という場面でのレイアップでも多用することがあります。

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いろんな場面で便利に使えるいぶし銀のワザ

コンパクトトップでリキまず打つ!

そんなときはUTを軽く振る〝ソフトヒット〞がオススメです。ソールが広くて深・低重心なのでアイアンよりもやさしく、長さが短いぶんFWよりも扱いやすい。スイング的には振り幅をスリークォーターに抑えたライン出しに近いイメージ。軽く振ってもゆるんだり打ち急いだりしないコツを身につければ、スコアメイクの強い武器になります。

曲げずに運べるUTの「ライン出し」

UTなら軽く振ってもそこそこの飛距離がかせげて、強振しないぶん方向性が出しやすい。大きな曲がりやダフリ、トップのミスも出にくい

アイアンよりも深重心FWより短いから簡単!

UTは深・低重心でソールが広いのでダフリにくく、アイアンよりもやさしく球が上がる。FWよりも短く扱いやすいのでソフトヒットで打つのに最適だ

振り幅を抑えたらゆるまないように気をつけたい

〝ソフトヒット打法〞は、トップをコンパクトに抑えたスリークォータースイング。しかし、振り幅を抑えようとすると手打ちになったり、ゆるみが出て余計にミスしやすいと感じる人もいます。そんな人は、インパクトで〝擬音〞を口に出しながらスイングしましょう。

すると、インパクトで適度な力が入りやすく、腹筋の力も抜けずにスイングできるので、ゆるみにくくなります。ソールが地面をこする「シュッ」というような強めで短い音がオススメですね。また振り幅は、クラブではなく手を意識すると手打ちになりにくく、トップの位置の管理もしやすくなる。普段よりコブシ2個ぶん下げるイメージをもってください。

インパクトで音のイメージを口に出す

シュッ!

インパクトの瞬間に「シュッ」というような、息を瞬間的に吐きつつ短く強めの擬音を口に出すとゆるまず締まったスイングがしやすい

インパクトで振り幅を抑えてしっかりヒット
「シュッ!」と口に出せばゆるまない!

トップは小さくしても、フィニッシュはフルショットと同じところまでしっかり振り抜く(○)。途中で体を止めると球が曲がりやすくなってしまう(×)

注目!体の回転量はいつものどおり

トップをコンパクトにしても体の回転量はフルスイングと同じ(○)。体にラクをさせず手元の高さだけを低くすることが重要だ

振り幅は〝コブシ〞の高さでコントロール

コンパクトなトップをクラブの動きで作ろうとするとゆるみが出やすい。フルショットよりも手元の位置をコブシ2個ぶん低くする感覚だ

腕とシャフトをやわらかく使ってタイミングをとる

ソフトに握りましょう

スイングをコンパクトにすると、トップで〝間〞が作れずに打ち急ぐミスも出がち。これは、スイングアークが小さくなることや、スイングスピードが落ちてシャフトのしなりを感じにくいのが原因です。

そのため〝ソフトヒット〞するときは、普段以上にクラブの重さとシャフトのしなりを意識しましょう。まず重要なのが、グリップを強く握りすぎないこと。リラックスして手のセンサーを敏感にし、クラブの重さを感じてください。そして、トップで左手親指の上にクラブを乗せる意識をもつこともポイント。

親指でバックスイングのモーメントを受け止めることでシャフトのしなりを感じやすく、切り返しでも間が作りやすくなります。そして、ヒジから下をやわらかく使ってリリースし、ヘッドを走らせて振り抜きましょう。

クラブを左手の親指に乗せる

トップでは、左手の親指の上にシャフトを乗せることを意識。左親指でクラブを受け止めると、クラブの重さやシャフトのしなりを感じやすくなる

クラブの重さとしなりを感じながら切り返す

クラブの重さやシャフトのしなりを感じられないと切り返しで“間”が作れず、打ち急ぎやカット軌道でミスが出てしまう(×)

インパクト後は積極的にリリースする

弾道は“ライン出し”的なイメージだが、フォローは抑えたり真っすぐ出すのではなく、フルスイング同様、最後まで振り抜きたい。そのためにインパクト後は、積極的にリリースしてヘッドを走らせることが大事

リリースのポイント▶釣竿を振るように手首をやわらかく使う

リリースのコツは腕のムダな力を抜き、ヒジから先をやわらかく、しなやかに使うこと。釣竿を振るようなイメージでヒジと手首をスムーズに伸ばそう

腕を固めて体全体で振り下ろすとリリースできずヘッドも走らない

トラブルショットや傾斜地では振り幅をさらに抑えて打つ

トラブルショットもこれで対応可
林からの脱出時なども5割の“ソフトヒット”なら飛びすぎないし、方向性もより安定する。弾道も低くなるので安全に脱出できる

UTの〝ソフトヒット〞は、傾斜地や林の中から脱出する場合でも有効なショットです。傾斜地では、ごくゆるい傾斜ならスリークォーターでもOKですが、斜度が強いライや足元が不安定な場所ではバランスを崩しやすいので、さらに振り幅を抑えて5割くらいでスイングするのがオススメです。

これでもフルショットの7割くらいの飛距離は出せます。5割スイングのときはスタンスを狭くし、クラブを短く持ちましょう。そしてトップはコブシ4個ぶん低くしますが、フィニッシュはフルショットとほぼ同じです。ポイントは、お腹の動きを意識すること。

お腹がバックスイングで右上に動き、それがU字を描くようにフォローでは左上に立体的に動くイメージをもつと、軸がブレにくくスイングが安定します。

トップはコブシ4個ぶん低く、フィニッシュは最後まで!

トップはフルショットよりコブシ4個ぶん低くするが、フィニッシュはフルショットと同じところまで。止めず、ゆるめずに振り抜こう

スイングのポイント▶お腹をU字に動かすと軸がブレない

お腹をバックスイングで右上に、そこからアドレスの位置まで戻ってから、フォローでは左上にU時を描くように動かすと軸を保ちやすい

お腹が左右にスライドするとスエーして軸がブレる。傾斜地ではとくにミスにつながりやすい

スタンス狭めグリップ短めでリキまずスイング!

5割スイングのときはグリップを短く持ち、スタンスも靴1足ぶんくらい狭くすることで、よりコンパクトにリキまずスイングできる

いかがでしたか? ぜひ、レッスンを参考にして、練習してみてください。

レッスン=市原建彦
●いちはら・たつひこ/1978年生まれ、神奈川県出身。水城高校3年時に世界ジュニアで優勝。高校卒業後プロ入りし、06年には「アサヒ緑健よみうり」で優勝。現在はミニツアーの運営なども手掛ける。

構成=鈴木康介 
写真=小林 司 
協力=南茂原カントリークラブ

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