アプローチが不調なときは“目をつむる”と解決できる!イップスの原因は…

〝イップス〞は「自分はならない」と思っていませんか?決して他人事ではなく、ゴルファーなら誰でもかかる。しかもゴルフを一生懸命やるほどかかりやすいんです!

なぜイップスにかかるのか、どんな症状が現れ、どうやって克服するのか。それを事前に知ることが、イップス予防の最善策になります。

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イップスは目からくる

プロゴルファーなら、ラインさえわかっていればワンピンくらいの距離のパットは高い確率でカップインする。毎日のように、練習もしていますからね。それが、何らかの理由でラインに乗らなくなってしまう。そうなるとスムーズに手は動かなくなります。

その原因は、結果を気にするからです。結果に対して不安があるから、思うような動きができなくなる。つまり、イップスは目からきているということ。目から入る情報によって体の動きが阻害される、思うように動かなくなる、ということが起こるわけです。

それがわかって、私は試合中に目をつぶって打ったことがあります。ワンピンの距離で上りの真っすぐなライン。このラインと距離なら大きく外すということはないので、目をつぶって打ったら気持ちよくスムーズに動けるんです。

以前、ジョーダン・スピースがボールを見ずにカップを見てパッティングしていることが話題になりましたが、あれもヘッドを見ていないからスムーズに動ける、という効果もあってのことだと思います。

距離感が出にくいゼロトルクパター

道具からくる問題もあります。春先のシニアツアーのQTの直前にパッティングが怪しくなり、その原因を自分なりに探ったら、当時使っていたゼロトルクパターが原因だと気づきました。

いま流行りで、ツアープロにも多くの使用者がいるゼロトルクパターは、私も気に入って3本入手したほどなのですが、特徴としてはショートパットには強いけど、フェースが開閉するモーメントがないので、フィーリングは出しづらいというデメリットがあります。10メートルくらいのどうということのない下りのラインを3メートルもオーバーすることもあり、これはおかしいなと感じました。

ゴルフにとって重要なフィーリング

ナチュラルスイングはイップスになりにくい
「息の長い活躍をしている選手はナチュラルなスイングで、フィーリングもナチュラルに出しています」(日下部)

ショットの場合だと、やさしいとされるキャビティのアイアンや、ロフトが大きくてつかまりのいいドライバーを使っているとイップスにはなりづらくなります。ところが、パターの場合は、あまり大きすぎない、重すぎないものなど、操作性の高いパターのほうがイップスになりにくいのです。

ストローク中のフェースの開閉を感じてボールをとらえて、そのなかで距離感が出て自分のなかにフィーリングが生まれるものだと思います。やはり、このフィーリングが出るか、がゴルフではとても重要でイップス予防のカギになると思います。

かといって、ゼロトルクパターが悪いわけでもありません。競技ではショートパットを入れ続けないといけない。そこにプレッシャーを感じたくないのです。その点の優位性は大きいですね。だから私も採用したわけですが、ミドル・ロングパットのタッチが出づらかったことでフィーリングを取り戻す必要がありました。

アプローチイップス克服ドリル

【Drill1】マットの角でインパクトする

アプローチイップスの症状のひとつの「インパクトするのが怖い」は、マットの角(カド)などを軽くコツンと打つと緩和される。加速しながらスクエアにボールをヒットする「インパクト感」を養おう

【Drill2】左足荷重にして振り抜く

ボールを打つのを怖がると、右足体重でクラブが寝て入りやすくなる(×)。きちんと左足荷重にしてヘッドをやや上から入れたら、積極的にヘッドを前に出して振り抜いていくと怖さを感じにくくなる(○)

いかがでしたか? イップスは原因や症状、克服の仕方を知っておくと、予防にも繋がります。

解説=日下部光隆
●くさかべ・みつたか/1968年生まれ、神奈川県出身。ツアー通算3勝を誇るショートゲームの名手。現在は、WASSゴルフスタジオ(東京都世田谷区)で精力的にレッスン活動を行なっているほか、シニアツアーにも参戦中。

構成=コヤマカズヒロ
写真=田中宏幸
協力=WASSゴルフスタジオ

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