実戦で役立つアプローチレッスン!女子プロがしっかり寄せられるワケは?

アプローチは基本が大事。小手先の技ではなく、何度打っても同じような打ち方ができることが大切です。

今回は、女子プロがやっている実戦的なアプローチ練習を辻村コーチにレクチャーしてもらいました!

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基本を重視して死んだ球を打つ

OK!それを実戦でも意識して打つんだ!

8月中旬の「AIG全英女子オープン」では上田桃子が6位入賞。9月に入ると小祝さくらが「ゴルフ5レディス」を圧勝するなど、チーム辻村の教え子たちは絶好調!

今回はそんなチーム辻村のアプローチ練習に潜入した。この日は小祝さくらと山村彩恵の2人だけの参加だったが、同じメニューを上田桃子らほかの教え子も取り組んでいるそうだ。辻村が教えていたことは、アプローチの肝とも言える基本的な技術。

辻村に話を聞くと、「実戦で使えるアプローチを身につけるにはとにかく基本が大事。小手先の技ではなく、何度打っても同じような打ち方ができるよう“肝”が大切です。アプローチの上達には同じ打ち方で、いわゆる“死んだ球”が打てることがカギにもなりますね」

早速、次のページからは辻村が女子ツアープロに教えている、実戦的なアプローチの肝をレクチャーしてもらった!

「グリーン周りのラフからは1メートルで止まる“死んだ球”を打つ練習をよくやります」(辻村)

ヒジから手首までを動かさない!

左手打ちはアプローチの基本です(辻村)
いつも練習でやっています(小祝)

アプローチの基本であり、実戦でもっとも大切なことは左手首の角度を変えないことです。手首の角度が変わらなければ手打ちにはなりません。よく選手にも左手片手打ちの練習をさせていますが、最初は右手で左手首を抑えながら、角度を変えないことを意識させています。

左手首の角度を変えないコツは、手首だけでなく左ヒジから手首までを動かさない。いわゆる両肩と手首の三角形をキープして打つことです。これができるとヘッド軌道が安定するので、ダフリやトップのミスは出なくなります。

インパクト付近はヒジから下を伸ばしたまま

フォローまで左ヒジを極端に曲げないように打てば、左手首の角度を変えずに振り続けられる。

左ヒジと左手首の角度のキープができると、クラブが体の幅から外れないスイングになる。

アマチュアはインサイドに引くタイプが多い

アマチュアは手首だけを返そうとするので、手首と一緒にクラブもインサイド方向に動いてしまう人が多い。

左手首の角度が変わると、フェース面の角度が変わってしまうので方向性が安定しない。

体重移動がゼロだと手打ちになってしまう

両足の幅で体重移動(左)、体が突っ込まないように注意(右)

アプローチでは過度な体重移動はNG。左右への動きが大きいとスエーして軸がブレてしまいます。だからといってまったく体重移動をしないと手打ちになってしまうので、理想は体の幅の中で小さく体重移動をする。右足と左足の幅から体がはみ出ないように体重移動をするのがポイントです。

最初に教えるときは、写真のように体の左右に2本のクラブや棒を当てて、その範囲内で打つ練習をさせます。本番でも右足と左足に仮想のラインがあるとイメージさせて、その幅から足や腰が出ないように打つ。こうすると、軸がブレない小さな体重移動ができます。

フォローで足が斜めになる人は体重移動が大きすぎる!

アマチュアはフォローで左腰が流れるタイプが多い(×)。左腰が動かないようにして軸ブレを防ぎ(○)、インパクト軌道を安定させよう。

少し左足側に体重をかけると軸がブレにくい

アドレスのときから少し左足寄りの軸をイメージすると、右側に体重移動したときも右足のライン上で収まるのでスエーしない。

クラブ3本持ちの素振りで体で打つ感覚をマスター

小祝さくらは練習でウエッジを3本持って素振りをする。重いものを振ることで体の幅内での体重移動をマスターしたそうだ。

距離感のカギは胸の動きにあり!

胸を落下地点に向ける。手打ちだと距離感が出ない!

ツアープロは手先の微妙なフィーリングで距離感を出していると思っているかもしれませんが、そんな選手はほとんどいません。

距離感の肝はヘッドをクラブから外さないようにして、体を目標に正対させることです。とくに胸をしっかり目標へ向けることが大切。ゴミ箱にティッシュを投げ入れるときも、胸がゴミ箱を向いていないと距離感は出せませんよね。胸を落下地点に向けることを意識して、胸で距離感を出すイメージです。

胸の動きに合わせてヘッドが体からはみ出さないようにすれば、距離感が合うようになります。

手首を返すとヘッドが外れてしまう

胸の動きで距離感を出しても手首が体から外れるくらい返してしまうと、距離感が合わなくなる。

両ワキにクラブを挟んで体の向きをチェック!

ワキがあくのは×。両ワキの下にクラブを挟んで腕をロックして振ると、ヘッドが体から外れない動きが身につく(○)。

ボールが浮いているラフはザックリしない

トゥ側の削りを生かす

ラフからのアプローチで肝となるのは、ソールの使い方です。ヒールから地面に当てるツアープロもいますが、私はトゥ側から当てる打ち方を教えています。その理由はヒール側よりトゥ側のほうがソールが削られていて接地面積が小さいので、ラフからでも抜けがいいからです。

もうひとつラフの基本は、ダウンブロー軌道でヘッドを入れること。入射角が鋭角なほうがボール手前の芝の影響を受けにくい。フェアウェイだときついダウンブローはザックリのミスになりやすいですが、ラフはボールが浮いているのでボール手前にヘッドが落ちてもザックリしません。ダウンブロー軌道だとスピンも効きます。

スイングで気をつけるのは両ヒザが前に出ないこと。ヒザが前に出ると体が突っ込んでミスしてしまう。

ヘッドは手前からではなくジャストに入れるイメージ!

ハーフウェイダウンではヘッドが腰の高さにあり、そこからダウンブロー軌道で振り抜くと芝の影響が少なくなる。

ボール手前からヘッドを滑らせると、芝の抵抗によってスピードが落ちるのでショートのミスが増えてしまう。

いかがでしたか? 辻村コーチのレッスンをぜひ参考にしてください!

辻村明志
●つじむら・はるゆき/1975年生まれ、福岡県出身。

小祝さくら
●こいわい・さくら/1998年生まれ、北海道出身。

山村彩恵
●やまむら・さえ/1992年生まれ、福岡県出身。

構成=野中真一
写真=中野義昌
協力=鎌ヶ谷カントリークラブ

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