プロのような直進性の高い“強弾道”で飛ばすには!? 秘密は切り返しにあり

近ごろはプロ仕様モデルでも、一般アマチュアが使いこなせるドライバーが増えた。寛容性が上がりやさしくなったことを活かしつつ「プロのような直進性の高い強弾道で飛ばしたい!」と思ったはずが、うまくいかないゴルファーはこのレッスンが必読!

クラブ性能を引き出すスイングのポイントを、道具の正しい使い方から上達させるレッスンに定評がある田渕信行コーチが指南する。

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切り返しでの”円”の動きをおろそかにしない!

打ちこなしのキーワードは”円の動き”です!

「プロアスリート仕様のドライバーにやさしさが増した」。これは今年のトレンドだと思います。構えやすい美顔で直進性が高く、ロースピンの球が打てるモデルに、ミスヒットに強い寛容性が上がったとなれば、とても魅力的なドライバーですよね。

ただし、あくまでもアスリートテイストな性能は損なわれていないので、一般アマチュアからは「いいときと悪いときの差が大きい」という声も。悪いときの代表例は、弾道が低い、大きく曲がるというよりは右へのブッシュや左へのプルが多いと聞きます。

その原因は気持ち的なことでは「やさしくなったとはいえセミアスリートモデルだから一生懸命振らないといけない」でしょう。この気持ちは、ミスショットが続くほど出てしまう傾向があります。そして、このエラーは動き的には”切り返し”に強く出がち。私は「ナイスショットはほぼ切り返しで決まる」と提唱していますが、ややオーバー(ハード)スペックのクラブでも、切り返しを正せばクラブがもつ長所や性能をフルに発揮して打つことができます。

正しい切り返しとは「クラブを円運動で動かす」になりますが、その効果がどのくらいあるのかを比較検証してみました。その結果に驚いた人や悪い切り返し方で同じようなミスが出る人は“円運動”の切り返しをマスターすると、セミアスリートモデルのドライバーを完璧に打ちこなせるようになりますよ。

”円”に沿って切り返す(〇)

流れるようにスムーズに動く。円を描くのは手元だけでなく、じつはさまざまな円運動が行なわれていて、田渕が調整しようとしてもヘッドスピードが自然と上がってしまう効果もあった

弾道方向,高弾道で軽いドロー,ヘッドスピード42.5mm/秒打,ち出し角14度,バックスピン量2600rpm,トータル飛距離264ヤード,260ヤード超え,すべて理想値

切り返しは“円”が〇 “線”がX!

※田渕コーチには、セミアスリート系のドライバーを「このクラブを打ちこなしたい」と思う40m/秒前半のヘッドスピードで打ってもらった

「スイングは円弧を描く」というのは承知のうえだが、ポジションによってはクラブや体が“円運動”していない人がいる。とくに切り返しでは「直線的に動く」ことがあり、これが弾道や球質に大きな悪影響を与えるのが、弾道計測機でのデータであきらかになった!

“ボール”に向かって切り返す(×)


ボールに向かって直線的に切り返すと、ヘッドを振り戻して追いつかせようとする余分な動きが入る。ヘッドが大きく返りすぎたり、右足体重にもなりがち

弾道方向,低弾道で引っかけ,ヘッドスピード39.2m/秒,打ち出し角8度,バックスピン量1570rpm,トータル飛距離218ヤード,スピードが上がらない,低スピンすぎる

“目標方向”に向けて切り返す

体ごと手元を目標方向に引っ張る切り返し。グリップを強く握ってしまいがちで、振り遅れてフェースが開き、飛ばないヒール下でヒットしやすい

弾道方向,中弾道で右プッシュ,ヘッドスピード40.9m/秒,打ち出し角度11度,バックスピン量3010rpm,トータル飛距離232ヤード,スピン量が増えた,打球は強いが真っすぐ右

「回し返し」のポジションを知ろう!

「回し返し」のポジションCHECK
①クラブを持たずにアドレスをとる②両手を胸の前でクロスする③頭と下半身を固定して上半身を右に回ず④無理なく右に回しきった位置で両腕を伸ばす=ここが「回し返し」のポジション

”クラブを円運動で動かす”切り返しをマスターする。そのファーストステップとして「回し返し」のポジションを見つけてください。「回し返し」とはクラブを振り上げるために体を回した際に、自身の可能な可動域や旋回量を超えない位置で切り返すこと。それ以上、大きく振り上げようとすると両ヒジが体から外れてしまいます。

とくに、セミアスリート系のドライバーを打ちこなすために、スピードとパワーを上げようとしてオーバースイングになるケースは多いです。「回し返し」のポジションとタイミングで切り返すスイングで打ってください。

「コンパクトすぎる」ではない!

クラブなしだとこの位置でしたが(左写真)
クラブを持って振ればここまで上がります(右写真)

④の位置では「トップがコンパクトすぎない?」と思うが「回し返しのポジションは、ヒジが外れないように注意してほしい大きさで、実際にクラブを持って振り上げたときはクラブの重さや遠心力によってヘッドも手元ももっと高く上がっていきます。クラブの動きを邪魔したり、制御しすぎないことも大切なのです」(田渕)

“円運動”は「手首の前」でも行なう!

円の切り返しは、スイングプレーン上で描くだけでなく”手首”も回して行ないます。この手首の円運動は「手首の周り」ではなく「手首の前」というのが最大のポイント。手首の回りでクラブをグルグルと回す(右回転)と、クラブもフェースもムダに大きく動き、その動きも不規則になってしまう(×)。手首の前で回すとヒジから先が回旋するので、フェースの開閉は適量、スイングの最下点が安定する効果もあります(○)。

スクエアなフェース向きを維持した、体の回転に沿ったヘッドターンが行なわれ、スイングの最下点も安定する

イメージとしては”大縄回し”が超有効!

大縄を勢いよく規則的に回す動きは、スイングの軌道、最下点の安定、遠心力を引き出すなど、クラブの正しい使い方にも通じる。飛距離も方向性も悪くなるクラブが止まってしまう動きもなくなり振り切りもよくなるので、大縄が背中に巻きつくような振り切ったフィニッシュもとれる(右)

「手首の前で回す」は“イメージとして”のみではなく、実際に取り入れてほしい切り返しでの円運動ですが、うまくできない人は”大縄回し”をイメージしてください。私のスクールでは必ず生徒さんに体験してもらうドリルですが、大縄は手首の周りや体の近くで回そうとすると強い力が必要、縄の軌道も安定しません。

一方、手首の前で回せば縄にしっかりと遠心力が伝わり、スムーズに速く回せる。縄が描く軌道や地面にタッチする縄の最下点も一定になる。ゴルフに置き換えると正確性と再現性を高め、飛距離も伸びるスイングになります。

手首の周りで回すと、大縄の円弧が乱れでしまう。縄が地面にタッチする位置もバラつくだけでなく、タッチしないときもあり、これがゴルフスイングだとするとエラーが多々生じる振り方になってしまう。振り切ったフィニッシュも作りにくい(右)
大縄回しのイメージで切り返してください!

いかがでしたか? 大縄をイメージしながら回しましょう!

レッスン・試打解説=田渕信行
●たぶち・のぶゆき/1982年生まれ。地元大阪でレッスン活動を開始し、2018年に上京。森守洋プロコーチのもとでゴルフの原理原則を学び、今年6月に浅草ゴルフスタジオ(東京都墨田区)をオープン。ヘッドコーチを務める。

写真=竹田誉之、田中宏幸
協力=浅草ゴルフスタジオ

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