ピンまで30ヤードから確実に寄せる!プロが具体例とともに解説

ピンはすぐそこ。「簡単に寄せられそう」と思ったのにミス!その原因となるクラブと体の動きを直すレッスンを紹介しよう。

【関連記事】菅沼菜々、初の写真集発売!購入はこちら

【苦手克服 状況1】花道から確実に寄せたい

ミスのパターン:振り子でゆっくり打つイメージが手打ちを誘発してしまった

腰から腰の高さなど、左右対称の振り幅は、ダフる危険性が高い!

ボールに合わせて構えをつくると「振り子」になってしまう

ールを中心に左右対称の振り子スイングで打ったが、じつはそれがNGでダフってしまった

小さなスイングで打てるアプローチは遠心力が小さくなるので、手打ちになりやすい。その原因はアドレスにもあることを知っていますか?

アプローチは「左右対称の振り幅で振る」といわれています。すると、時計の針が文字盤の6時を指すように、シャフトを真っすぐ立てて、手元からヘッドまでを垂直に立てた構えをつくりがちですが、じつはこの構えはミスを招きやすいのです。

この構えでは右手首が伸びて、ヘッドが体から遠ざかってしまう。体とボールとの距離が離れると、スイング中に手首が動きやすくなってしまうのです。アプローチは小さな動きですが、手先を使わずに振るほうがインパクトは安定する。手先の動きを抑えながら、体をしっかり使ったアプローチを打つために、まずは構え方から変えていきましょう。

ヘッドをボールに合わせて、クラブを地面に対して垂直に立てると、ソールが先に当たりやすくなるのでダフってしまう

クラブを斜めに持って「回転しないと打てない」構えをつくる

左から
【step1】右手で持ったクラブを写真のように右斜めに傾けてから、左手を揃えてグリップ
【sutep2】左肩とヘッドの距離を保ちながらクラブを下ろして前傾。同時にスタンスより左に向ける
【step3】ヘッドがボールに届くまで肩を回す。肩のラインがスタンスより左向きになる

「ステップ1」の写真のように、右手でクラブを斜め上に傾けて持ってください。斜めに持ったままだと、前傾するだけではヘッドがボールに届きません。体を回してボールに合わせようとしてできる形が、アドレスであり、ボールをミートするときの形になります。

実際にボールを打つときはステップ2から3の動きを逆再生すれば、手先を使わず体の回転で打てます。ポイントとしては、左肩とヘッドとの距離を変えないように注意すること。斜めに持ったクラブとそのときにできた右手首の角度を変えずに振るイメージです。

スイングはホッケーのスティックの振り方や、ほうきを掃く動きに近い

スタンスのラインは目線より左。肩のラインはさらに左を向いて構えることになるが、こうすると体を回しやすくなる

【苦手克服 状況2】転がしたのにうまく寄らない

ミスのパターン:右に置いたボールと左足体重のかけ合わせがダフる原因

右寄りのボールを左足体重で打とうとすると、体が左に回しにくくなるために手を使ってしまう

転がしで寄せるときは、ボールを右に置いて左足体重で構えます。しかし、このふたつのかけ合わせは、ヘッドが地面に刺さりやすくなる。「刺さる」と感じると手を使って防ごうとしますが、それもミスの原因になります。

オープンスタンスにして最下点をボールの左にすればダフらない

折り曲げた右手の角度を伸ばさずに(右)、
オープンスタンスで構える。スイングの最下点はボールの少し先をイメージしよう

転がすときはスタンスを左に向け、重心は過度に左足に乗せず、ほぼ真ん中に置いてください。ボール位置は、左に向けたスタンス幅の中央から少しだけ右寄りにセット。開いたスタンスに対して合わせるのが鉄則です。

スイング軌道の最下点はボールより少し先(左)をイメージ。体を回していくというよりも「体を回さないと、その最下点まで届かない」感覚にするのがカギです。アドレスでできる「右手首の角度」を保つこともお忘れなく。

アドレスで作った形、とくに右手首の角度を変えずにスイング。
そのためには体の回転で振ることが重要だとわかる

【苦手克服 状況3】球を止めやすそうな左足上がり

ミスのパターン:高く上げやすい状況は距離感が出しづらい

苦手な理由はこれ!
ロフトが寝て「いつもの距離感では届かない」と感じると、
手で調整しようとしてダフることもある

左足上がりは球を上げやすいので、高い球でピンそばに落としたくなります。しかし、ロフトを寝かせて普段より高く上げる球は、距離を合わせづらい。敏感な人はスイング中に「距離が違う」と感じると、手先で調整してミスすることもあります。

肩を左へ大きく回し低く打ち出して距離感を合わせる

斜めにクラブを持ってからアドレスをつくり、肩のラインを保ったまま、スタンスを右に向ける

必要以上に高く上げず、距離感を合わせて寄せましょう。そのためには、左足上がりでも低い球で寄せるほうがいいのです。

左足上がりで低い球を打つ場合は、状況1と同じアドレスをつくってから、スタンスだけを右に向けてください。スタンスなりに振ると右にボールが飛んでしまうので、自然に体を左へ大きく回していく動きになります。胸を下に向けたままの低いフィニッシュをとれば、低い球で寄せられます。

打球を上げようとするとダフる(×)。目標方向へ打つためには体を回すしかない(○)ため、あおる動きが出なくなる

【苦手克服 状況4】ランを使って寄せたい左足下がり

ミスのパターン:ダフリを避けようとしてボールを右に置くとヘッドが刺さる

苦手な理由はこれ!
左足下がりは右足体重もNG。ボールの手前の斜面にヘッドが当たりやすくなってしまう

左足下がりは球を上げにくいので、転がすほうが安全です。転がしはボールを右に置きたくなりますが、右サイドが高いので、ヘッドを急角度で下ろさないと当たらない。当たらないどころかヘッドが刺さりやすくなるためダフってしまうのです。

ボールを左にセット体ごとボールを転がしていく感覚

左足に体重を乗せ、左寄りにボールをセット。スイングの最下点をボールの先にイメージし、体を回しながら打つ

斜面では低く下がっているほうの足から構えて、低い足側に体重を乗せます。左足下がりで転がしの寄せを選ぶのは正解です。クラブを斜めに持ってから構えるのはここでも同じ。ボール位置は左足の前。手を使って振るとヘッドが上に動いてボールに届かなくなるので、傾斜の低いほうに向かって体を回して、ヘッドをボールまでしっかり届かせてください。

斜面での構え方は、
低く下がっているほうに体重を乗せることが大切

体を左にきちんと回すと、バランスが崩れやすくなりますが、それでOK。ヘッドをボールに当てたら、そのままボールと一緒に目標に向かって歩き出すつもりで打ちましょう。この動きは振り子というより、ほうきで掃くような動きです。地面と平行にヘッドを動かすように振ってください。

ホッケーのスティックでボールを転がしていくイメージも有効

全身を使ってほうきで掃くようにクラブを振る

両手の間隔を開けて、ほうきのように振ると、クラブは平行移動する

状況4で説明したように、短い距離でボールを打つイメージは、ホッケーのスティックでボールを転がす打ち方が有効です。ほうきで掃くような動きといってもいいです。飛距離は「インパクトでどこまでボールを押すか」という調整で合わせます。より遠くまで飛ばしたいなら、体の回転を大きくしましょう。

左右の手の間隔を空けたグリップで振って、ヘッドが平行移動するような動きを覚えてください。感覚がつかめたら普通のグリップに戻し、掃くようなイメージでスイングしましょう。

平行移動させると、左手はグリップエンドを上に引く感覚になる

グリップエンドを体の左後ろに引き上げる

スクエアなフェース向きをキープしたまま、ヘッドがボールの前後を目標ラインと平行に移動していく。このイメージを脳に焼きつけよう

両手の間隔を空けてクラブを振るとよくわかりますが、グリップエンドは体の中心を指しません。グリップエンドは左ワキを指し、そのラインへ動いていくと、ハンドファーストで打てます。また、左手でグリップエンドを後ろに引き上げている感覚がつかめると思います。

左肩とヘッドの距離を変えずに振ることが大事と前述しましたが、それが容易になる。ヘッドと肩の距離を意識して、つねに一定を保てば、左肩を引きながら振ってもボールにきっちりと当たります。

いかがでしたか?  このレッスンを参考にして、練習してみてください!

レッスン=澤田繁典
●さわだ・しげのり/サンフランシスコのオリンピックククラブに在籍し、ミニツアーに参戦。一般企業勤務後、現在は高田馬場、阿佐ヶ谷のインドア練習場&スクールGolfareiで指導している。

モデル/田中紀行さん
49際、165cm、58kg。ゴルフ歴7年、平均スコア100前後。グリーン周りでもザックリもホームランも出るのが悩み。つねに寄せワンを獲りたい!

構成=長沢潤
写真=相田克己
協力=サザンヤードカントリークラブ

あわせて読みたい】

菅沼菜々、初の写真集発売!詳細は公式LINEにて告知

「7番アイアンで200ヤードも飛ぶ」ってマジ!?“飛距離”に特化したアイアン4選

7番ウッドを選ぶ時の「4つのポイント」!最新15モデルを試打解説

関連記事一覧