
日本のプロゴルフはフェアじゃない⁉健全なツアー運営に必要なこととは?
以前このコーナーでも話をした「主催者推薦、マンデー予選会について」をあらためて取り上げる。タケはこの枠の広さと数が「日本だけ異常」だと思うのだが……
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15から20%の出場選手はフェアじゃない?

ハローエブリバディ! ベスト更新に適した時季は年2回。夏場に入る5から6月、冬場に突入する10から11月。それはなぜか?日本の多くのゴルフ場は高麗芝を使用している。その芝の特性をもっとも発揮できる時季だからだ。
これが夏本番になると〝ラフ〞が強烈に抵抗するし、冬場になると芝目が薄く、ベアグラウンドやデッボット跡も多くなり難度が増す。読者のみなさんも今のうちにベストスコアを狙ってみよう。
さて、今月のコラムのテーマは〝主催者推薦枠〞だ。この言葉をみなさんもよく聞くだろうが、私たち解説者は必ず真っ先に確認する項目だ。
通常、試合に参戦してくる選手たちは、出場する権利を有している。昨シーズンの獲得賞金や試合優勝者に与えられるシード、QTなど予選会上位者に与えられる優先出場順位などがあるが、この枠に入らない選手が〝主催者推薦枠〞というマジックワードを使って出場する。レギュラー陣は毎週、毎週、名前を見聞きするが、推薦で出場してくる選手は「はて?誰?」となるため、解説担当になると主催者推薦枠の出場選手からデータ集めをはじめる。
さらに、完全なる推薦のほかに、マンデークオリファイ(以下・マンデー)なるモノも存在するが、本来マンデーは誰でも挑戦できるオープン競技の予選会。しかし、日本の各試合で行なわれるマンデーはまったく違い「主催者推薦枠から漏れた、主催者推薦の選手たち」ということになっているのだから変な話だ。
主催者推薦の枠は主催者が自由に使えるので、海外有名選手、所属や取引先の選手、ゴルフメーカーから推される選手とさまざま。数多くの選手のなかから選別しなくてはいけない。そこで、マンデーを主催者推薦選手たちの予選会として使っているわけなのだが、そんなモノが必要なのか?
年間を通し、勝者や賞金あるいはポイントでシード選手を決め、予選会で出場優先順位を決めてシーズンがはじまる。しかし、フィールドにはマンデー通過者を含めると、日本の男子ツアーでは約15%、女子ツアーでは約20%も〝主催者推薦枠〞での出場者が存在し、タケはこの特殊な権利での出場選手たちに違和感を覚えてしまう。
スポーツ、いやプロスポーツのスタートラインが捻じ曲がった日本のプロゴルフは、フェアなフィールドではない、と自らが発信している状態ともいえるだろう。
もちろん世界のプロツアーにも推薦枠はあるが、日本の推薦枠の数の多さは異常!大金を出稿している、スポンサー様には頭が上がらないのだろうが、健全なツアー運営をするにはツアー側が主催権を握るスキームへ早く転換すべき。そうしないと、ガラパゴスな日本のツアーに未来は見えてこないだろう。
いかがでしたか? 「マンデー予選会の枠」についてあなたはどう感じますか?
タケ小山
●小山武明(こやま・たけあき)/1964年生まれ、東京都出身。プロゴルファー、ゴルフ解説者。テレビ「サンデーモーニング」(TBS)、ラジオ「Green Jacket」(InterFM897)ほか、多数メディアで活躍。
イラスト=北沢夕芸
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