
“失敗しないクラブの買い方”とは?シングルプレイヤーが教える
プロゴルファーのように、とりあえずクラブヘッドを決めてシャフトを次々と試すことが出来るのであれば理想ですが、私たちアマチュアはそうはいきません。そもそも量販店で打っているクラブには、ある程度決まったシャフトが刺さっているわけで、その中に自分に合うクラブが売っているのかも定かではありませんよね?
ただ、今どきのクラブというものは全て、それなりに良いものだと考えても大丈夫です。それを大前提とした上でオススメの購入方法と、使いこなすために大切なクラブの初期設定について、お伝えしたいと思います。
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友人のクラブを打ったら良かったので、購入してみたら・・・
一緒にラウンドした友人の調子があまりにもよかったので、打たせてもらったらナイスショット連発、早速、購入してみたら調子が良かったのは最初だけなんてことありませんか?
実は、とても良いクラブ選びを出来ていたのにツメが甘かっただけかもしれません。ゴルフクラブは、シャフトの重さや硬さ、グリップ選び、バランスなどの微調整で「良い相棒」に変えることが可能なんです。ナイスショットは偶然では出ませんが、たまに1発だけナイスショットが打てるクラブではスコアメイクは難しい。たくさん打ってもバラツキの少ないものこそ理想であったりするのです。
クラブの選び方①「見た目重視」

いわゆる「クラブの顔」でナイスショットが出るイメージが浮かぶかどうかで、実際の結果やスイングに影響がでるタイプの人がいます。このタイプは、まず見た目が好きなものを探すことが大前提になります。新品、中古品色々なクラブを手にとって構えてみて好みのヘッドを探しましょう。注意点は、お店のライトの当たり方などで見え方が変わります。芝の上にいってみたら全然ダメなこともありますので、パター練習コーナーなどに移動して地面が緑色な場所で確認することが大切です。
クラブの選び方②「結果重視」

「結果重視」の人は、気になるクラブ(大手メーカーのものが無難)を手にとり試打をして、データーや打感を確認することが大切。飛距離などのデータは、お店の機械の質や設定によって上下します。数値の比較的良いものの中で、1番安定して”振りやすい”と感じたものを選ぶのがいいでしょう。ポイントは1本のクラブを最低10~20球は打つこと。特に後半疲れてきたときに、そのクラブとの相性が顔を出しますので2~3球打って「よし! 」とならないよう気をつけてください。5種類くらい試すのであれば、複数回に分けて試打を行ない、気に入ったものがあれば数日空けて再度試してみると間違いないものが選べます。
クラブの選び方③シャフト選び

ポイントは、「感覚的に上手く振れたような気がしたとき」に良い球が打てたシャフトがオススメです。中級者以上の人は、ドローやフェード、低い球などを打ってみて、ひどいミスが出ない物を選んでいきます。試打しているとゴルフの上手い下手に限らず、それなりの球が打ててしまいます。しかし、重要なことは”コースで使える”かという点です。体が気持ちよく動かせたときに、大きく引っかけたり、球が上がりすぎて前へ飛ばないシャフトは要注意です。
クラブの選び方④初心者は、予測される成長分を加味してOK
何球か打ってみて、体のどこかに疲労感が強いクラブはやめましょう。そのようなクラブは、ラウンドの後半や寒い日など体の調子が万全でない日にミスショットが出やすい恐れがあります。ただし、初心者やジュニアなど、これからゴルフに慣れてくることが予測される人は、そのクラブでも大丈夫かもしれません。
クラブの選び方⑤グリップの太さにもこだわる

色や持ち心地にはこだわるのに、「太さ」を気にしない人が多くいます。ゴルフスイングに大敵な”力み”やスイングの安定性にも大きな影響があります。太めをつけて少し短めに握ったり、細めにしたり。グリップを接着するテープの巻き方にこだわる(右手だけ太くなど)ことも大切です。初心者の人は「わからない」とおっしゃるかもしれませんが、無意識に影響する部分ですので「なんか持ちやすい」「振りやすい」「疲れない」などの感覚で十分ですからこだわってみてください。
クラブを購入したら、ライ角、ロフト角を調整する

「6番と7番の飛距離が変らない」とか「8番アイアンだけ引っかけることが多い気がする」といった経験はありませんか?これは、ライ角(クラブヘッドとシャフトの角度)とロフト角(フェース面がシャフト対してどれだけ傾いているか)を調整することによって解決できる可能性があります。ゴルフクラブを購入したらまず、お店の工房などでロフト角をカタログ通りに合わせてもらうようにしてください。
次に、アドレスを見てもらい、おおよそ適当だと思われるライ角に調整してもらいましょう。ここまでは、もしかしたら出来ている人もいるかもしれませんが、この後が大切。実際にスイングをしてソール(クラブヘッドの地面と設置しているところ)のどの部分が地面とこすれるかを確認しましょう。砂地などで素振りが出来れば一目瞭然なのですが、水性マジックなどで線を描いて試すのが現実的でしょうか。ヒール側が強く擦れている場合はライ角がアップライトすぎ、トゥ側が強く擦れている場合はフラットすぎなので、ソールの中央が地面と擦れるように再調整してもらいましょう。プロと違ってアマチュアゴルファーは、アドレス通りにインパクトすること自体が難しいため、実際にスイングしたときの適正なライ角設定がショットの安定性向上に直結するのです。
ここまで出来たら練習場に行って最終チェックです。番手間の飛距離が思うようにならない場合はロフト角を再調整。番手によって”とくに”左右に曲がる傾向が強いクラブがあればライ角を再調整してください。
1番大切なこと=練習を始めたらもう2度とクラブをいじらない
これはアイアンだけでなく、アジャスト機能のついているドライバーやシャフトを複数お持ちの場合などについても注意してほしいところです。初期設定が完了したら、それ以降のミスショットの原因は、すべてあなたのスイングにあります。この状態こそ練習しがいのある、上達のスタートラインになります。
右に曲がったら「カチャカチャ」、球が上がらなかったら「カチャカチャ」と調整をしているようでは上達もできませんし、仮にそのクラブが自信に合うかどうかを正確に判断することもできません。少し頑張って練習を続けてみてください。
ここまで頑張っても、100%間違うことはありません! とは言えないところが悲しいのですが、どのようなクラブを購入しても十分付き合っていけるようにはなると思いますので、ぜひ試してみてください。

岡田豪太
●おかだ・ごうた/1983年生まれ。20歳から30歳までプロゴルファーとして活動しミニツアーで複数回優勝を経験。現在はイベントの運営サポートやライターなど幅広くゴルフ界に関わる
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