武井壮、シニアツアー賞金王とプレー&トーク!シニアで開花した選手たちの共通点は…?

武井壮、シニアツアー賞金王とプレー&トーク!シニアで開花した選手たちの共通点は…?

百獣の王こと武井壮が、ツアープロを目指していろいろな経験を積むのがこの企画。

今月は21年シニアツアー賞金王・篠崎紀夫がゲスト!

武井 いよいよ来週シニアツアーの賞金王が決まりますね(※撮影日はシニアツアー最終戦の前週)

篠崎 賞金ランキングの上位は、すごい豪華キャストで名プレーヤーばかり。そのなかに自分がいるのはしびれもありますがとても光栄なこと。一緒にプレーしたり競えるのは楽しくて、幸せを感じますね。

武井 最終戦に向けての意気込みをお聞かせください。

篠崎 意気込まないことですね(笑)。賞金王という名誉はすごくほしいけど、狙っても獲れるとはかぎらないし、楽しんでゴルフをやるだけです。

武井 昨年の追う立場と追われる立場での違いは、何か感じていますか?

篠崎 どちらの立場でも緊張感があるし、1打で賞金額が変わる。昨年はそういう意識が自分にブレーキをかけていた。自分のゴルフとは違ったな、というのが感想と反省です。

ゴルフが楽しくなくなるのは「無理、ムラ、無駄」のせい

武井 篠崎プロの「自分のゴルフ」とは?

篠崎 「無理、ムラ、無駄」をなくすことです。そうすればずっと続けられる、試合でも稼げるようになると、大先輩の千葉晃プロから教わりました。とくに「無理」には自分も思うことがあって、試合ではイチかバチかの無理や、ほかのプロと同じことをしようと無理することが多かった。

武井 セーフティでクレバーなゴルフをするように?

篠崎 攻めるときはきちんと攻めます。でも、その攻め方を自分の取柄を見つけて、できることだけをやる。人と違った方法でも目標にたどり着けばいいと思うようになったら、楽になりましたね。シニアツアーで花が開く人も、自分のゴルフを変えずに長く続けてきたからかもしれません。

武井 50歳をすぎてから大活躍する選手がたくさんいるのも、シニアツアーのおもしろいところで夢がありますよね。

篠崎 室田淳さんや高橋勝成さんなど、レギュラーツアーでも強かった選手はさすがですが、歳は7つ上ですが同期プロで親しい崎山武志さんが勝って、賞金王争いをしているころからシニアツアーを少しずつ意識するようになりました。崎山さんはレギュラーツアーではシードを獲れませんでしたが、シニアでは7勝。山添昌良さんや柳沢伸祐さんもシニアになってから複数優勝をあげています。

武井 そのシニアで開花した選手たちに共通点はありますか?

篠崎 50歳になる手前の期間を休まなかったことですね。「レギュラーはもうダメだけどシニアで」と思っている選手はたくさんいるでしょうけど、彼らはマンデーや下部ツアーに積極的に出場して、試合に出ることを努力し続けていた。

楽しくなければゴルフじゃない!

武井 篠崎プロも同じですか?

篠崎 シニアに向けてもシニア入りしてからも、何かを変えたり取り組んだりはしなかった。まったく同じことを継続してきただけです。あっ、ひとつだけ変えました。40歳半ばをすぎてから笑うようにした。

武井 ラウンド中にですか?

篠崎 はい。それまではミスをするとカーッとなるときもありましたが、ミスはするのが当たり前。ミスしたら「何やってんだよ俺(笑)」と、自分から声を出して笑おうと。

武井 そういう明るい雰囲気が、シニアツアーのプロたちにありますよね。

篠崎 ヘラヘラしてふざけているのかと思う人もいるかもしれませんが、笑うと変な重圧もスッとなくなるし、次のショットもよくなったりと、悪いことがないんですよ。最初は笑うのが大変でしたけど(笑)

武井 ギャラリーもそのプロを観ていて、楽しい気持ちになりますよね。

篠崎 そうなんです。年の功というのもあるでしょうが、先輩シニアたちはエンターテイナーですよ。ジェット(尾崎健夫)さんはOBを打つと「では、アンコールに応えてもう1球」とギャラリーに向かっていったりするんですが、「ただの暫定球じゃないか!」とつっこまれています(笑)。羽川豊さんはギャラリーの人混みに打ったとき「すみません! 狙ったわけじゃないのに飛んでしまいました」と謝ったら、「こういうときは、狙ったら本当に飛んじゃいました!」といえと(笑)

武井 もちろん冗談でしょうけど、それは喜びますね(笑)。観にきた人には一瞬でも、楽しかった、いい思い出ができた、と感じてもらえれば、また観に行きたくなるし、その選手をずっと応援してくれますよね。

篠崎 そうですね。試合ですが、お金を払って見にきてくれている人がいるショーであることを忘れない。そういうのを先輩たちから勉強中です。

武井 ますますシニアツアーに出たくなりますね。

篠崎 若いころはスコアや目の前の1打に集中しすぎてしまうでしょうが、トーナメントはエンターテイメントである意識ももってくれると、男子ツアーの人気もまた上がるかもしれませんね。

武井 ゴルフだけでなく、スポーツ全般がそうだと思います。

篠崎 武井さんはすぐれたエンターテイナーですから、そんな人がシニアツアーにきてくれるのは願ったり叶ったりですし、PGA(日本ゴルフ協会)の講師として、プロたちに講義してほしいです。

武井 ハハハッ。まだちゃんとスイングもできていないし、まともな球も打てていませんが、シニアツアー参戦とPGAの講師。どちらも実現したいですね。ガンバります!

篠崎紀夫

●しのざき・のりお/1969年生まれ、千葉県出身。162cm、67kg。07年に男子ツアーのANAオープンで優勝。19年10月にシニアツアーデビュー。20年はシニア初優勝をあげ、賞金ランキング2位。21年はシーズン3勝でシニアツアー賞金王に輝いた。北谷津ゴルフガーデン所属。

武井 壮

●たけい・そう/環境省サスティナビリティ広報大使、日本フェンシング協会会長など、芸能の枠を超えて活躍するマルチタレント。新プロジェクト「# スポーツを止めるな # 音楽を止めるな」をスタート。YouTubeでは「武井壮百獣の王国」を配信中。
●オフィシャルサイト gogotakei.com/
●twitterアカウント @sosotakei
●インスタグラムアカウント sosotakei

写真=田中宏幸
協力=取手国際ゴルフ倶楽部

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