アイアン25本をガチ試打!アマが選んだ「トップ3」は?1番選ばれたのはあのブランド…!?
最新アイアン25本を、カリスマフィッター・鹿又芳典氏とアマチュア3人が試打。
インプレッションの前に、まずは、鹿又氏が教える3つのアイアン選びのステップを紹介。このステップを覚えておけば理想のアイアン選びの土台ができます。
その後に、鹿又氏のインプレッションとアマチュアが選んだTOP3を紹介します。この記事を参考にすれば、理想の1本を見つかるはず! 最後までぜひチェックしてください。
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Step1 ロフト選び
最新アイアンは4つのロフト帯に分けて選ぼう!
アイアンのロフトは飛距離に影響します。ちなみに数年前までは7番アイアンで30度だと「ロフトが立っている」と言われていましたが、その感覚はもう古い。今回試打した25本(後日公開の記事で各アイアンのインプレッションを紹介)の7番アイアンの平均ロフト角は29・7度。つまり、ロフト30度がスタンダードの時代になったのです。
そして、最新アイアンはロフト33、34度はクラシック系。このロフト帯はパワーヒッターでも飛びすぎません。次がスタンダード系でもっとも幅広いゴルファー層をカバーする29度~32度。ロフトがが28度前前後は飛び系で、こちらは、1番手くらい飛距離が飛びます。最後がロフト26、27度の超飛び系で、2番手以上の飛距離アップを狙えます。
アイアン選びはこの4つのカテゴリーから、自分がどのくらいの飛距離を出したいのか、それにはどのロフトを選ぶかを決めるところからはじめてください。
Step2 形状と素材
3つのタイプ形状と素材の違いでやさしさが変わる!
ロフトの次に確認してほしいのが形状と素材です。アイアンはミスヒットに強いタイプと操作性がよいタイプがありますが、その決め手が形状と素材になります。最新の形状はフルキャビティ、ハーフキャビティ、中空マッスルの3つにわけられます。ミスヒットに強いのはフルキャビティ。操作性を重視するならハーフキャビティか中空マッスル。ちなみに昔はマッスルバックもありましたが、最近は数少なくなり、今回の25モデルのなかにはありませんでした。
素材に関しては、フェースにはステンレスやチタン、ボディには異なる素材を使ってミスヒットの強さを重視しているモデルが多い。その一方で、フェーズもボディも軟鉄を使用しているものは操作性や打感を重視していると言えるでしょう。
アイアンにやさしさを求めるならミスヒットに強いタイプを、いろいろな球筋を打ち分けたいなら操作性の良いタイプを選びましょう。
Step3 ソール幅
ダフりに強いのは幅広、抜けがいいのは幅狭
アイアンはダブリのミスに悩んでいる人も多くいますが、そういう人に気にしてほしいのですがソール幅です。一般的にソール幅が広いほどダフリのミスを軽減してくれます。逆にソール幅が狭いアイアンのメリットは抜けが良くて、ラフや斜面から打ちやすいことです。
ソール幅は、ロフトが立っているモデル程広い傾斜があります。
次は鹿又氏によるインプレッションを紹介していきます。
軽いだけでなく顔も日本人好み
【キャロウェイ】ローグST MAX ファスト
シリーズ内で一番軽い軽量モデルなので、ヘッドスピードが遅い人でも振りやすい。また、構えたときの顔も日本人好みです。この軽さでロフトが立っているので「ローグSTシリーズ」のなかでもっとも飛距離性能が高いです。
アイアンでも初速が速い!
【キャロウェイ】ローグST MAX
ドライバーでも「ローグST MAX」は初速が速いことが話題になっていますが、アイアンの初速もドライバーと同じく速いのが特徴です。ボールの打ち出しが高くてミスヒットにも強いので、幅広いゴルファーが使いやすいアイアンです。
最新アイアンのトレンドど真ん中
【キャロウェイ】ローグST MAX プロ
シャープな形状でありながら、適度にやさしさがあるという最新アイアンのトレンドのど真ん中です。アスリートゴルファーにとっては飛びすぎる心配が出ないので、タテの距離感を合わせやすいです。
「MAX」から寛容性を大幅アップ
【キャロウェイ】ローグST MAX OS
モデル名は「OS(オーバーサイズ)」となっていますが、決して極端にヘッドが大きいわけではないので構えやすい。そのうえで寛容性は大幅にアップされていて、ロフトも少し寝ているから打球が上がってくれるやさしいアイアンです。
超ストロングロフトの飛び系
【プロギア】プロギア03
形状はオーソドックスに見えますが、ロフトは25モデルのなかで一番立っていて、7番アイアンで26度。そのぶん、フェースの高さを抑えて低重心設計にしていることで打球を上げやすくしています。ボール初速もトップクラスです。
ウッド級の性能をつめこんだ
【テーラーメイド】ステルス
シンプルに見える「ステルス」のアイアンですが、超高機能アイアンで飛距離性能が高く、打感もよい。しかも構えやすくてミスヒットにも強い。テーラーメイドはアイアンの内部にもウッド級の機能をつめこんでいると思います。
アスリートにとって理想の弾道
【テーラーメイド】P790
前作もアスリートゴルファーから高く評価された「P790」ですが、新モデルはさらに完成度を高めて、打感や操作性のよさを継承しながら打ち出しも高い。前作より少しロースピンにしたので、高く上がりすぎない安心感があります。
「i500」から格段に進化!
【ピン】i525
このアイアンは「i500」の後継モデルですが、「i500」と比べると打感も寛容性も打ちやすさも格段に進化しています。飛距離性能を高くしながらも、しっかりスピンが入るのでグリーンで球が止まるし、左右のミスヒットにも強いです。
上級者好みの打感と操作性
【ピン】i59
7番アイアンのロフトが34度は、昔は標準でしたが、今は超レア。ヘッドサイズも小振りなので、テクニックがある上級者ほどいろいろな球筋を打ち分けられますし、玄人や上級者好みの打感になっています。
最新アイアン8本を一気試打! カリスマフィッター・鹿又芳典氏のインプレッションを参考に理想の1本を見つけてみてくださいね!
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やさしさ満点で弾道が高い
【ダンロップ】ゼクシオ12
とにかく「ゼクシオ12」はやさしい! 25モデルのアイアンのなかでも弾道の高さはトップクラスで、ミスヒットに強いのでアイアンショットが安定します。ソール幅が広くてダフリのミスに強いのも魅力です。
幅広い層が使えるバランス系
【ダンロップ】ゼクシオエックス
「ゼクシオ12」はやさしいアイアンの代表格ですが、「ゼクシオエックス」は適度なやさしさを継承しながらもソリッドな打感でバランスがとてもいい。アベレージゴルファーから中・上級者まで幅広い層が使えるアイアンです。
HONMAらしいポケキャビ
【HONMA】TW757 P
第一印象はすごくHONMAらしいポケキャビだなと思いました。適度な大きさのヘッドにポケキャビのやさしさがつまっています。打点がズレたときでも直進性が高いので、ヒッカケやスライスに悩んでいる人に最適です。
ソフトな打感で顔もいい!
【HONMA】TW757 Vx フォージド
打感が柔らかくて、球がフェースに食いつく心地よさがあります。飛距離性能よりも、打感、顔、操作性を重視するタイプに打ってほしい。ヘッドの内部にタングステンを入れているので、決して難しいアイアンではありません。
往年のHONMAファンへ!
【HONMA】TW757 B
7番アイアンのロフトが33度のクラシック系ですし、打感や顔は往年のHONMAファンがよろこぶアイアン。しっかりスピンが入ってくれるので、ダウンブローに打ち込むほどロフトどおりに打球が上がって美しい軌道で飛びます。
アイアンが苦手な人向き!
【つるやゴルフ】アクセルゴールドプレミアム
全25モデルのなかでソール幅が一番広く、ダフリへの強さはNo.1! トップのミスにも強くて、飛距離性能も高いのでアイアンが苦手な人にオススメ。ロフトは27度の飛び系ですが、打ち出し角が高いので安心感があります。
つかまりがよくキャリーが出る
【つるやゴルフ】ゴールデンプリックスTX-02
フルキャビティ系のアイアンのなかでも、球のつかまりのよさが魅力。高弾道のドローボールが打ちやすいです。しっかりキャリーを出せるので、池越えやバンカー越えのショットでも自信をもって打てると思います。
スピン量が安定している
【つるやゴルフ】ゴールデンプリックスTP-02
オーソドックスで万人向きの形状ですが、打って驚いたのがスピン量の安定感。芯を外したときでもスピン量が安定しているので飛距離や弾道が安定します。本番に強くてスコアメイクにつながるアイアンだと思います。
異次元の慣性モーメント
【ヤマハ】RMX VD40
アイアンで慣性モーメントが4000g・㎠を超えているのは異次元の領域。ミスヒットに強いのはもちろん、ネック部分の出っ張り部分がアドレス時は見えないのも素晴らしい。ヒール側に当たってもびっくりするくらい曲がりません。
ポケキャビ構造でハイロフト
【ヤマハ】RMX VD
ポケキャビ構造でロフトを32度にしているのは最近だと珍しく、「昔ながらのロフトでやさしい構造」になっているのが特徴です。弾道が高くてスピンも入ってくれるので、グリーンを狙いやすいアイアンに仕上がっています。
難しいライでも攻略できる
【ヤマハ】RMX VDツアーモデル
「RMX VD」をさらにシャープにしたツアーモデル。ヘッドスピード45m/秒を超える人でも、このアイアンなら飛びすぎることはありません。操作性や抜けのよさは抜群なので、難しいライからでもドローやフェードが打ちやすいです。
打感がいいポケキャビ
【グローブライド】オノフAKA
歴代の「オノフAKA」を振り返っても、このシリーズのポケキャビは完成度が高い。素晴らしい点は、ポケキャビ構造なのに打感がいいこと。やさしさと飛距離が出るので、平均スコア100前後の人には理想的なアイアンです。
ツアープロでも使用者増加
【グローブライド】オノフKURO
操作性と寛容性のバランスが絶妙で、ボールを操作できる感覚がありながら、ミスヒットしたときは曲がり幅を軽減してくれます。競技ゴルファーにとってはすごく助けてくれるアイアンなので、ツアープロでも使用者が増えています。
「マジェスティ」が一新!
【マジェスティ】コンクエスト
歴代の「マジェスティシリーズ」に多かった60代、70代向けのアイアンではありません。操作性もあって、抜けもいいので、40代、50代の中・上級者でも十分に使えます。弾き感があるので、ボールスピードも速いです。
軟鉄一体型の名器誕生!
【フォーティーン】TB-7 フォージド
軟鉄一体型の構造でありながら、よくここまでやさしさを出すことができたという名器。ヘッド形状が美しくて、ヘッドサイズやトップラインもちょうどいいサイズなので、構えやすさが抜群! 顔にこだわる玄人にオススメです。
ウエッジのよさをアイアンに
【ラズルダズル】CSI-CC フォージド
ウエッジの評価がすごく高いメーカーなので、ウエッジの抜け感やスピン性能の高さをうまくアイアンに反映させたモデル。フルショットだけでなく7、8割の力加減で飛距離を調整するショットが打ちやすいです。
最新モデルはタイプによって好みが明確にわかれた!
シニア代表の小野寺さんは「楽に振って飛距離が出るモデルを」。アスリート代表の編集Mは「打感と顔のよさを重視しました」。アベレージ代表のライターNは「3本ともダフリやミスヒットに強かったです」というのが決め手となったそうだ。
ロフトも形状もソール幅もさまざまなバリエーションがあるアイアンは、使い手によって好みがわかれるのも傾向のようだ。
小野寺さんが選んだトップ3
振りやすい3モデルを選んだ
今年で72歳なので、とにかく振りやすくて飛ぶアイアンをトップ3に選びました。「ゼクシオ12」や「コンクエスト」は軽く振っても飛距離が出て感動しました。「ローグST MAXファースト」は軽量なのに強い球が打てるのがよかったです。
【ダンロップ】ゼクシオ12
【キャロウェイ】ローグST MAX ファスト
シリーズ内で一番軽い軽量モデルなので、ヘッドスピードが遅い人でも振りやすい。また、構えたときの顔も日本人好みです。この軽さでロフトが立っているので「ローグSTシリーズ」のなかでもっとも飛距離性能が高いです。
【マジェスティ】コンクエスト
シニア代表 小野寺克志さん
50歳からゴルフを本格的にはじめ、ゴルフ歴は21年目。スコアは90前半から100を超えてしまうこともあるが、叩くときはアイアンのダフリやトップのミスが原因だという。ドライバーのヘッドスピードは35m/秒前後。アイアンは飛ぶモデルがほしい!
編集Mが選んだトップ3
アスリート好みのカッコいい系!
構えやすい美顔で、打感や打音の心地よさが振りやすさを演出してくれるカッコいい系の3モデルを選びました。真っすぐ高く飛ぶのはもちろん、球筋の操作もできるので、アスリートゴルファーはぜひ参考にしてください。
【フォーティーン】TB-7 フォージド
【テーラーメイド】P790
【キャロウェイ】ローグST MAX プロ
アスリート代表 編集M
小誌のレッスンやギア企画を担当するベテラン編集者。平均スコア80台。ドライバーのヘッドスピードは40m/秒前後と飛ぶほうではないが、アイアンは往年の美顔や心地よいフィーリング、操作性などアスリート好みの性能を求める。
ライターNが選んだトップ3
「プロギア03」は小顔でも飛ぶ!
今回、打って驚いたのは「プロギア03」の飛距離です。どちらかと言えばシャープな小顔なのに、大型ヘッドの飛び系アイアンより飛びました。「ローグST MAX」と「オノフAKA」は、つかまりのよさと直進性の高さが魅力です。
【プロギア】プロギア03
【キャロウェイ】ローグST MAX
【グローブライド】オノフAKA
アベレージ代表 ライターN
「カノマタギア深層の真相」を担当するゴルフライター。ドライバーもアイアンもスライスに悩んでいるので、つかまりのよいクラブが好み。平均スコアは100前後。現在は飛び系のアイアンを使用している。
いかがでしたか? 最新アイアンで迷ったら、今回の記事を参考に、自分に合ったものを選んでみてくださいね。
解説=鹿又芳典
●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。
写真=田中宏幸
協力=ジャパンゴルフスクール
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