エイジシュート1000回越えのゴルファーから学ぶ「長寿の秘訣」

エイジシュート1000回越えのレジェンドゴルファー植杉乾蔵さん。上杉さんの考えから、自身のゴルフ人生について考えてみましょう。

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エイジシュートを狙う効用

エイジシュート1000回越えのレジェンドゴルファー植杉乾蔵さんが12月1日、99歳の誕生日を迎えた朝に亡くなった。35歳でゴルフを始め、自動車営業マンを早期定年退職した55歳から本格的に取り組み、60歳でシングルプレーヤーに。71歳で初エイジシュートを達成し、その後、積み重ねた通算のエイジシュート数は1472回だった。植杉さんを知ったのは16年前。

当時、エイジシュート760回の「スーパー翁」として雑誌で紹介。その後、植杉さんのホームコース・球磨CCの海老原社長に「球磨カンは日本プロを開催したいいコースだが、知名度が低い。球磨カンを全国区にする方法を考えてくれ」と言われ、植杉さんの助言を得て「全日本エイジシューターマスターズ大会」を企画・開催。これを契機に私自身、エイジシュートを狙うようになった。

その後、エイジシューター100人に取材し、エイジシュートを出すための必要条件は5つの「K」であることがわかる。①健康 ②金 ③カカア(の協力) ④交友(ゴルフ友達) ⑤気持ち(絶対エイジシュートを出すぞという)。ここにはゴルフの腕前は入っていない。ゴルフのうまさより、健康で、いつまでも気持ちよくゴルフに行けて、楽しめる環境のほうがはるかに大事なのだ。

また、取材した100人の初エイジシュート年齢は平均78・6歳であることも判明。となると、78・6歳まで元気にゴルフのできる体でいればエイジシュートにはかなり近づける。そう考えて60歳から毎朝、金魚運動、腹筋、腕立てプルプルをそれぞれ100回ずつ続けてきた結果、68歳で初エイジシュートを達成。さらに74歳になった今もドライバーの飛距離230ヤードを堅持し、腰痛に悩まされることもなく、4連チャンまではラウンド可能な体力を維持している。

植杉さんに話を戻すと、通算1472回のエイジシュート達成はもちろん素晴らしい記録だが、もっとすごいのは60歳から95歳まで毎年150ラウンド以上を35年間続けてきたこと。台風や積雪だとゴルフ場は休業する。それらを考えると、週に4日以上ゴルフ場に通い続けないと、年間150ラウンドは達成できない。80歳のときは足首を骨折して3週間入院、医者に1カ月間はゴルフ禁止を言い渡されたが、4週間目にはクラブを杖代わりにラウンドしたという逸話も残る。

植杉さんの口癖はこうだった。「3日もコースに出んと体調が悪うなる」「たいていの人は歩けなくなったけん、ゴルフばやめるというばってん、私にいわせればゴルフばやめるから歩けんようになると」植杉さんに限らず、エイジシュートを目指すといつまでもゴルフを続けたい思いが強まり、日常的なストレッチや運動に励むだけでなく不摂生をしなくなり、家族やゴルフ友達にもやさしくなる。それが一番の効用で、植杉さんのゴルフ人生は、まさにそれだった。ご冥福をお祈りします。

高橋健二
●たかはし・けんじ/1948年生まれ。ゴルフライターとしてレッスンやクラブ情報などを執筆。 HC8。
イラスト=丸口洋平

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