テニスの安定さを“ゴルフスイング”に応用すべし!思考の転換が上達への近道

ゴルフはスポーツのなかでも、とくに意図した動きができないといわれる。その原因が「細胞や脳に関係する」とわかり、自身も素早く100切りを達成した研究結果をレポート。

斬新な視点と理論が、レベルアップを目指すゴルファーに光明を射す!

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200キロ超のサーブでも返球

テニス経験者であればご存じのように、ある程度ラリーができるようになると、打ち返すこと、狙って打つことに対してのストレスがまったくなくなる。それはすでにラケットが手の延長になっていて、道具をうまく使えるというレベルではないからだ。あとは、相手が処理できないボールをいかに狙って打つかだが、これに対し、ゴルフは思ったところに飛ばせない、曲がってしまうというのが多くのプレーヤーの関心事になっている。では「テニスのような感覚で打てないか」。そもそもの考え方を変えてみるのが上達に結びつく。

グリップがある程度固まったところで、いよいよ思いどおりにボールを打つための核心部分に入っていきたいと思います。テニスのプロの試合では200キロを超える猛烈なサーブでも、きっちり相手コートの隅に糸を引くような素晴らしいショットでエースを獲るのを目にします。ちなみに硬式テニスでは、ボールがガット面に留まっている時間はわずか1000分の4秒(ゴルフは10000分の5秒)ほどといわれ、ボールコントロールのチャンスはその一瞬でしかありません。

フェース(ガット面)が大きいとはいえ、なぜあのように安定して正確な返球ができるのか。それは、ボールはフェースの向きに対して直角に飛び出す特性があるため、きちんとインパクトすれば、タイミングが少しズレてもボールはほぼ意図した方向に飛んでいってくれるからです。

さらに、ボールの挙動は①フェースの方向(出球方向) ②フェースのスライド方向・量(ボールの曲がり具合・落下具合) ③コンタクト圧(ボールの強さ)のたった三要素で一義的に決まるのですが、インパクトで三要素を含めたフェースコントロールがしっかりできていれば、方向性のみならずスピン量などを操ってイメージどおりの弾道で返球することが可能になります。実際には、走り込みながらも仮想の打点をまず決定。

次に、その打点からもっとも有効な弾道をイメージして三要素を逆算で算出。最後は、そこで出た結論の実行だけに集中し、信じて一気に振り抜くだけなので、失敗を考えずにプラス思考でリラックスして打てるのです。このときの心の中というのは、二両連結のおもちゃの電車を先頭車両からヒモで引っ張っているよな平静な状態ですから、態勢が崩されていてもプロであれば神業のようなスーパーショットを冷静に見極めて狙って打てます。

そして、一旦これが身につくと、アマチュアレベルでも当たり前のようにできる動作になります。これが、私がテニスのショットに関して抱いている揺るぎない主観の支配する安定のイメージで、心はいつも前向きで100%思いどおりになると思って打っています。しかし、これは一般的なゴルファーがショット前に抱くイメージとはだいぶ違うのではないでしょうか。

外からの視点で考えてしまうゴルフ

ゴルフでもしっかり狙って打っている、と思われるかもしれません。確かに気持ちはそうで、実際に思ったように狙って打てている人もいるでしょう。でも、かつての私は違いました。たとえば、ゴルフでは「ボールはスイング軌道の中にたまたまあったと考えろ」「9時から3時のビジネスゾーンをまっとうせよ」などといわれます。

これは、恐らくスイングが安定しないビギナーに対する安全弁のようなもので、ボールを打ちにいくことで手打ちにならないようスイング全体に意識をもっていかせるためだと思われます。しかし、この解釈・視点というのは、レッスンプロがあなたを教える際の視点であって、外側から見た「客観」になってしまっているのです。

そこに一旦入ってしまうと逃れられなくなって「トップでフェースが45度になっていればインパクトではスクエアになる」「アウトサイド・インの軌道ではスライスになってしまうので右ワキを締めてインサイドから振れ」のように、正しいとされるスイングから抜き出された複数の「正解」をつなぐことでスイングを作ろうとしてしまいます。

そして、いつの間にか知識でスイングをコントロールしようとし、理論の沼にはまってしまうのです。また、このスイングの詰め方は、各チェックポイントで満点をとって、それを積み上げ、結果としてインパクトでもスイングでも満点をとるのが絶対条件となります。これはある意味「減点法のスイング」なので、減点されないようにとマイナス思考になってしまい、先の例にならえば二両連結の電車のおもちゃを今度は後ろから押して挙動を見ながら真っすぐ走らせる「調整するスイング」になってしまうのです。このように視覚情報を頼りにうまくやろうとすると気が抜けないものになってしまうもので、そのストレスから可動域が小さくなり動きも鈍くなってしまう。それがスイングの不安定さに繋がるのです。

そして、このようなことを繰り返して得た外視点での成功は、いつしか自らの感覚で攻めていくことを怖く感じさせてしまう負のスパイラルを生みます。これに対し、自分の感覚とシンプルなルールでゴールを決め、それをまっとうすることを考えるテニスは、一旦インパクトの状態をゴールと決めてしまえば、あとは信じて打ち込むだけなので、気持ちは100%前向きで、いつも成功を疑わないチャレンジャーでいられるのです。

このように同じ打つことが目的のテニスのスイングとゴルフのスイングとでは、内面的な部分で目指すものがまるで違うのです。じつは「この打ち込まれても自信をもって反撃できるテニスの安定さをゴルフに持ち込むこと」が本連載のテーマのひとつになります。

次回からは、ゴルフの常識にとらわれることなく、このプラス思考でゴルフを楽しむ方法をご説明していきたいと思います。

いかがでしたか? 何度も読み返して意識改革をめざしましょう!

文・イラスト=サンドラー博士
●ゴルフ好きの研究者。ゴルフの専門家ではないが、ゴルフ理論は「教える側」という「外側からの視点で組み立てられているから難しい」ということに気づいてからは、「それをどう解決するか」の研究に没頭。出た答えを多くのアマチュアに伝えたく、毎レポートする。

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