バンカーから1発で出せる「4つの鉄則」とは?プロが徹底解説

鈴木大哉プロによるバンカーを1発で出してピンに寄せるためのお約束レッスンを紹介します。

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鉄則ー1 まずは足をしっかり砂に埋める!

砂の上でも下半身を安定させるとともに、ヘッドをボールの下まで潜らせやすくするためアドレスで足をしっかり砂に埋める。つい忘れがちだが、バンカーでは大事なポイントだ

鉄則ー2 フェースを開いてボールは少し左寄り

フェースを開いてウエッジのバンスを効きやすくし、ボール位置は真ん中よりも左寄りにすることでダフリやすくする。スタンスは極端に開く必要はないが、若干オープンがオススメ

鉄則ー3 重心を下げてどっしり構える

下半身を安定させ、ヘッドをボールの下まできっちり届かせるために、スタンスを広めにして重心を下げて構える。ただしカカト体重になりすぎて、お尻が下がらないように注意しよう

鉄則ー4 フィニッシュまでゆるめずに振り切る

確実にダフらせられる構えを作ったら、振り幅の大きさを怖がってゆるめないようにしっかりスイング。砂を叩くことに気をとられすぎず、フィニッシュまでしっかり振り切ることが重要だ

スイングの最下点が確実に低くなる構えを作ろう

バンカーショットが苦手な人は、大ダフリになったりホームランが出たりとミスが安定せず、その結果、思い切ったスイングができなくなってさらにミスを招くという負の連鎖に陥りがちです。この悪循環を防ぐには、ミスをどちらか一方に限定するコツを身につけることが有効だと思います。

でもその前に、バンカーショットの基本をおさらいしましょう。バンカーはしっかりダフってボールの手前の砂にヘッドを入れ、ボールの下までヘッドを潜り込ませることが大前提。だからプロゴルファーはしっかり足を砂に埋めて、普段よりも低くなる「ダフれる形」を作るのです。

とくに、バンカーが苦手な人が忘れがちなのが「足を砂に埋める」ことです。足を埋め、ボールを少し左にセットし、重心を下げてゆるめず振り切る。まずはこの基本を思い出してください。

また、別日には「ダフリ方」のポイントをレッスンしてくれました。

大ダフリを絶対避ける!

ウエッジの刃ではなくソール面から接地させれば刺さらない(〇)

大ダフリの原因はコレ! → 刃から入ると深く潜って飛ばせない

手前からダフらせたときに、入射角が鋭角でウエッジの刃から接地してしまうと、バンスが効かずにヘッドが砂に潜って大ダフリになる(×)。打ち込まずに払い打ちでバンスを効かせよう

正しいダフリ方1 少しハンドレート気味に構える

フェースをしっかり開いてバンスを効きやすくし、ボール位置はノーマルよりも少し左にセット。体重配分は左右5対5で、ややハンドレートに構えるのがポイントだ

正しいダフリ方2 軸を傾けずにフェースの向きもキープ

スイング軸が傾くと軌道が波打って大ダフリの原因になる。アドレス時の軸に沿ってスムーズに回転するイメージ。開いたフェースの向きを変えずに体の回転でスイングしよう

正しいダフリ方3 低いところから低いところへ左右対称で振り抜く

ゆるやかな入射角で払い打つので、スイングは左右対称。上から下ではなく、低いところから低いところにヘッドを通していけば、インパクトゾーンも長くなり刺さりにくい

ヘッドの入射角をゆるやかにすれば刺さることはない

ゆるやかな入射角でバンスを使えれば、ボールの20センチ手前から入ってもうまく砂を飛ばしてナイスアウトできる
低く長いインパクトゾーンでボール前後の砂ごと削るイメージをもとう

アマチュアのバンカーショットでいちばん多いミスは、球が飛ばない大ダフリでしょう。これは上から打ち込もうとしてウエッジの刃から砂に接地してしまうせい。バンスが使えずにヘッドが砂に潜りすぎてしまうのが原因です。

このミスを避けて確実にボールを飛ばすには「ホームラン気味でもいいや」と割り切ることが大事。飛ばない、飛びすぎの両方を嫌がるから、どちらのミスも出てしまうのです。

大ダフリを避けるには、ヘッドの入射角をゆるやかにすることが最重要ポイントです。上から打ち込むのではなく払い打ちで、ボールの前後20センチずつ、合計40センチくらいの砂を薄く削り取るようなイメージでスイングしてください。

入射角がゆるやかならヘッドがボールの20センチ以上手前から接地しても、バンスが効いてナイスアウトできます。最初は怖いかもしれませんが、勇気をもってやってみてください。

また、別日には「ホームランをしないコツ」をレッスンしてくれました。

ホームランを絶対避ける!

クリーンに当たってしまうと飛びすぎて大きなミスになる

ホームランの原因はコレ! → 薄く取ろうとしてクリーンに当たってしまう

砂が薄く取れすぎたり、ソールが跳ねて刃が直接ボールに当たってしまうとホームランになる(×)。多少上から打ち込めば、飛距離は出にくくてもホームランにはならない(〇)

ホームランしないコツ1 フェースを開きすぎず少しハンドファースト

ボール位置はスタンスの真ん中くらい。左足体重でややハンドファーストに構える。バンスを効かせるためにフェースは少し開いておこう

ホームランしないコツ2 軸を左に傾けたまま右上から左下に振る

アドレスで作った左に傾いた軸に沿って、右上から左下に振っていく。打ち込んでも、フェースを開いてバンスが使えれば大ダフリにはならない

ホームランしないコツ3 カット軌道でOK。クラブが寝ないように注意

スイング軌道はカット気味でOK。ダウンスイングでクラブが寝てインサイドから入ると(×)、ソールが跳ねやすくホームランの危険が高まる

ホームランしないコツ4 球を上げようとせずロフトを信じて打ち込もう

球を上げようとすると軸が右に傾き大きなミスになる(×)。フェースを開いたぶん、通常よりもロフトは増えているので、そのロフトを信じて打ち込もう

鋭角に打ち込めるアドレスを作って低めの球で出す

左肩を下げて構えるのがポイント
普段よりも左足に多めに体重をかけて構え、左肩を下げて「左下がり」の構えを作れば、入射角は鋭角になってホームランは防げる

払い打ちのイメージで打ったときに、意図せずソールが跳ねてしまったり、思ったよりも砂が取れる量が少ないと、飛びすぎてしまうホームランの危険があります。

狙っているピンの奥にOBや池、別のバンカーがある場合などは、ホームランは避けたいですよね。そういう場合は、ダフリ気味で飛距離が出なくても仕方ないとあきらめて、絶対にホームランしない打ち方を選択しましょう。

ホームランの防ぎ方は、飛ばしたいときと逆。上からしっかり打ち込んでヘッドを砂に深く潜らせます。このときちゃんとウエッジのバンスが使えていれば、脱出できないような大ダフリのミスにはなりにくいので、フェースはある程度開いてください。

大事なのは球を上げようとしないこと。肩のラインが左下がりになるように左サイドを低くセットして、カット気味に振ってしっかり打ち込んでいきましょう。

また、別日には「スイングミス」について詳しい解説と、レッスンしてくれました。

アドレスで距離を打ち分ければスイングのミスが防げる

バンカーショットで大きなミスをするときは、スイングを加減してしまい、打ちたい距離よりもゆるんだりリキんだりして、インパクトがズレるケースが多いと思います。

バンカーショットでは、飛ばしたいときも飛ばしたくないときも、同じように大きな振り幅でゆるめず振り切ったほうがスイングが安定し、大きなミスは出ません。スイングを加減せず、フェースの開き方とボール位置、スタンス幅で飛距離の調節をするのがオススメです。

飛ばしたいときは、フェースの開きを抑え、スタンスを狭めにします。ボール位置は少し右寄りにし、ちょっとハンドファーストになってもOKです。

反対に飛ばしたくないときは、フェースを大きく開いて、スタンスを広げて構えます。ボール位置は少し左寄りにし、ハンドレート気味に構えましょう。

飛ばす・飛ばさないの打ち分け 

飛ばすときの打ち方

フェースはちょっとだけ開いてスタンス狭め

ボール位置は少し右寄りでハンドファースト気味。カットになりすぎないように、インサイド・アウト気味に振ろう

バンスを使うためにフェースは開くが、開き加減を抑えめにし、ボールを右寄りにすることでロフトを増やしすぎない。スタンス幅を狭めてしっかり回転し、飛距離を出そう

飛ばす・飛ばさないの打ち分け

飛ばさないときの打ち方

フェースを目いっぱい開いてワイドスタンス

ボール位置が左になるぶん少しだけハンドレート気味。重心を落としてややカット気味に振っていくのがポイント

フェースを思い切り開き、ボール位置も少し左寄りにしてウエッジのロフトを増やす。スタンスを広げて下半身の動きを抑制することも、飛距離を抑える効果がある

いかがでしたか? バンカーショットの距離の打ち分けは鈴木プロのアドバイスのようにスタンス幅とフェースの向きを意識してみましょう。

レッスン=鈴木大哉

●すずき・だいや/1999年生まれ、埼玉県出身。180㎝、90㎏。日大ゴルフ部出身で、卒業後、昨年9月のプロテストに合格。300ヤードを超える飛距離と小技のテクニックを兼ね備え、新人戦をプレーオフで制して優勝した。フリー。

構成=鈴木康介
写真=相田克己
協力=キングフィールズゴルフクラブ

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